詰将棋入門(106) ワード立体曲詰

柏川悦夫『駒と人生』第43番 近代将棋 1953.6

同郷の柏川悦夫氏が新六段の誕生を祝し、才腕をふるって曲詰「二上」の一作を完成した。
(近将 昭和28年6月号より)

初形「二」。
52角成としたいが44玉で困る。

55桂、44玉、45歩、同と、43桂成、同玉、

桂馬と歩で46とを45とに動かす。
これで準備完了。

52角成、54玉、46桂、同と、

今度は44玉なら34飛の一手詰だ。
次は55歩を打つためにまた45とを46とに戻すのがいかにも詰将棋の手順。

55歩、44玉、45歩、同玉、63馬、44玉、54馬まで17手詰

綺麗に「上」があぶり出された。

タイトルの「ワード立体曲詰」というのは聞いたことがない言葉だが、意味のある覆面算を「ワード覆面算」とよぶので、「二上」に意味のある立体曲詰であるから「ワード」をつけてみた。

ただ思い出してみても立体曲詰に初形と終形に意味のない作品というのは記憶にない。
「コ」→「ロ」の立体曲詰などわざわざ作る意味がないからだろう。

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