詰将棋入門(229) 簡素図式からミニ煙

若島正『Limit7』第44番 詰パラ1981.2

Limit7』は弊社刊のアンソロジー。詰パラ発表の日付が付いているが「賀状到来」の頁。

初手は銀か角だが、14にまで利きが届く角が妥当だろう。

32角、

上部脱出を図れば23銀と押さえられる。

   22(12)玉、23銀、13玉、14銀成、

【変化図】

以下押し戻して簡単だ。

そこで2手目は11玉と雪隠で頑張るが今度は42角が活用できる。

   11玉、33角成、

これは頻出する(飛|金)合の出る形だ。
即ち、22歩合ならば……

   22歩、21角成、同玉、32銀成、

【変化図】

以下22馬で押し潰せる。
32に利く駒—横利きのある飛・金合が出る形なのだ。

で、飛合から潰していこう。

   22飛、同馬、同玉、23飛、31玉、
22銀、

【変化図】

飛車は強力なので以下42玉に43飛成以下で詰む。
ということで正解は金合。

   22金、

これも飛合と同様に攻めると……

(22)同馬、同玉、23金、31玉、

【失敗図】

42から逃げられてしまう。23金は43まで横っ飛びすることは不可能だ。
それでは23金ではなく23銀と打てば良かったのか。

(22)同馬、同玉、23銀、33玉、34金、42玉、
43金、31玉、

【失敗図】

やはり31に潜り込まれて困る。
21角成と追撃しても、41玉と逃げられてしまう。

正解は……33馬は切る前に手を替える必要がある。

(22金合に対して)21角成、

   同玉、32銀打、

先程打ったばかりの32角が、22金と間駒された途端に役目が終わっていたのである。
角を捨て銀に打ち換える
あとは簡単。

   11玉、22馬、同玉、23金、

   11玉、21銀成、同玉、32銀成、11玉、
22成銀まで17手詰

この簡素形で、打った角を銀に打ち換える粋な手順を表現した。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください