詰将棋と関係のない話といっても「中学校」と「マンガ」の話を交互に書いているだけのような気がする。
オイラの人生ってそれだけだったのか?
で、順番からいって今日は「中学校」の話だな……。
中学1年生はそろそろ累乗について学ぶ。
ここの読者は中学2年生以上が殆どだと思うので、まずはテストに挑戦していただこうか。
第1問
累乗は演算の名前ですか?
第2問
\(2^3\)の2を____、3を____といいます。
第3問
\(\displaystyle \frac{2}{3}^2\)はいくつになりますか。
第4問
\(\displaystyle -3^2\)はいくつになりますか。
第5問
\(\displaystyle 0.3^2\)はいくつになりますか。
第6問
\(\displaystyle 2^{3^2}\)はいくつになりますか。
と、ここまで書いてきてちょっと困った。
解答篇を書くに当っていくつか確認したいことが出てきたけれど、参考書は昨年から簡単には取り出せない状態になっていることに気がついたのだ。(具体的には『Limit7』がもっと売れてくれないと取り出せない)
うーん。
読者には大学の数学の先生も数人いらっしゃるはず。
なので、間違えていたら指摘してくれるだろう。
指摘されたら直せばいいや。
ということで解答篇いってみよう。
第1問
累乗は演算の名前ですか?
そもそも演算かどうかということから議論もある所だが、正解は「否」。
\(2\times2\times2\times2\)のような計算を累乗という。
そういえば\(2+2+2+2\)を累加といったような記憶がある。
ところで教科書の問題だと次のような記述になる。
\(2\times2\times2\times2\)を累乗の指数を使って表しなさい。
ちょいっとひっかっかる日本語だ。ま、いいけど。
演算(だととらえたら)の名前は冪(べき)なんだろうと思うが、高校ででてくるのかな?
第2問
\(2^3\)の2を底、3を指数といいます。
\(2\times3\)の2はかけられる数、3はかける数と小学校では習うと思うが、冪は演算扱いではないからだろうか、教科書には2の名前は書いていない。3の方を指数と教えるだけ。
「底」とか「基数」というらしい。
「仮数」と書いてある本もあったような気がするのだが記憶違いかも。
第3問
\(\displaystyle \frac{2}{3}^2\)はいくつになりますか。
小学校では\(\displaystyle \frac{2}{3}\)は分数といって1つの数だと教わる。
だから子どもの目には次のように見えるのが当然だ。
ところがご存じのように\(\displaystyle\frac{4}{9}\)はバツで、正解は\(\displaystyle\frac{4}{3}\)となる。
これは\(\displaystyle \frac{2}{3}=2\div3\)と考えている訳で、割り算より累乗を優先するということだ。
オイラはそのように教えているが、「そういう決まりだから」とする人もいるかな。
第4問
\(\displaystyle -3^2\)はいくつになりますか。
これも酷い話で、子どもたちは「符号付の数」を学んだばかり。
このように見えて当然、というより見えてくれなくては「符号」を教えた甲斐がない。
ところがこれも\(0-3^2\)と解釈した方が正しい結果になる。
\(+9\)はバツで、正解は\(-9\)だ。
これは事前に
\((-1)\times3=-3\)
の所で、
「マイナスの符号(\(-\))は\((-1)\times\)と同じこと」
と伏線を張っておく必要がある。
\(-3^2=(-1)\times3^2\)
なのでかけ算より累乗を優先という理由だ。
教科書もここらへんをもっと詳しく書いてくれないと、数学の授業がお上のいうことをそのまま鵜呑みにして早く正確に作業をする訓練になってしまいかねないと思うのだが。
第5問
\(\displaystyle 0.3^2\)はいくつになりますか。
問3、問4の流れで\(0.9\)としてしまうとバツ。
これは\(0.3\)は一つの数だから\(0.09\)が正解だ。
\(0.3\)と答える子どもには単なる計算間違い(小数点の位置)と小数点よりも累乗を優先するのかと考えた場合と2通りある。
ここらへんもゆっくり説明してあげないと騙し討ちみたいなことになるのだけれど、時間がなくて小数については省略してしまうこともある。
第6問
\(\displaystyle 2^{3^2}\)はいくつになりますか。
これはオイラは\(512\)だと思う。
なぜなら読み方は「2の3の2乗乗」になるだろうからだ。
excel に「=2^3^2」と入力すると「64」になる。
wolframだと「512」だ。
これは電卓によって「\(2+3\times2\)」の答が違うのと同じこと。
実際にそんな計算を使う場面が想像できないから実害はないだろうけど、()がなかったらエラーを出してくれる方が親切かもしれないね。
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第6問にexcelが登場するのに、第4問にexcelが登場しないのは何故でしょうか?
私の経験では、「-3^2」の答えに驚く人は多いですから。
excelは \(2+3\times 2\) を正しく計算できるのが驚きです。
さすがMicrosoft ですね。
なので、なぜ
・単項演算子(-)は二項演算子(^)より優先
という仕様にして、
・-3^2=+9 という、一般的な数学感覚では“意外な結果”を返す
ようにしてしまったのか? が大いなる謎に思われる訳です。
単項演算子(-)
の方が
XOR (^)
より、先に計算するというC 言語のルールがあるので、それにならっているのでしょう。