名局精解5 小川悦勇の曲詰を解く(3)

 この局面から質素に攻める手というのが昨日の宿題だった。

 持駒の銀を使ったのが贅沢だったのだから、正解は使わない手に決まっている。

24銀、


これは12玉とは下がれない。
21銀、同玉、32歩成、12玉、21銀までだ。
だから同角の一手。
そこで14銀と攻める。

同角、14銀、

これは12玉と逃げるのが正解だろう。
同玉なら25銀から角が入手できる。
前回と違って29香が働いてくる展開になりそうだ。

なので、解答選手権だったら同玉は変化と判断して考えずに12玉だけを考える。
でも、今はそんなに急いでいる訳ではない。
早く解くだけが詰将棋の楽しみ方ではないのだ。
変化をしっかり潰していこう。

同玉、

25銀、15玉、24銀、14玉、15銀、13玉、
25桂、

ここまでは必然。
逃げ方が二通りある。
まずは易しそうな方から。

23玉、

これは23桂の邪魔駒消去の筋だ。

13桂成、同玉、24銀、12玉、23銀成、11玉、
22成銀、同飛、同香成、

変化と分かっているのだから、ここまでで良いだろう。
ここから最短7手で詰む。

戻って、今度は12玉の方。

21角、同玉、32歩成、12玉、22と、同飛、

前回と違って29香が活用できる。

13桂成、同玉、14銀、

同玉なら33香成で44龍まで動き出す。

12玉、11桂成、同玉、22香成、同玉、

ここからはどうやっても詰む。
最短5手。

これで11手目14銀には12玉が正しい応手であることが確認できた。

(14銀に対し)12玉、

この大駒にしか守られていない王さん、なかなかしぶとい。
明日まで、また考えてみてください。

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