詰将棋入門(94) 石垣図式

伊藤看寿 『将棋図巧』第88番 1755.3

初形曲詰とか象形図式などと呼ばれる。

その点、この石垣図式は誰が見ても、この初形が作者の凝らした趣向なのだなと解る。

初手は1つしかないようだし、一つ挑戦してもらいましょうか。

初手は1つしかない。(所謂フォーストムーブだ)
3手目は2つあるにはあるが……。

23桂、同歩、32桂成、55と、

52桂成では次の手がない。
5手目もforced move。

22成桂、同玉、23角成、21玉、22歩、11玉、

打歩詰の局面になった。
これには15飛の効きを通せば良い。

12馬、同玉、23金右、11玉、12歩、

攻方駒の位置を変え、守備駒の利きを通すことによる打開だ。

   同飛、同金、同玉、13飛、22玉、23飛不成、

またもや打歩手筋が飛び出した。
23飛不成は11玉と逃げられたときのための事前準備だ。
23飛成だと11玉で打歩詰が打開できない。
不成により攻方駒の利きを弱めることによる打歩詰の事前回避だ。

31玉、41歩成、同玉、33桂、32玉、21飛成、42玉、

桂馬の質駒をとり、局面はまたもや打歩詰の形。

41桂成、同金、43歩、

最後は玉の退路を開けることによる打歩詰の打開。
そして看寿なら当然と言わんばかりに龍が消えて収束する。

   51玉、41龍、同玉、42金 まで35手詰

初形曲詰は作ったことがないので、本作がどのように創られたのか見当もつかない。
初形を決めて試行錯誤していったのだろうか?
不動駒も少なく見事だ。
打歩手筋が3つも詰め込まれていて楽しめる。
なにより易しいのが良い。

さて本局の瑕疵だが、7手目23角成の所で23金右が成立する。

23金右、11玉、22金、同玉、23角成、21玉、22歩、11玉、12歩、

ここからは作意手順と同じだ。

これは手順前後であるが、打歩打開が事前の14金の原型消去による打歩回避に変わってしまうこともあり味が悪い。
現代だったら余詰という扱いになるだろう。

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