これから作る本

まぁ、かなり遅くなりましたが、今年の抱負というような話を書きます。

詰棋書

個人作品集

 鍋に入っているのが『飛角図式 江口伸治詰将棋作品集』です。残っている仕事は確定しており、ひたすらオイラが仕事するかどうかにかかっています。春には完成させたいと考えています。
【表紙ラフ】
 次に『金田秀信の詰将棋』を仕上げます。これはまだ解説が150局程まだ未完成。こちらは全国大会までに完成させたいものです。
 並行してもう1冊造る本がありますが、これはまだ非公開です。出版社がうちではないので……お楽しみに!

アンソロジー

 進めてきている『曲詰傑作集』は技術的な困難にぶつかって頓挫したまま動いていません。解説スタッフは最高のメンバーを集めているのに申し訳ないです。
 これはオイラの情熱の問題が大きいです。最初の『Limit 7』もそうですが、簡素図式・曲詰と自分の得意分野以外を作ろうとしているからです。好きな分野だとどうしても独りよがりになるのを恐れての選択なのですが…。
 情熱を持って強引にプロジェクトを進めてくれる人の協力が必要かもしれません。

再刊・復刊系

 昨年は『怒濤』、『すなどけい』と2冊ともこの系統の本でした。
 当面、次の予定はありません。復刊したら嬉しいなという本はたくさんありますが、「これぞつみき書店がやらなければいけない仕事だ」と思えるものはないんですよね。

 今年、始動したいと考えている本は次の2冊です。

短篇にスポットを当てた本

 一番数が多いのは短篇なのに、なかなか短篇にスポットが当ることは少ないように思います。
 このブログでも(今『無双』を扱っているのもありますが)中篇・長篇を取り上げることが多いです。短篇にはカタログスペックがつきにくいからでしょうか。しかもオイラは短篇でもペレだシフマンだとか、龍の翻弄何回だとかではない、フツーの短篇が好きなんですよね。小西逸生とか、植田尚宏とか。
 一つの方向性としては『シン7手詰傑作集』といった企画もあるでしょうが……今考えているのは、この本を短篇詰将棋でやれないかということです。

 昔、邪風さんに影響されて買った本です。
 50人の作家の作品から好きな一句を選んでいます。好きな句がその作家の代表作というわけでもないので、10句程度その作家の作品を紹介しています。俳句の話だけではなく、短歌や散文詩にも話が及ぶところが読んでいて愉しい本です。
 これを短篇詰将棋でできないものかと考えています。昭和編と平成編で2冊作れるのではないかと。

解説者にスポットを当てた本

 これは以前から考えてはいたのですが、お手本はこの本です。

 野口益雄氏はご存じのように各誌に詰将棋の解説を書いていますが、これはその中から80局を選んでまとめたもの。通読すると野口氏の詰将棋観が浮かび上がってくるという仕組み。
 詰将棋界を支える要素は作家・解答者だけではありません。鑑賞者もいれば編集者もいます。そして解説者も重要な要素だと思うのです。
 作家の中には「作品で勝負。うだうだ説明するのは邪道だ」という方もいらっしゃいますが、詰将棋は鑑賞者にストレートに伝わるメディアではありません。解説者の存在は不可欠なものだと考えています。
 勿論、毎月の結果稿野中には、あぁ締切に追われて苦しんでいるなという解説もありますが(最近はあまり詰パラの結果稿を読んでいないので、具体例を思い浮かべている訳ではありません)、情熱をこめて書かれている解説もたくさんあります。しかし、それこそ短篇詰将棋作品以上にその解説は忘れられていきます。
 この数十年でも、残っているのは「ブルータスお前もか」と「君知るや99飛」ぐらいではないでしょうか。
 そこで、解説者にスポットを当てた本を作りたいなと考えている訳です。

 しかしこの企画はちょっと考えてみただけでも作業量が膨大です。現実的な線に落とし込むことも可能かどうか、今年はじっくり考えてみたいと思います。

将棋教室・将棋部向けの問題集

 出版点数も4冊になり、そろそろ全国の学校の将棋部や将棋教室にも営業をかけたいなと思いました。が、それだったらもっと将棋部や将棋教室向けの商品も欲しい。それで将棋教室や将棋部で使いやすい問題集の制作を考えています。
 A4の用紙1枚に1手詰から9手詰までの詰将棋を5問載せて、裏面に解答と解説。バラバラにできて、コピーして配布できる形にしようという所まで考えています。
 こないだ始めた「創作チョー入門」で募集した作品や「詰将棋つくってみた」で集まった作品を許可を得た上で使わせていただく予定です。(まだまだ数が足りないけれど)

※長くなってきたので、つづきはまたいつの日か!?

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