田辺国夫 新・王将 1954.9
11手詰。塚田賞受賞作である。
龍、銀、桂で玉を包囲しているが、飛角の守りも良く利いている。
1手の妙手というのではなく、如何に詰みの構図を作るかが課題。
51角、61玉、73桂不成、
角を抜くだけなら84角成で良いので一瞬意味が分からない桂馬のダイビング。
次の銀捨てと組み合わさって、意味が分かる。
同角、71銀成、同玉、73角成、
結局は龍、銀、桂の包囲網がすべて消えて角2枚で詰みを得る。
41飛、53角、61玉、62角成 まで11手詰
塚田賞作品集、短編名作選、近代将棋図式精選と幾度も見ている内に73桂生の1手がだんだん当たり前の手のように思えてきた。
しかし、始めて見たとき(解いたとき?)の衝撃は微かに記憶している。
並べただけではなかなか良さが分からない詰将棋というのは確かにあるが、本作もそういう類いの作品なのかもしれない。
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図を眺めて、意味も分からず、作意の直感が73桂不成でした。そういう人間から見ると、なぜ本局が塚田賞なのか、はっきり申し上げて分かりません(笑) ごめんなさい。
そのような場合は「作品との不幸な出会い」ということにしております(^^)
余談ですが、田辺国夫のもう一つの塚田賞受賞作の方が好きなのですが、調べたら余詰でした。