投稿作の採用期限について(上)

詰パラは

投稿後1年経過しても掲載されない場合は不採用です。

将棋世界は

投稿後、半年以内に掲載されない場合は、不採用となります。

と明記してある。

しかしご存知のように(?)詰パラでは1年経過したあとに採用されることもあり、時折投稿規定を信じた作家が二重投稿で辛い思いをすることがある。

将棋世界も例えば6月号をよくみると

【採用状況】2021年10月到着分の採用を終えています

と書いてある。逆に読めば5月発売のこの号には昨年10月の投稿作品が採用されているということだ。(半年をちょっと過ぎているが、正直な実感としては「よく頑張っている」と誉めたいくらい)

きちんと文章で明記してあることを守らないのだから一般社会的には問題だ。
なぜ、そんなに採否が決まるまでかかってしまうのか。

詰パラの場合、投稿された作品は検討協力者に送られる。
1月に投稿したとしよう。
そこで検討がされてから各担当者に送られる。
これが早くて、2月には担当に送られたとしよう。
担当者も独自に作品を検討し、さらに類作や同一作を調べて採用と決定する。
3月に採用と決定したとしよう。
このとき、4月号の出題稿はもう提出した後だし、もう1月分ぐらいは選題が済んでいるのが普通だ。
そして6月には学校がないので、最短で採用されるのは7月号になる。

これは貴方が担当者が観て直ぐ採用と判断できるA級作品を投稿した場合だ。
作品になっていない、もしくは先行作と比較して新しい所が見当たらないC級作品は3月に返送される。(今は返信用封筒を送った人だけか)
しかし想像するともっとも数が多いのはB級作品–新作として発表する価値はあるが突出した作品ではない–だろう。

担当者は読者にはより優れた作品を提供したいという欲望がある。
また作家には出来る限り採用したいという欲望もある(かもしれない)。
この作品は即採用の作品ではないが、もし返送してしまって来月届く投稿作がどれもこの作品よりレベルの低い作品だったら……という恐怖にも溺れる。
するとその作品は「3ヶ月ぐらい様子を見よう」とストックに追加されるのだ。

3月に採用されずに6月迄ストックされた作品は、そこで選ばれたとして掲載は9月号か10月号。
採用されなかった作品は返送される。
いやまてよ、学校では無理だがデパートに転送すれば拾ってもらえるかも……と担当者が慈悲の心を発揮するともっと在庫期間は長くなる。

ところがデパートには手数制限がないから各学校から転送されたり、この作品は学校の評価制度にはあわないからと直接デパート希望で投稿される作品もあるし、デパートの担当者に解説してもらいたいからと送られる作品もあって、恒に在庫過剰なのだ(全部、想像で書いています^^;)。

上の例はわりと順調に進んだ場合を想定して書いたつもりだ。
どこかで一寸渋滞すれば掲載されるのが1年過ぎることは簡単に起こりそうだ。
オイラが大学院を担当していたときは月2作という発表枠だと言うこともあって、だいたい半年分は採用予定が決まっていた。だから当時の大学院は1月にA級作品が届いても最短7月掲載は本当の話。

昔話をすると担当を始めた2010年には6月と12月にも「やさしい大学院」を開催して発表数を増やした。だから2010年1月から担当最後の2013年6月まで、毎月必ず大学院は開いていたのだ(年中無休!)。2012年8月号には通常の大学院と別に「やさ院の氾濫」まで開催している。また2012年の下半期は月に3題を掲載させてもらった。よく許してもらえたな。最近では「解答者の負担になるからツインは学校では出題しません」という時勢だが、この半期は長編が毎月1題増えたのだ。解答者の負担の増加はいかほどだったことだろう。(本当に解答者が減ったので3題出題はこの半期だけで終了(TT))

さて、閑話休題。

同情する余地はあるとはいえ「規定を守っていない」というのは社会的には正しくない。
では、どうしたら良いのか。

頼まれた訳でもないし、読者に期待されている訳でもないがオイラの考えを(下)で書いてみる。
(今から考えるんだろうと思った貴方!それを言いっちゃぁお仕舞ヨ)


※短大の石黒さんは「在庫を持たない主義」で長い間運営していて素晴らしいです。
 ゲーム理論を持ち出すまでもなく、担当者が「これ採用!」と直感する作品以外はすぐに返送するのが正解だと思います。

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