詰将棋入門(217) 金遣いの名手

清水一男 詰パラ 1964.10

小駒を生き生きと動かすのは案外に難しい。13手詰。

初手になにをしても2手目には13角は消える運命のようだ。

金銀桂と持駒にあるが、まさか金ではなかろうから……

24桂、13玉、

これはどうもパッとしない。
42歩がなければ31角成で簡単なのだが。

21銀、13玉、

銀でなく桂を手持ちに残すとどうなるのか。
やはり初手24桂とさほど状況は変わらないように見える。

しかし、こちらが正解の順で、次に妙手が登場するのだ。

24金、

上部を封鎖している攻めの拠点にしか思えない15金を抛りだす。
この空中に跳び出すかのような感覚。
この一手のためにこの作品は構成された。

   同玉、36桂、

同玉の一手に再び36桂と打つと、持駒の金2枚で上部脱出がしっかり抑えられていることがわかる。
26金から24金までだ。
玉は戻るしかない。
(ここで33にも戻れるのが本作の弱点。解説ではスルーしておく)

   13玉、

24金は無謀な手のように見えたが、このように治まってみると15金を36桂に打換えたことになる。
持駒は桂馬1枚しか消費していないから攻方の損失は実は軽微なのだ。
そして打換えの効果は新たに44に利きが増えたこと。
これで一気に収束する。

24金、22玉、33金、

24金と平凡に打った金を次の瞬間に捌き捨てる。
いい呼吸だ。

   同玉、32金、同銀、44角成まで13手詰

要の駒に見える金を捌き捨て、平凡に打った金を捌き捨て、最後は打捨て。最短の収束。
金の遣い方、実にお見事でした。

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