詰棋書紹介(84) 片山倫生短編詰将棋集


片山倫生短編詰将棋集 片山倫生 将棋世界2006.8月号付録

片山倫生の作品は例の3手詰でも2作紹介した。
この冊子に選ばれているのは、比較的形のよい3手詰・5手詰ばかり。
どの作品も抜群に面白い。
ウソだと思ったら、なんとかしてこの本を入手して、パッとランダムに頁を開いてみるとよい。
「本当だ」と納得してくれることを確信している。

「塩見倫生」「行き詰まり」「YYZ」「呉一郎」等の名前で800以上の作品を発表。
ただし将棋世界誌には1作しか発表していなかったというのに、この付録を作ったのは角編集長のお手柄だ。
角編集らしく、作者自筆の解説がたっぷり読めるのも嬉しい。
(ただし、小林敏樹と同様に、片山倫生が作品集をまとめないのはこの付録で満足してしまった所為だとしたら、角さんの罪は重い)

先日のアンケートでも「塩見一族」作品集を望む声は大きかった。もう何年も作品を発表していないのに根強い人気だ。100局とか絞らないでどっさり500局とか、どうせなら全局集とか欲しい。(つみき書店向きではないか!?)

この冊子の残念な所は、一族作品の特徴である「タイトル」が省かれていること。
というわけで、タイトル付で3手詰・5手詰それぞれ1局ずつどうぞ!

行き詰まり 「エコー・キャニオン」『付録』第10番 詰パラ1991.4

行き詰まり 「大いなる混沌」『付録』第29番 詰パラ1990.2

「詰棋書紹介(84) 片山倫生短編詰将棋集」への1件のフィードバック

  1. 1作1作の密度が濃いです。原稿のために発表作を鑑賞させていただいているのですが、素晴らしい作品ばかりです。複数の選択肢の中から一つを決める論理が深いです。

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