【問題】
次の作品の狙いの一手を答えてください。
という出題をしました。
4回に分けて発表をします。
……正解発表としなかったのは、お解りのようにあくまでこれは鑑賞者の主観によるからです。
ちょっと変わった出題でしたが、占魚亭さん、山路大輔さん、オオサキさんの3名から回答を頂きました。
各題1名に賞品を差し上げるとしましたので全員当選です。(山路さんは住所をお知らせください)
さて、それでははじめます。(文体が変わります)
<第1問>
柏川悦夫 『詰』第4番 詰パラ1966.3
41飛成、同玉、33桂、同桂、63角、同飛、42金まで7手詰
『詰』を繙いても、この作意手順の記載しかない。
まずは客寄せに選んだ問題だ。
占魚亭 3三桂
山路大輔 4手目同桂なら63角捨て、31玉なら13角捨て。この対比(変化の13角)が狙いでしょうか。
オオサキ 狙いの一手は初手。63桂、同飛、73角が62飛の移動合で逃れる偽作意になっている。
もう一度断っておくが、客観的な正解はない。
作品を世間に送り出した以上、作者にさえ「この作品の狙いはこれだからそのように鑑賞しなさい」という権利はないのだ。(悲しいけど)
占魚亭さんと山路さんの鑑賞は近いようだ。
33桂で分岐して、同桂なら63角、31玉なら13角。
なるほど。
対比という概念の範疇かどうかは本作に関しては私には判断できないが、角の打捨てを1つの作品で2通り味わってもらうという表現ならよく理解できる。
63角は52飛の有効機能をキャンセルし、13角は21桂の優占機能をキャンセルする捨駒だ。
(駒の一般機能表の用語です)
私の解釈はオオサキさんと一致する。
冒頭の2手はなぜあるのかを考える。
狙いの33桂を初手にしたくなかったから?
それで駒取りの初手を入れるだろうか?
初形を見て、いきなり41飛成とは行きたくない。
(だから初手41飛成は意外なのだが)
それは
63桂、同飛、73角、同飛、41飛成、同玉、42金まで7手詰
という見せ手が存在するからだ。
そこで私が想定していた正解は次の通り。
紛れ順の62飛
ちなみにこの作品、「7手詰コンクール」の予選に出場したが規定投票数に達しなかったので入選回数は計上されたが、解答募集はされていないようだ。
もし解答募集されていたら誤解者がどれくらいいたのかは闇の中。