さて55歩が発生しているので中合はできないので、23玉。
(65角)23玉、56角、同歩、
いよいよ念願の今日を入手できるが、55歩が発生しているので同歩と角を取られてしまう。
これで一見「わざと角を取るための歩を発生させた」という物語(ナラティブ)が演出されるというわけだ。
もちろん角を温存するより、香を入手する方が断然有利なわけなのだが。
25香、12玉、22香成、同玉、33角、
玉の逃げ方は6ヶ所。ほとんどは上から龍で押さえ付けて早く詰む。
32玉は42と、21玉、24龍。
12玉、42龍、23玉、22龍、34玉、
24龍、45玉、55角成、
最後に打った角を成捨てて花を添える。
54龍まで59手詰
動く将棋盤で、最初から作意を鑑賞されると良いだろう。
小川悦勇 『雨滴』第27番 詰パラ2001.7
冒頭4手の伏線。
24銀から14銀と香頭を軽くする攻め。
桂馬1枚を消費して34香を消去する。
一気に中央に戻す収束。
筆者は今まで発表された「1」の字あぶり出し作品中の最高傑作と考えている。
このような高度な作品がいっぱいの作品集が『雨滴』です。
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