詰将棋雑談(47) あと1歩で一色図式

一色(いっしょく)図式 玉以外の置駒が1種類で通常は全駒

調べてはいないが銀が一番数多そうだ。次が金か?
逆にもっとも数が少なそうなのは……これは歩で間違いないだろう。
盤面に歩が18枚(とが混じっても良い)配置されている図なんて滅多にない。
ましてや配置されているのが玉と歩(と)だけなんて。

それで、この雑談のネタにしようと検索してみた。

ところが意外にも余詰作も含めて46作もあった。
46局もここで紹介する訳にはいかないので、有料掲示板の特典になった。
(宣伝:今月「つみき書店おうえん会員」に入会すると『歩一式図式』のpdfがダウンロードできます)

探している途中で、盤面「歩が17枚」の作品を2局見つけた。
まさに「あと一歩」で歩一色図式を逃した作品。

さらに検索して7作見つかったが、そのうち3作を紹介する。

湯村光造 詰棋めいと 1987.11

「初期の創作ノートから」とのこと。
この趣向、誰でも思いつくパターンと思われる。
実際に
北原義治(1976.9)、北川明(1981.2)
にほぼ同内容の作品がある。
しかし、両作ともぼろぼろの余詰。
あと1歩使おうとすると余詰になると見切ったらしい湯村さんは流石だ。

織江信介「砂金」 詰パラ 1982.4


なるほど盤面市松の趣向にすれば慥かに歩は1歩余る。
一式図式より豆腐市松の方が稀少だ。

梅田亮 近将 1994.10


これは持駒の歩を13に配置すれば一色図式になる。
しかし、1枚だけ歩では美しくない。
そう判断したのだろう。
創りたかったのは全部とと玉だけの詰将棋。
作家の矜持が感じられる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.