【注意】
正月休みに雪山の温泉に籠り、かといってスキーもせずにごろごろしていた。
するとやけに喉が乾き、ガバガバとコーラを飲んでいたのだが、そのせいかトイレが近くなった。
そのうちに夜中に何度もトイレに起きるようになり、これはヤバイと思い始めた。
医者に行こうと考えたが1月末に仕事でイベントがあり、それまでは身動きがとれない。
2月になって休みをとって人間ドッグに行ったら、空腹時血糖値が311mg/dl、HbA1cが12.8%でこれは立派な糖尿病です。
すぐに入院してくださいと言われた。しかし仕事が3月までは一区切りつかない。
仕事の目処がつくまで待ってくださいとお願いし、入院は3月末と決まった。
だが待てよ、3月末には解答選手権があるではないか!
かといって、これ以上を入院を遅めたら退院する前に新学期が始まってしまう。
仕方なく一旦は解答選手権を諦めた。
ところが、入院してから相談してみると、
血糖値ののコントロールがうまくいっていれば外出許可がおりるかもしれないという。
頑張りました。
その結果、前日の血糖値は朝食前が110、昼食前が85、夕食前が78、睡眠前でも140で、すべてギリギリ正常値!
見事、外出許可をげっとし、もう戦いの大半は終わった気分。
さて例年のことながらまったく詰将棋解答の練習をしてないままの出場と相成った。
それよりも迷ったのは食事のタイミングだ。
今回は第1ラウンドと第2ラウンドの間に1時間の休憩がある。
普通はここで食事を摂るのがいいだろう。
しかし、私は第1ラウンドが始まる段階ですでに腹ペコ。
血糖値を抑えている状態である。
脳みそはご存知のように大量のブドウ糖を消費する。
すこしブドウ糖を補給したほうが良いだろうか。
しかし、12時に血糖値を測り、病院に報告しなければならない。
この値がまずかったら、退院が延びる可能性がある。
それも物凄く困る。
迷った末、ブドウ糖の補給せずに、第1ラウンドは乗り切ることにした。
今回は本当に、参加するだけということだ。
それにしても始めるまでがやけに長いな。
すでに脱落した読者が半数を超えた気がする。
そして実際、あまり頭が回らなかったみたいで、このあとは短いんです。ごめんなさい。
第1ラウンド開始。
第8回詰将棋解答選手権チャンピオン戦 第1ラウンド出題作品 – 詰将棋解答選手権 速報ブログ
#1
ああ、うれしいな。こういう初形。
でも念の為ゆっくり盤に並べる。
でも並べるまでもなかった。
香合ですぐに香が走るパターン。
自作でも1つあります。
特に罠もなさそうなので終了。
#2
34馬45と78玉。
54龍に55との形かな。55玉と逃げられたら手がないのでいいみたいだ。
44龍で収束か。手順前後はないな。
おぉ45馬の移動合があるか。なるほどうまいね。
#3
あとから考えると、ここらへんでブドウ糖が切れたようだ。
見た瞬間、55飛同玉35龍同馬45金同馬64馬で詰むじゃないかと本気で思った。
でも手数が短い。おかしいな、なんて考えてる。
開始直前にみせてもらった某君の作品の影響もあるんだろうけど。
45金に同馬ってどんなここせだ。
全然詰んでいないじゃん。
55飛に46玉が45金47玉44桂58玉47馬で詰むな。これは変化に違いない。
だから馬の位置は74でいいかと思っていた。(馬鹿だね)
でも45金を成立させるには63馬でないとだめじゃん。
で、初手63馬を考える。
同馬は35飛54玉51龍…詰まない。(明らかに頭おかしい)
そうか、それで32龍の配置でなく31龍なんだ。
32龍だったらここで52龍同馬64金で詰むものな。
51龍だと52合で駄目だ。(矛盾してるだろ考えてることが)
後ろの方の席で駒音を高くてたてている方がいてその音が気にかかる。
今迄このように感じたことは一度もなかった。
つまり、自分は集中出来ていないということだ。
集中できていないのは、やはり脳にブドウ糖が足りていないのだなと考えた。
集中していないのだから次の問題に進むのはやめようと思った。
ふらふらするだけで時間の無駄だ。
だいたいこの問題は普通に詰む形をしているし。
金桂馬の配置から小林作の雰囲気もある。
解けるはずだ。
いやまた別のこと考えているだろ。集中しろ、駒音を頭から消せ。
そんな感じで、51龍に52合でも同龍で詰むことに気づくまで随分かかった。
自分の頭が動いていないことをあらためて思い知った。
でも、これで詰むはずだ。
合駒の一手ならば…これは桂馬。
この桂馬を66に跳ばす駒が必要だから47飛で合駒をさらに請求するのか。
桂合なら57金打から37桂~66金直で詰む。
でも香だったら?
57金打にすぐ55玉と逃げられて45に効きをつくる術がない。
それならば65飛で合駒請求か。
55歩ぐらいで全然ダメだ。
そろそろ時間がなくなってきた。
仕方なくマグネット盤を取り出し、別の問題に挑戦する決意をした。
#4
谷口さんだな。
でも形はいつもより大人しい。57銀から48角かな。
変化も想定の範囲内に収まりそうな感じ。
でも次見てみよう。
#5
この持駒は手が狭い。
初手は23歩成は同桂で31に逃げ道が開く。
なんだ13歩は14桂を打てと言っているんだ。
33玉は34馬~52飛~53桂で簡単。
13玉に23歩成~25桂~15歩~13桂成~あれこれ詰んでいるみたい。
でもまた妄想かもしれないから盤に並べてみよ。
やはり詰んでいる。
天の助け。
作者はどなただろう。(すでに敬語)
ここで残り時間は僅か。
どの問題に投入するか。
#6は序盤に変化がありそう。
#3か#4だが、やはり今までに投入した時間が惜しいと#3に決定。
これが最後の敗着だったか。
堂々巡りのまま時間切れ。
正解が配られて65飛に55銀合!
参りました。これは作品の勝ち。
真Tさん、素晴らしい作品です。
若島先生の解説を聞きながら血糖値の検査。
77mg/dl。
低血糖とまではいかないけど、いままでで最も小さい数値。
まだ解説は途中だったが、食事を摂るために退室。(やはり落ち着いていない)
廊下で合った馬屋原さんと外に出る。
まずはすぐに血糖値を上げる炭水化物だ。
ついでに肉も食べたい。
そこで昭和食堂のムニャムニャ定食(名称忘却)。
馬屋原さんはカツカレー。(密かに打倒井上を期しているに違いない)
チャリティーバザールをやっているはずの選手控え室を覗く。
掘り出し物はすべて売り切れたあとの模様。
親子で学ぶ将棋ドリルを購入する。
さて第2ラウンドだ。
第8回詰将棋解答選手権チャンピオン戦 第2ラウンド出題作品 – 詰将棋解答選手権 速報ブログ.
ここは例年1題#7が解けているだけ。
果たしてノルマは達成できるのか。
#7
実戦型だ。はやくも心が萎える。
初手は24桂だろうな。逃げる変化は23、13は詰みそうだ。
15玉でも角と桂で捕まっている。
22玉が一番手間だな。
でも32桂成から44桂でたぶん詰みそうだ。
それで同桂。
次は飛車打って22桂合の感じかな。
32飛は…駄目だ。
42飛だなこれは。
23銀同玉で43飛成~32角~13歩同桂でダメ。
これは解答者へのサービス問題ではないのかな。
90分を1題に集中させるためにも、全部みてみるかな。
#8
入玉型だがこちらの方がとっつきやすい形だ。
87馬から99銀生で開き王手、合駒を考えるパターンに見える。
上田吉一の作品に似ているようにも見える。
99に捨てるのは飛車か金か。
これだ。きっとこれがサービス問題に違いない。
ところが、これが詰まない。
昼食のおかげで集中力は増しているようで、午前中のように駒音が気になることはなくなった。
でも詰まない。
69銀から78銀か。
でもその後58飛と打っても意味が無い。
あっという間に1時間ぐらいが過ぎ、こいつはいよいよ第2ラウンド正解0の時がやってきたかと観念した。
そして問題用紙を裏っ返す。(半分に折っていた)
#9
あれ?持駒に桂馬が多い。典型的に手が少ないタイプだ。
こんなトコロに易しい問題があるわけないんだが、とマグネット盤に並べてみた。
まずは普通に追うと
38桂~17歩~34銀~46桂これは取れないから25に戻る。
銀桂打ち替えた意味は26香に同金の変化だろうな。
でもなんか駒が足りなそう。
27桂~16歩~27馬引
歩1枚ではこれは足りないや。
やはり#9が易しいわけないよな。
でも一本道だったような気がするのだが…。
序盤の17歩が安易だったのかも。
38桂を打つことを目指して19香ではどうだ。
17歩は同香~29桂~17歩~26歩
同金は同馬同玉36金27玉37金でぴったりだ。(実は15玉で全然詰まない。すでにブドウ糖切れか?)
27桂~馬引~25歩
同玉でダメだ。
15馬と捨てる形なんだけど、同香でどうにもならない。
やはり甘くはないか。
#10
若島さんだ。でも双玉ではないな。
84飛で受け手が狙いなのかな。33歩を先に消す筋もあるな。
でも、一筋縄で詰むわけがない。
やはりまず1題はなんとかしないと。
#7
32角成~15桂と打ち替えておいてから34角
これは有望かも。
でも21玉で届かない。
う-むー。
#8
やっぱり無理。
残り時間も僅か。
最後のお願いは#9に決めた。
だいたい12銀とか32とがこのまま動かないで終わるはずがない。
では34銀同玉に23銀生か?
いくらなんでも無理だ。同玉ですぐ終了。
残るは33と。
33と!
同玉は馬が出て上がったら金を喰って…詰む。
42玉は…直感が詰むと言ってる!これだ。
23銀生と引ける形。
おおお、もしかしてこれ馬も消えるのでは?
消えた!
ありがとうございました。
もう残り時間はほとんど残っていない状態。
なんとか1題だけ解かせてもらいました。
それにしてもサービス問題が#9に配置されているなんて。
そしてその前の#3や#8が難問だとはやられました。
で、程無く終了。
#8の作者はなんと巨椋鴻之介。
あぁ、これを解けた人には一生の思い出だな。
でも脳みその状態が良くて、さらに時間があったとしても、
序の4手は一瞬考えたけど、さらに87馬と組み合わせるのはちょっと思いつかなかっただろう。
58銀の存在で87馬という手をわざと考えさせることで、その銀を消してしまったと同時に87馬の手も
思考から消去されてしまうのだ。流石です。巨椋先生。
#10の74馬も凄い手だ。
これをちゃんと正解する皆さん。
まじで尊敬します。
若島先生じきじきの創作過程も含めた解説も貴重なものでした。
#5の作者は服部彰夫さんだった。
作者名から想像もできない優しい作品を有難うございました。
裏方のスタッフの皆さん方も毎回のことながらありがとうございました。
色々話もしたかったのだけれど、病院に帰る時間もある。
でもやっぱり最後の打ち上げに参加しないと、このイベントの楽しさの半分以上味わえないって気分ですね。
来年は打ち上げにも参加できるよう体に気をつけよう。
その頃には橋本哲さんも仕事片付いているだろう。