今月からは三手詰祭と五手詰祭を毎月交互に開催することにしました。
と書きましたが、五手詰は10作投稿を呼びかけてもそれほど集まらないだろうし、「五手詰展」とすることにしました。
「詰将棋つくってみた」よりもさらに創作初期の方向けの企画です。したがって類作(似たような作品が既にある)は問題にしません。ただし同一作+は失格にします。(判断は風みどりに一任してください)
五手詰の創り方はいろいろありますが、大別して2つ。
- 三手詰+2手で作る
- 五手詰を作る
これだけではわかりにくいので自作を例にして解説しましょう。
45龍、同香、15馬まで3手詰
焦点への龍のソッポ捨てが狙いの三手詰です。これはこれで完成しているのですが、もうちょっとボリュームが欲しいということで2手逆算します。
59香、48玉、45龍、同香、15馬まで5手詰
59香は必然手ですが、2手目58合や67玉の変化をつけてボリュームをつけました。(実際には変長を加味してさらにボリュームアップして発表しました)
使用駒が2枚も増えており、2手を追加した価値があるかどうか非常に疑問です。(変長を滅したこの図は特に)
2手を後半に追加する場合もあります。
64飛、同香、41馬まで3手詰
詰将棋を創り始めたら誰もが一度は作る三手詰です。限定打の意味付けの基本「守備駒の利きを遮る」です。
これではあまりにも平凡なので飛車を持駒ではなく、龍として配置して龍のソッポ捨てで表現したものが次図。
64龍、同香、41馬まで3手詰
使用駒が1枚減ったのはよいのですが、これでは元の図とほとんど変わりないなと感じ、41馬も捨駒にしようと2手つけ加えたのが次図です。
64龍、同香、41馬、同馬、15金まで5手詰
本図も使用駒が2枚も増加しており、2手を追加する価値があるかどうか難しいところです。でも三手詰のママでは新作とはいえないのでいたしかたなしでしょうか。
この方法の難しいところは単純に2手追加すればよいわけではなく、価値ある2手をかつ見合ったコストで追加することです。しかしもっと難しいことがあります。
それは「そこが終着点なの?」問題です。
価値ある2手が追加できたのなら、価値ある4手を追加したらもっとよくなるのでは?
五手詰を作り始めたら九手詰ができてしまっても、別に構わないといえば構わないのですが……。
さてもう一つの「五手詰を作る」とは、ここまで説明してきたら伝わったでしょうか。そうです。5手で一塊の手順を構想し、その実現を図るということです。
22飛、13玉、23金、14玉、12飛成まで5手詰
本作は「角2枚すっぽ抜ける五手詰を作ろう」として作ったもの。高柳名誉九段だか伊藤果八段だかの飛車がすっぽ抜ける作品に影響されて作ったのでしょうか。もう忘れました。これは三手詰では実現不可能。(2枚だから)
43金、23銀、44金、同玉、43飛成まで5手詰
本作は「すぐに金を捨てられるのに寄り道してから捨てる」という狙いなので三手詰では実現不可能。
46金打、54玉、55金、同玉、64銀成まで5手詰
本作は「邪魔駒を4手かけて消して1手詰」という狙いなので五手詰が必然。
いかがでしょうか。逆算は経験や価値判断が必要なので創作初心者にはあまりお勧めしていません。ズバリ、五手詰を構想して、ムリクリ完成させてみてください。
五手詰を10作創作しましょう。
- 今回は課題は特に設定しません。
- まとめて10作投稿を呼びかけています。10局より多くても少なくてもかまいませんが、投稿は一度のみとします。1局ずつバラバラに投稿されますとミスの元になります。
- 投稿は柿木将棋のki2ファイルをメールに添付する形でお願いします。(別の形でもかまいませんが、作意を明記してください。)
- 【詰将棋情報】の【作者】に発表用の名前を記入してください。
メールには本名も必ず明記してください。 - 自作に限ります。貴方の名前がついて発表される可能性があることを忘れないでください。未発表作が望ましいです。ただしネットやtwitter(X)で発表した作品はそのメディアと発表年月日を明記して投稿くだされば受け付けます。
- 投稿先はkazemidori+ultra@gmail.com。
タイトルに「五手詰展1」と明記してください。 - 締切は10月13日(金)
柿木将棋で複数の作品をまとめて検討する方法についてはチョー入門(3)を参照してください。
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