小川悦勇 『雨滴』第27番 詰パラ2001.7
昨夜、出題した初形図。小川さんの作品の中ではわりと最近の発表(23年前!)なので、知っていたという方も多いだろう。それでもあらためて解いてみると、また楽しめたのではないだろうか。
詰将棋を始めて間もない方は、手数が長い作品に挑戦するのは初めてという場合もあるだろう。大丈夫です。オイラも短いのしか解けません(^^; でも貴殿は解けるようにゆっくり進めますから頑張ってみてください。
初手の王手は5通りあるけれど、44成香と46銀はちょっとなさそう。
56銀と56金はあるかもだけれど、当面何の意味があるか不明。
まず進めてみるべきは54龍だろう。(「駒取りから始める?」という気持ちは残るが……)
54龍、35玉、
となれば次はこう進めるしかない。駒取りばっかりだけど。
25と、同銀、44龍、24玉、25銀、
ここで初めて分岐らしい分岐だ。
23玉か13玉か。
直観では13玉。23玉は29香の威力を発揮しやすそうだから。
そこで変化と思われる23玉をまずは潰していこう。
今言った方針(29香を活かす)に沿って攻めてみる。
14銀、同玉、23銀、15玉、55龍、
ちょうど好い所に香が落ちていた(^^)。
間駒しても同角でも香を打って24銀まで。
これで8手目は13玉に確定した。不安定要素をあんまり抱えていくと諦めたくなっちゃうから少しずつでも確定していくのが嬉しい。
さて今度は14銀、同玉では23銀と打てない。
まずは贅沢に(持駒ケチらずに)攻めていこう。
24銀打、12玉、21銀、同玉、32歩成、
14銀打として24桂、同角、23銀成といった筋もよぎったが、もちろん23銀成ができない。11桂成とすると駒が足りなくなる。そこで断念して24銀打と46角の筋を塞ぐ方を選んだ。(29香をますます重くしてしまうが……)
12玉に11桂成もやってみたいが、同玉で後続手なし。
勢いで21銀だぁ。
32歩成として、これは同飛とは取れない。いい感じか?
12玉、22と、同飛、
……同飛であっという間に手がなくなった。
角が入手できたのに使うところが見当たらない。
29香も44龍もまるっきり眠ったままだ。
そうか13手目を32歩成ではなく43成香を捌いたら?
たいして変わらない。
11桂成、同玉、41龍とか21角、同飛、42龍とか……希望が出てきたようには見えない。
もっと手を戻す必要がありそうだ。
さてここで24銀打と贅沢に攻めたが失敗した。
そこで読者諸兄には、この局面から質素に攻める手はないか、明日までに考えておいていただこう。