詰将棋つくってみた(162) 課題35:宗看流捨駒

課題35:同一駒を2回以上連続で捨てる詰将棋を作ってください。

 三代伊藤宗看の作品には大駒を縋りつくように捨てる作品の印象が強く残ります。例えば第29番、第24番、第17番あたりを鑑賞していただきたい。第60番もその系譜だ。第70番も連続ではないが何度も馬を捨てると言ってよいでしょう。

 今回は宗看流捨駒と題して、同じ駒を連続して2回以上捨てる作品を募集します。

  • 手数制限はありません。
  • 未発表作に限ります。
  • 投稿先はkazemidori+kadai@gmail.com
  • 締切は10月30日(月)
  • Judgeは妻木貴雄さんです

例題を見ていきましょう。

例題1 大和敏雄 詰パラ1994.9

42歩、31玉、13角、42玉、53銀、同玉、
31角成、42桂、65桂、43玉、34龍、52玉、
54龍、同桂、53桂成まで15手詰

 収束34龍~54龍と連続して捨てるのが鮮やかです。

例題2 吉田健 『嬉遊曲』第25番 詰パラ1965.11

69金、同桂成、57飛、48玉、58飛、同馬、
57龍、同馬、49金まで9手詰

 飛車を2回連続で捨てる例です。止めに龍の捌き捨てもはいって、まさに畳み込みという感じですね。

例題3 妻木貴雄 『詰将棋サロン名作選』第105番 将棋世界1977.12

37角、26銀、同角、同と、24銀打、16玉、
38角、25玉、47角、16玉、25角、27玉、
36角、同と、17金まで15手詰

 舞台を構成する銀を入手するのも角に対する間駒。その後も角のスイッチバックで邪魔駒を消去してクライマックスの2連続角の捌き捨てにつながります。統一感があり完成度の高い傑作です。

例題4 妻木貴雄 『Limit7』第52番 近代将棋2005.07

18銀、26玉、27銀、15玉、16銀、同玉、
36龍、17玉、35角、同角、27金、18玉、
38龍、19玉、28龍まで15手詰

 銀の三連続捨駒。本作はそれは序奏に過ぎず、8手目の局面では龍の位置が動いただけ。すると初手には成立しなかった35角が実現するという魔法のような作品。
 

例題5 妻木貴雄 新作

35龍、23玉、34龍、13玉、43龍、同馬、
22龍まで7手詰

 今回、妻木さんにJudgeを引受けてくださるよう交渉している最中に、龍を3連続で捨てる易しい例題を創っていただきました。
 当然ながら初手が巧いですねぇ。

例題6 橋本樹『紅樹』第19番 詰パラ1983.05

24龍、25と、35龍、27玉、36龍、同と、
16馬まで7手詰

 やはり龍の三連続捨てです。当時は易しかったのでさほど評価していませんでしたが、今見ると実に上手いものだと感心します。

 さて最後は例によって投稿のハードルを下げるために、風みどりのショボい作品を紹介しましょう。

例題6 風みどり

59金、79玉、69金、89玉、79金、99玉、
89金、同玉、38金、98玉、99飛まで11手詰

 一応金の4連続捨駒です。えへん。これでも推敲にかなり時間を掛けています。

……とここまで書いておいて、上の例題を出した以上、昼間勉作を紹介しなきゃいけないかという気がしてきた。とすると対バンとして山田修司「鯉のぼり」もか……、いや切りがないのでここまでにいたします。

 みなさま。たくさんの投稿をお待ちしています。よろしくお願いいたします。


「未発表作」とあるけれどtwitterで流した作品はダメですかと質問がありました。
昨今はtwitterも既発表とする風潮ですが、つみき書店はそんなに厳しくしても仕方ないのでインプレッション3桁まではOKとします。(1000を超えていたら既発表扱い)

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