詰将棋つくってみた(129) 課題27:講評

Judge:池田俊哉

優秀作

第12問 ミーナ

正解
24銀、14玉、15銀、13玉、35馬、12玉、
23飛成、同玉、24銀、12玉、13銀成、21玉、
12角、11玉、44馬、33歩、同馬、同飛、
22成銀、同玉、33歩成、12玉、22飛、11玉、
21飛成、同玉、32銀不成、11玉、12歩、同玉、
23銀成、21玉、22とまで33手詰

 17馬を世に出す35銀の繰り替えから最後に22に消える銀の動きが楽しい。ミニ煙ではあるが33歩成の形はあまり見たことがなくちょっと新鮮な印象。32歩はなくても同じ手順となるようだが、あえて移動合としたあたりにもこだわりが感じられて感心。

講評

第1問 本間晨一

正解
24金、同馬、25銀、同馬、同龍、13玉、
43飛成、同馬、31角、12玉、22角成まで11手詰

 手の付け処は少ないが24金から25銀の連続手は良い感触。43飛成できれいに決まった!と思える、飛角図式の短編として合格。

第2問 不透明人間

正解
33桂、同歩、13桂、同香、12銀、同金、
32金、11玉、12馬、同玉、22金打まで11手詰

 理詰めで解ける作品で、詰将棋の入門編としても使えそうな作品。序を支えた馬が消えてすっきりした詰め上がり。

第3問 不透明人間

正解
13馬、同桂、11角成、同玉、31飛、22玉、
21桂成、12玉、24桂、同銀、32飛成まで11手詰

 22角が浮いているので考えやすいが二枚角を捨てて持駒の飛の活用を目指す。収束のための16桂配置が少し残念だが、曲詰のような詰め上がりはキレイ。

第4問 negitarou

正解
55香、68龍、24金、12玉、23金、21玉、
42香成、11玉、21角成、同玉、32成香、11玉、
22金まで13手詰

 初手56香は35銀合(金合)で不詰。55香で龍の横効きを止めるが68龍で98角の効きが通り収束へ向かう。42香成で98龍ではなく11玉と二手伸びるのがうっかりしそうになるところ。

第5問 negitarou

正解
26銀、同玉、37銀、27玉、28銀、同玉、
37飛成、19玉、28銀、18玉、27龍、29玉、
37銀、39玉、28龍、49玉、48龍まで17手詰

 36へ逃げられないよう初手は当然だが、37銀と重く打つのがポイント。37同銀成の変化で同飛成25玉に対して17桂がやりにくい手。作意順は19の飛を取らせて、煙詰で良く出てくる詰め上がりへ。

第6問 negitarou

正解
22歩、12玉、34角成、11玉、12歩、22玉、
13馬、32玉、23馬上、21玉、11歩成、同玉、
12馬左、同飛、23桂不成、21玉、31馬まで17手詰

 初手22歩に対して同飛は22で清算、31玉は32歩から清算で簡単。12玉に対して34角成と二枚馬で攻めるが、7手目13馬の軽手が良い感触。5手目に打った歩を成り捨てる収束も軽やか。

第7問 不透明人間

正解
31と、同玉、41歩成、21玉、31と、同銀、
12金、同玉、24桂、13玉、25桂、同角、
12桂成、同玉、23金、21玉、11馬、同玉、
13香、21玉、12香成まで21手詰

 このまま12玉と上がられると持駒がすべて必要なため31歩成と攻めるが同玉に41歩成となり、結果的に42歩が邪魔駒であったことが分かる(31玉に対して42金と打てる)。12金からはきれいな捌きの連続で、最後は大駒も馬も消えて見事な出来栄え。

第8問 本間晨一

正解
78金、同金右、77龍引、同金、78金、同金、
97馬、89玉、79金、同金、同馬、同玉、
78金、89玉、69龍、98玉、99龍、同玉、
33角、89玉、88角成まで21手詰

 龍馬+金四枚のユニークな形で、金三枚の堅い守りに挑む。遠い龍馬の活用を図ればそれほど難しいところはないが、最後ミニ煙まで行けるというのは面白い。

第9問 本間晨一

正解
58金、同玉、49銀、69玉、68金、同馬、
79金、同龍、58銀打、59玉、48銀打、同角成、
同銀、58玉、36角、48玉、47龍、39玉、
38金、29玉、27龍、19玉、28龍まで23手詰

 同作者の「おもちゃ箱アート展示室No.101「四通八達」2023.02」のバリエーションの一つか。
 49銀とクサビを打ち込んだ後の68金-79金のコンビネーションは、持駒豊富とは言えきれいに入った。

第10問 武田裕貴

正解
33桂、同銀、42銀成、同銀、33桂、32玉、
42香成、同玉、43銀、33玉、23歩成、同桂、
34龍、22玉、32銀成、同飛、23桂成、11玉、
12成桂、同玉、32龍、22金、14飛、13桂、
24桂、11玉、13飛成、同金、23桂、同金、
12龍まで31手詰

 序から指に任せて進むが、守備駒を質駒として呼ぶ23歩成から32銀成の連続が良いリズムとなった。最後は飛龍図式を経由してならいある収束となったが、ここに持っていく流れが楽しい。

第11問 RINTARO

正解
44馬、31玉、21香成、同玉、13桂、12玉、
11馬、同玉、21飛、12玉、23銀、同金、
24桂打、同金、同桂、13玉、12桂成、同玉、
22金、13玉、23金、14玉、24金、15玉、
25金、16玉、26金、17玉、27金、18玉、
28金、19玉、29金まで33手詰

 初手はこれしかないが、12玉の変化は読みが必要(例:14飛以下)。13桂から11馬は英断だが21飛と打てば収束までの道が見える。
 とは言え、最下段の詰め上がりはユニーク。

第13問 本間晨一

正解
49銀、同玉、47龍、48銀、38銀、59玉、
69金、同玉、79金、同玉、77龍、78角成、
68角、89玉、79金、99玉、89金打、同馬、
同金、同龍、88銀、同龍、同龍、同玉、
33角、78玉、77角引成、69玉、79飛、58玉、
59歩、同銀成、同飛、48玉、39銀まで35手詰

 同作者の「おもちゃ箱アート展示室No.101「四通八達」2023.02」のバリエーションの一つか。
 98龍の守りがモウレツに堅いので、一間龍の形から守備駒の龍馬三枚との清算を目指す。
 33角と打てればあとは収束だが、9番もそうだが初形より詰め上がりの駒数が多いのは「不動駒なし」という印象が弱くなってしまう。

総評

 「不動駒なし」と言うと印象としては「捌き」や「駒の効率」となる。逆に簡素図式は結果的に不動駒なしとなることが多く(LIMIT7、飛角図式、ともにつみき書店から発売中)、どちらかと言うとテーマのインパクトは弱くなってしまうか。
 優秀作はテーマ+αが感じられたミーナ氏作を選ばせていただいた。次点は6、11あたりか…。

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