風みどりの詰将棋と関係ない話(32)  枕詞でいいのかな

ギリシャ神話では神様などの名前の前には一通りではないのだがいわゆる決まり文句がくっつくもののようだ。
これはもともと詩というものが謡われるものであるから調子を整えたり、聴いている人に解りやすくするためのものだろう。

ヘシオドスとホメロスから幾つか拾ってみる。

ゼウス (主神 ジュピター 木星)

高き御座にいます
クロノスの御子
雲を集める
雷火を楽しむ
神楯(アイギス)持つ
人の子と神々の父なる
群雲を寄せる
激しく雷を轟かす

アテネ (知恵・工芸・戦略の神 ミネルヴァ)

眼光輝く
輝く目の
獲物の司
煌めく目の
獲物をもたらす

ヘパイストス (火山・炎・鍛冶の神 ヴァルカン)

その名も高き
足萎えの
両脚曲がりの
鍛冶の神
巧みに充ちた
技に名高い

ヘルメイエス (伝令神 旅人達の守護神 マーキュリー 水星)

アルゴス殺しの
神々の使者
幸運をもたらす
アルゴスの殺戮者

アプロディティ (愛と美の神 ヴィーナス 金星)

黄金の
笑いを喜ぶ
笑いをめずる

ディオニソス (豊饒・葡萄酒・酩酊の神 バッカス)

賑やかな
黄金なす髪の

ハデス (冥界の王 プルート 冥王星)

強い
地の下の死者達を治める

ポセイドン (海・泉・地震・馬・塩の神 ネプチューン 海王星)

大地を揺るがす
大地を揺すぶる

デメテル (農耕・大地の神 セレス)

数多を育む

アレス (軍神 マルス 火星)

皮楯引き裂く

ヘレ (ゼウスの妻 婚姻の神 ジュノ)

白い腕の

アポロン (予言・芸術・音楽・医療の神 アポロ)

黄金の太刀を佩く
弓の君

これらのうち、アテネの「輝く目の」を物語のイントロに用いたマンガがある。

私も中学生の頃ギリシャ神話にはまってホメロスも読んだのだが(「イーリアス」だけ「オデュッセイア」は未読)「フクロウの目をした」は記憶にない。「輝く目の」が多かったと思う。近いうちにゆっくり再読してみたいものだ。別の訳者によるものも読んでみるべきか。

アテナはギリシャ人がギリシャの地を南下して征服する以前からの現地の神だったようでフクロウはアテナ女神の遣い動物(稲荷神の狐の如き者か)のようだ。
Wikipediaには次に様にある。

女神は、アテーナイのアクロポリスにパルテノーン(処女宮、Parthenon)の神殿を持ち、フクロウを自己の聖なる動物として持っていた。ホメーロスは女神を、グラウコーピス・アテーネー(glaukopis Athene)と呼ぶが、この定型修飾称号の「グラウコーピス」は、「輝く瞳を持った者」「灰色・青い瞳を持った者」というのが本来の意味と考えられるが、これを、梟(グラウクス)と関連付け、「梟の貌を持った者」というような解釈も行われていた。女神はまた、知恵を表す蛇や、平和の印としてオリーブをその象徴としていた[1]。

マンガのタイトルは『イリヤッド』。東周斎雅楽原作。魚戸おさむ作画。小学館。

マンガではそのトロイアの王がもらった壺がアトランティスの王クロノスからの贈物だということから物語は始まる。ただ色々な考古学ネタをぶち込んでくるので本線が中々進行しなくてイライラしてくる作品だった。で、結末を全く覚えていないので、いま発掘して読み始めたところ。

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