三代伊藤宗看『将棋無双』第49番 1734.8
例によってタイトルでネタバレだが、強力なヒントとして解いてみてはいかがだろう。
53角で王手するために63歩とするよりないが、すると41角の利きを塞いでしまうために、事前準備で85を埋めておく必要がある。
85金、同銀、63歩不成、
そして、狙いの63歩不成だ。
続いて……
74玉、62歩不成、
歩の不成2連発。
歩がなると利きが6倍に増える。
これは成ることができる駒のうち最大なので、その効果を拒否する不成の妙手性は最も高い。
41龍、64角成、83玉、84歩、
その効果はすぐに顕れる。
「62と」だったならば、この84歩は打歩詰なので禁手となる。
72玉、54馬、71玉、
61歩成、同龍、
あとは平易な収束である。
大駒をすべて捌いていく。
72歩、同飛、同馬、同龍、
82銀成、同玉、92飛、71玉、
82銀成が打歩詰の仕掛け駒であるだけに、気持ちの良い決め手だ。
72飛成、同玉、52飛、71玉、
62飛成まで27手詰
不成自体が妙手であった時代であるので、歩を、さらに2連続で不成とすることで十分なことであったのであろう。
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