詰パラで解答するときにABC評価をつけることが多い。
これが考えてみると難しい。
今月の五題の内でこれが一番いいからA、これは一番面白くないからC、残りはBだな。
こんな感じで相対評価でつけると、何月号に載ったかで評価が違ってしまう。
では絶対評価でつければいいんだけれど、そんな絶対的な基準なんで自分の中に存在するのか?
寧ろ気分のいいときに解いたらオールA。
むしゃくしゃした気分のときに解いたら、ふん、こんなのどれもこれもいつかどこかで見たことある筋やんか、オールC!
こんな感じになっても困る。
(担当者をやっていたとき、オールCの解答をもらうと、正直腹立った)
ま、評価なんて各人の自由なんだけど。
もう少し、自分の評価にぶれない軸を作る必要があるのではないか。
そう考えて試しに3観点で評価して、それを元に総合評価を算出するexcelシートを作ってみた。
こんな感じ。
観点別評価 | ABC入力 | 換算得点 | 重み | 得点合計 | 評価 |
形 | 1 | ||||
手順 | 1 | ||||
解後感 | 1 | ||||
観点別評価換算値 | 総合評価閾値 | ||||
A | 5 | A | 4.3 | ||
B | 3 | B | 1.7 | ||
C | 1 | C |
つまり
- 形
- 手順
- 解後感
をそれぞれABC評価して、平均点が4.3以上ならA、1.7以上ならBという仕組みだ。
重みは短篇なら形を重視したり、中編なら手順を重視したりするので数値を変える。
これを使えば、少しは評価が安定するかなと久しぶりにパラの有吉弘敏同人記念作展を解答した。
(ABC評価がいらなかったのが残念である)
たま研などで好きな作品を3つ選べみたいな場合は、このシートだけでは足りない。
看寿賞作品の推薦をどの作品にしようなんて場合も同様だ。
そもそも候補作はA評価になり差がつかない。
そのような場合はどうしたらよいのか。
3観点を更に細分してみた。
例えば次のような感じである。
Aの基準 | Cの基準 | |
初形 | 解いてみようと思わせる初形である | とても解く気にならない初形である。 |
この初形からこの手順がという驚きがある | この初形でこの手順かというガッカリ感がある | |
推敲が行き届いている感触がある | 配置がもっと整理できそうだ | |
手順 | 主眼手(順)をくっきりと浮き出す手順構成 | なにが狙いなのか解らないとっちらかった手順 |
共感できる狙い | 共感できない狙い | |
狙いの新奇姓 | 何度も見たことあるような手順 | |
解後感 | 盛り上がりがあり快感を感じる手順 | だらだらと王手をしていくだけの手順 |
解けて幸福感を味わえる | 解けてガッカリ | |
人に薦めたい|紹介したい | 解く意味ないよと教えたい |
さらにどうしても差をつけなければいけないのだから、この観点を自分が重視する順に並び替えて、強引に重みをつける。
例えば短篇なら次のような感じ。
短篇 | 割合 | 重み | |
1 | 解けて幸福感を味わえる | 17 | 0.21 |
2 | この初形からこの手順がという驚きがある | 15 | 0.19 |
3 | 共感できる狙い | 13 | 0.16 |
4 | 解いてみようと思わせる初形である | 11 | 0.14 |
5 | 推敲が行き届いている感触がある | 9 | 0.11 |
6 | 盛り上がりがあり快感を感じる手順 | 7 | 0.09 |
7 | 狙いの新奇性 | 5 | 0.06 |
8 | 主眼手(順)をくっきりと浮き出す手順構成 | 3 | 0.04 |
9 | 人に薦めたい|紹介したい | 1 | 0.01 |
中編ならばこうかな?
中篇 | 割合 | 重み | |
1 | 狙いの新奇性 | 17 | 0.21 |
2 | 主眼手(順)をくっきりと浮き出す手順構成 | 15 | 0.19 |
3 | 共感できる狙い | 13 | 0.16 |
4 | 盛り上がりがあり快感を感じる手順 | 11 | 0.14 |
5 | 解けて幸福感を味わえる | 9 | 0.11 |
6 | 推敲が行き届いている感触がある | 7 | 0.09 |
7 | 人に薦めたい|紹介したい | 5 | 0.06 |
8 | この初形からこの手順がという驚きがある | 3 | 0.04 |
9 | 解いてみようと思わせる初形である | 1 | 0.01 |
このように重みをつけた上で、あとは同じ。
これなら差がつくだろう。
ただこの評価法の弱点は「解けなかった作品」の評価が難しいことだ。
オイラが看寿賞選考委員をしていた期間、難解派の作家のみなさまには本当に申し訳ないと思っていた。
無論、柿木将棋を使って変化や紛れを追ったり色々と調べたり想像したりはするのだけれど、そもそも「難解性」が評価項目に入っていないことからお解りのように、オイラは難しい作品は好きではないのだ。
だいたい評価なんて1次元に換算するのは不可能なのであって、仕方のないことなのであります。
(今までの話が台無しのまとめ)
数字に換算して評価する、なんてことは自分は無理だなあ。
いい作品は見た瞬間にビビビと来る。
好きでない作品はどう理屈をつけても好きにはならない。
ただ自分の中での一定の評価基準は設けてないといけないと思う。
直感で決めるほうですが、その中でももっとも評価するのは創造性。たとえ完成作であっても、それだけでは感動しません。
形に多少難があっても、新しいものに価値があると思っています。
難解性は評価基準にはほとんど入れません。もっとも、その難解性が意表性から来るならプラス評価です。そして、ただ難渋なだけの煩雑性は大きくマイナス評価します。
僕は詰パラのABCの評価が好きなので詰パラ学校を主に投稿しています。
余り解くのは好きじゃないので解答はしませんがABCの評価を付けるのは好きです。
評価の基準は僕は細かく分ける事は全然してません。
評価は単純に好きの度合いです。
その好きの度合いは手順が気が利いているかが第一ですが、実際には駒の性能が生かされているかが全てです。
見た目はどうでも良く、駒の性能が生かされていたら美しい形に感じます。
変化も煩雑では駒の性能が生かされているとは思えません。
全てに通じるのが駒の性能が生かされているかになるので、評価はそれ一点みたいなもんです。