「1_詰将棋」カテゴリーアーカイブ

羽生善治の3手・5手・7手ステップアップ詰め将棋

角建逸さんの新著です。
Doc - 2018-08-22 - 10-35 - p1
例によって,表紙をみてもどこにも「角建逸」の名前はありませんね(^^;;
amazonのページにはちゃんと羽生善治(監修),角建逸著とありました。
でも,Book.or.jpには著者名が登録されていない。
これは出版社のミス(?)ですね。

詰将棋ではなく詰め将棋であることからわかるように,初心者向きの本ですが,読んでみてこれはすでに「教科書」になっていると思いました。

つまり,単に問題がずらっと並んでいる問題集ではないのです。
解説⇒例題⇒問題という構成になっています。
(問題だけなら「問題集」,例題付きで「参考書」,はじめに解説もあって「教科書」と区別しています)

例題のページはこんな感じです。
Doc - 2018-08-22 - 10-35 - p2

もう一つの特徴が「ステップアップ」の章です。
第1章 復習の3手詰め
第2章 ステップアップ3手詰め→5手詰め
第3章 基本の5手詰め
第4章 実戦の5手詰め
第5章 応用の5手詰め
第6章 ステップアップ5手詰め→7手詰め
……
このようなコンテンツなのですが第2章と,第6章が見慣れない見出しですね。

上の例題のページでもわかると思いますが,もう1頁見てみましょう。

Doc - 2018-08-22 - 10-35 - p3

つまり3手の問題を解くとそれが次の5手の問題のヒントになっているわけです。
初心者にやる気を持たせるためには「解けた」という成功体験が不可欠なのですが,なるほどうまい工夫ですね。

オイラも将来の出版計画の中には詰将棋初心者向けのシリーズもあるのですが,とても参考になりました。

著者の角建逸さんは現在,夕刊フジに詰将棋を週に5作連載するという荒行の真っ最中です。
頑張ってください。

ところで第1章のタイトルがなぜ「復習」なのか。
どこにも書いていないのですが,おそらくこの本のことを言っているのでしょう。

最後にこちらも貼っておきます。

「近代将棋」の思い出

昨日,たま研に参加した。
テーマは「森敏宏さんに話を聞く」。
聞き手の角さんが実に上手くて驚いた。多才ですねぇ。
インタビューなどの経験が多いのでしょうね。

角さんや深井さんの思い出話も絡んでなかなか楽しかった。
休刊直前など詰将棋欄はかなり厳しかったのだが,あまりそういった苦労話とかはなかった。
まぁ,そうですよね。

で,私もいろいろ思い出したのでちょっとだけ書く。


近代将棋の解説を柳田さんに頼まれて引き受けた。
手数が短い「秋の詰将棋」が私で,長い方の「冬の詰将棋」が柳田さんだ。

ただ詰パラの担当と大きく違うのは,仕事が解説を書くことだけという点だ。
つまり選題は森さんがやって柳田さんが調整するのかな,そして私の所には投稿用紙がFAXでくる。
場合によっては図面だけだったりもしたようも記憶がある。

何が困るかというと,自分で選んでいないので,私の感性と合わない作品もあるということだ。
だからといって,解説で作品を貶すわけにはいかない。

かつての伊藤果先生のように「この作品を見て私は悲しくなった」なんて書けるわけがない。

そこで考えたのが「常に解説する作品を持ち歩く」ということだった。
写真のノートに図面を貼って,どこに行くにも(というか仕事に行くぐらいだが)持ち歩いた。

すると,「長いこと触れているとどんな作品でも自作は可愛い」という効果が出るだろうという狙いだ。

かつ,頑張って解いた。
「自分で解いた作品にはAをつけたくなる」効果である。

(あ,もちろん写真の作品がどうこうという事ではありませんからね。)

さて,私の解説がはじまったのが2006年の9月号から。
その第1番が,昨日の森さんの話にも何度かお名前ができてた関則可さんの作品だった。
わずか11手の短篇だが,将棋パイナップルで「難解」と評判になっていた。
「米長の日記」でも取り上げられていて,さてどういった基調で解説を書いたものやら悩んだ。
初見の方は是非考えてみてください。

難解なのは初手だけで収束に角合でも銀合でもよいという疵がある。
で,結局あまり褒めなかった。さらに生意気にも配置の改良案を提案した。

すると森さんから電話がかかってきた。

すわ内容についてのクレームか,と思ったが,そうではなかった。
玉方34金を攻方35歩にというのが私の改良案だったのだが,それでは余詰があるという。

初手より23飛,同玉,13金,同香,同歩成,同玉,11飛成の筋だ。

しかし,その順は私も読んでいた。
以下12金合,15香,14飛合で逃れるのだ。

ここを森さんに納得してもらって私はなんとなく自信がついたのだった。


ちなみに,この金合,飛合の順を作意に1局作ろうとした記憶があるのだが,図面は見当たらないから,多分できなかったのだろう。

「詰将棋ファン」入手方法

前のエントリーに柳田会長からコメントがあったのだが,今はコメントが目立つようなデザインでないので,新しくエントリーを立てます。
ついでに,詰パラに送金する際の,自分のためのメモであります。間違っていたら教えてください。

1.郵便局で振替をする

これが基本です。
詰将棋パラダイスの購入方法

いまはATMで振替できるので,窓口が閉まっていても送金できるので助かります。
もっとも24時間営業ではないのでその場合は…

2.銀行から送金する

銀行口座からPCやスマホで送金できるのは便利ですよね。
今は郵便局の口座にも「ゆうちょ銀行」として送金できるようです。

ゆうちょ銀行口座へのお振込
この説明を読んでもよくわからないので,

記号番号から振込用の店名・預金種目・口座番号を調べるで調べてみましたら


こうなりました。

でも,このサイトのサイドバーを見てみると…

3.ゆうちょダイレクトで送金する

という手段がありそうです。
おいらは申し込んでないのですが,郵便貯金口座も持っているので,近いうちに試してみようかと思います。

そして神奈川県近郊の方でしたら,次の手段も使えます。

4.柳田会長から買う

柳田さんからも個人的に入手可能とのことです。

柳原さんも「5万円までの赤字だったら」とか言っているようですので、応援したい気持ち

ですが,全詰連書籍部として販売すると詰パラを競合することになるので,あくまで柳田さん個人で販売するとのことです。

詰工房、社会人リーグなどで柳田さんを見かけたら声をかけてみましょう。
たま研は参加が事前登録制なので難しいかもしれません。(もちろん参加登録してある人は別)

どんな顔か知らない人は…

こんな顔です。もっともこの時よりかなり歳は食っていますが。
その際は,以前紹介した「実戦1手詰」も購入をよろしくお願いします。

「詰将棋ファン」創刊号

柳原さんの「詰将棋ファン」創刊号を入手しました。
A5版の紙面に縦書き三段または四段のレイアウトでとても読みやすく,年寄りにはありがたい造りでした。

内容は素晴らしい読み物が盛り沢山で一気に読んでしまいました。
この目次をみただけで,詰将棋ファンなら喉から手が出るほどほしくなること間違いないです。

私のトップテン 有吉弘敏

私のトップテン 芹田 修

「スマホ詰パラ」10年に寄せて 山川 悟

この大道棋がすごい! 鳥本 敦史

ばか詰のススメ 上谷直希

詰の歳時記 小池正浩

私の創作メモ 佐々木浩二

将棋手段草の補正 河内 勲

棋譜の調べ 小林尚樹

現代詰将棋作家名鑑

懸賞 有吉弘敏作品

いきなり三代宗看風に妙手連発させて読者を取り込んだ後も緩むことなく収束まで一気に詰め込んだ感じです。
せっかくなので,ちょっと感想を…

  • あまり自慢気な人もアレですが,かといって「自分の短所・限界は…作品の中核となる部分が弱く,且つ切れ味や妙味にも乏しく新味がありません」とここまで遜られては,読者のほとんどは困ってしまうのではなかろうか。ま,読みながさなければいけませんね。(人生の知恵)
    4番は昔掲示板で取り上げた記憶のある作品。
  • 芹田さんは将棋世界発表作からの選題。第2号で近将・詰パラ等からの10題ということでしょうね。楽しみです。
  • 「スマホ詰パラ」は私も始まった時から知ってはいたのだが,まとまった文章を読んで勉強になった。途中カタカナが頻出するあたりは難しいので読み飛ばした。
    みつかずさんの寄稿は短すぎて目次に入れなかった?
  • 大道棋,途中図豊富でありがたい。4番には吃驚。
  • ばか詰はもっと読みたい!
  • 小池さんは図面も載せてほしかった。手順は一部だけでも最悪なくてもいいから。図面を見ると当時の事が想起できる。
  • 「私の創作メモ」は超貴重な論考。自分の創作過程を赤裸々に公開する人は滅多にいない。原稿にするのは物凄くめんどくさいし。しかも佐々木浩二!これを書かせただけでも柳原さんの編集者としての力量に拍手だ。
  • 河内勲さんって古図式も研究されていたんだ…知りませんでした。
  • 「棋譜の調べ」はタイトルに偽りあり?左上が真っ白とは驚き。
  • 作家名鑑,すごく勉強になりました。

入手するには詰将棋パラダイスの斡旋しかないようです。
郵便振替 00930-8-51289 詰将棋パラダイス
に1180円振込

今年の収穫

中編名作選

昨年の「短篇名作選」の続編。あちらは選者として参加していたので,自分の担当分の苦労があったが,今回は純粋に完成を楽しみにしていた。
それにしても,よく間に合ったもの。

しかし角さんが会場到着が遅れるというハプニング。いい落ちでした。

で,驚いたことに拙作が一つ拾っていただいている。
とても名作の名に値しない作品なので恥ずかしいが,正直なところ嬉しい。ありがたいことです。
(読者の皆様には申し訳ないが)

知っている作品もたくさんあるが,知らない作品もたくさんある。
これは盤に並べる必要があるなぁ。

それにしても,林雄一はみんな言っているけど,本当にいい。
藤沢英紀もいいなぁ。

解説文もみなさん気合入っているような気がする。

詰将棋入門

新刊は今年は数少なくて「中編名作選」の1冊だけ。(「詰将棋会解答選手権2018」も間に合わなかった)

で,もう1冊購入したのは石川和彦「詰将棋入門」のリメイク版。

これはヤン詰を担当していた石川さんが詰パラで35年前に連載したもの。


この復刻版はパラのコピーを孔版印刷したもので,ちょっと読みにくい。(A5判で字がちょっと大きいのはうれしい)
それを小林尚樹さんがきれいに編集しなおしたもの。読みやすい。(B6判なので字がちょっと小さいのはつらいが)
詰将棋の普及に大いに役立つ労作だと思う。
pdf版は無料配布,冊子版も300円と安価なのは凄い。(無料版の入手はこちら)

将棋謎工房

今は「みんけんひで」というお名前なのですか。
お元気そうでなによりです。
おいらも頑張らねば!

ねこまど教室「間駒の世界」若島正

日曜の夜という事でちょっと躊躇しましたが,参加してきました。

詰将棋を創る講座というのはなかなか希少で,「詰将棋の楽しさ」を伝えるのも難しいのに「詰将棋を創る楽しさ」を伝えるのはさらに難しいように思われます。

で,若島さんの解は…とその講座の内容を公開してしまうのは問題あるだろうと思っていましたが,ご本人がtweetしているので,紹介してしまいます。

はじめに無双#96と図巧#20の紹介と解説があり,続いて大道棋にある構図,持駒香で銀の中合で不詰の図と,桂金の二段中合で不詰の図が解説されました。

続いて一転,限定合を出す練習をしてみましょうとなりました。

第1問

20分の制限時間付きです。
補足すると,先手玉を使うのは禁止です。
また間駒をせずに11玉と逃げた時も詰むようにしなければいけません。(11玉と逃げられなくするのも可)

第2問

第2問はさらに難度が上がって中合を限定で出せというもの。


第1問はとてもよくできていると思いました。「2枚追加」で統一されているのが凄いと思います。
13が歩でなく香なのは「2枚」に統一するためとのことです。

第2問も13に中合が必要とすぐわかる基本的な構図なのに7種類全部に限定できるとは驚きです。
おいらは「歩」しかわかりませんでした。しかも模範解答よりずっと大げさな答案でした。

これらの問題の答案は,盤面を180度回転させれば,森信雄先生の「逃れ将棋」として出題できます。
「限定合で逃れる手を見つけなさい」という問題ですね。

ここから詰将棋を作るにはどうしたらいいのか。

若島さんは「その限定合を詰むように作り替えればよい」とおっしゃっていました。
その通りなんですが,具体的な例を解説しないと,なかなかわかりにくいかもしれません。

そこで思いついたのが次の問題。
マニアの方には常識の知識問題ですが,詰将棋創作初心の方にどうでしょうか。

第1問

この図は(ちょっと都合があって若島先生の図を変更しています)24香,23銀,22歩,11玉,12歩,同銀,21歩成,同銀で不詰の図です。
この図に歩を何枚か追加して23銀の手を活かしたまま詰将棋にしてください。追加するのは盤面でも持駒でもかまいません。
(作意は歩2枚追加で15手詰。歩3枚追加で17手詰)

第2問

この図は25香,24桂,同香,23金で不詰の図です。
この図の配置を1枚だけ変更して,24桂,23金の手を活かしたまま詰将棋にしてください。
変更するのは駒種と位置の両方を変えてかまいません。
(作意は17手詰)

最後にオマケ。
この文章を書いていて,昔こんな図を作ったことを思い出しました。
銀中合の図では捨駒が不足ぎみに思えたので,飛車を捨てるようにしたものです。

「実戦1手詰」柳田明

柳田さんの新著を入手しました。
発行は日本将棋連盟で販売はマイナビ出版といろいろ複雑ですねぇ。

さて,表紙は当然ながら(?)柳田さんの写真ではなく藤井聡太先生の写真。
奥付もこのようになっています。

注目してほしいのは,推薦者プロフィールの所。
藤井聡太四段なんですね。

なんでも,2刷では五段になり,3刷では六段と詰将棋解答選手権4連覇になったらしい。
この調子では,4刷では七段!?
可能性はどちらも0ではない。
すごいですねぇ。(4刷どころか,柳田さんは10Kはいくと自信を持っていました)

とすると,この初刷は将来,数少ない「四段」プロフィールとして,昭和64年発行の硬貨みたいに希少価値がでてくるに違いない。
…そう思ってほくそ笑んだのでありました。

自分のためのメモ(解答選手権成績)

解答選手権に参加しての成績をまとめた。

順位は参加総数が変わっているので意味ないが,「10位」とかあると誤解してくれる人もいるだろうから削除しなかった。

得点も,途中で50点満点から100点満点に変更になっている。
なので簡単に比較できない。
この表を作って,「おぉ,61点も取れたことがあったんだ」と喜んだが,冷静に見れば自分史上最高得点は第3回の42点だ。

あぁ,解けた作品の数を出せばよかったのか。

前のエントリーで,初級戦に出場したが,当時の若手新進気鋭の馬〇〇さんに優勝を持っていかれたと書いた。
だけど,いくら探しても初級戦・一般戦の自分の成績は見当たらない。

記憶違いなのかなぁ。

もしかしたら,初級戦や一般戦が開催始まったばかりの頃は参加者全員の成績は記録に残されていないのかもしれない。

詰将棋解答選手権 初級・一般戦 松戸会場

ちょこっと書きましたが,今年は仕事が入っていなかったので,近くの松戸会場にスタッフとしてお手伝いに行きました。
延べ80名近くの人が真剣に詰将棋に取り組む姿に感激です。(ほとんど採点室に閉じこもっていたので,あまりその風景を楽しむことはできませんでしたが)

自分を縛るために,ここで宣言しておきます。

来年の松戸会場では参加者のために何か詰将棋のパンフレットを1冊用意します。(参加賞の増量ですね)
今すぐ用意できるコンテンツは「小泉潔詰将棋作品集200」だけど,これは解説がないのであまり喜ばれそうにない。
そので何か初心者向けに詰将棋の世界を紹介する冊子をこれから1年かけて用意することにします。

常磐線沿線の方は,ぜひ,松戸会場へいらしてください。

で,私も解いてみたので感想です。
ネタバレですので,これから挑戦してみようという方はご注意を。ここから先は–more–にしておきます。

続きを読む 詰将棋解答選手権 初級・一般戦 松戸会場

第15回詰将棋解答選手権

久しぶりに出場してきました。
何年ぶりだろう。
今度,自分の成績をまとめておかないとだな。

しかし,数日前に昨年の問題に取り組んでみたら,さすがに初級戦はすぐ解けた。一般戦の問題も盤駒使ってなんとか解けた。
しかし,チャンピオン戦の問題は全然解けない。ありゃりゃ,コリャだめだと観念しました。
前々夜は会社の若いのと飲み,前夜はカミさんとカラオケと駒を触る余裕もなく,もうこのまま逃亡しちゃおうかという気持ちです。
それでも,朝は目が覚めたので鞄に磁石盤と筆箱を詰めて家を出ました。
すると,咳が出る。なんだか熱っぽくて頭がぼうっとしてくる。
明らかに体調がおかしい。
いつもは参宮橋で降りたのを,昨年転居したので,代々木公園から歩いたのですが,その道のりが辛かった。

あぁ,これは第1ラウンドで1問も解けず,体調不良で第2ラウンドは棄権する流れだなとわかりました。
そういえば,いつか角さんも具合悪そうに解いていたことがあったっけな゙…あれはいつのことだったっけなんて考えてました。

ところが,不思議なもので,問題用紙を目の前にしたら,頭がみるみるスッキリしてくるのですね。
体調悪くても仕事に行って,悪ガキ相手に怒鳴ったりしていると体調がよくなるのと同じかな?

以下,ネタバレ有りなので,これから解く人はご注意を。
続きを読む 第15回詰将棋解答選手権