第9回 三手詰祭 結果発表(3)

続きです!

第21問 springs 【3解】

正解
63成、同桂、64まで3手詰
44、同金、53成まで3手詰
61不成、同角、62成まで3手詰

作者 3解によるCyclic Zilahi。

Aを捨ててBで詰める、Bを捨ててAで詰める—がZilahiですが、サイクリックなのでAを捨てるとBで詰める、Bを捨てるとCで詰める、Cを捨てるとAで詰める—ということになっています。★★

negitarou 攻方の邪魔駒をどかす?
松崎一郎 其の駒無ければ一手詰。
新井大輔 すっきりと3解をうまく作りますね。
空貴人 3解、いずれも三手詰であるところに価値あり
まつきち 61銀、63香成、44桂。攻防の全着手が異なるという表現はすごい!
占魚亭 62銀・56桂・64香によるCyclic Zilahi。お見事!
小林敏樹 初手、最終手がabcサイクルなのですね。破綻なくできていてうまいと思います。
シナトラ おお、サイクリックジラヒ!私も昔トリプレットで作ったことがあるが、3解形式でこれだけエレガントに作れるとは。作家視点では、無駄に捨駒を入れるような最終手余詰が無いのも凄いところで、3手詰として1つの達成と言っていい。

第22問 シナトラ

正解 37角、同龍、42とまで3手詰

23との一手詰に見えますが、41香の隠れた利きが44にあるので、44歩合で逃れます。44同角成では46玉と脱出されてしまいます。そこで37角と逃路側から攻めると46合駒は23とまでなので同龍となり、22角がフリーになるので42とと41香を抑えれば解決となります。★

松崎一郎 竜香を無力化。
空貴人 玉から遠いところで細かい動き
占魚亭 と金の盾(23と、42と)。
森田正 42とが44への捨合を防ぐ好手。
negitarou 二手目に応じて「と金」の移動場所が変化
有吉弘敏 37角で応手を打診し、攻め手を変える。
springs と金の使い分け。この構図しかないと思わせる出来栄え。
まつきち 角捨てで龍を動かして42とが味の良いまとめ。変化で23とも出る。
作者 第8回三手詰祭第31問などで実現した「王手駒以外を守る最終手」が、単玉でも作れることに気づいてやってみました。44合に同龍と同馬の筋を両方残したのがミソで、3手詰なのに5手目の対比になっています。

67香は壁にして持駒角にしてはだめかしら。都玉縛り?

第23問 シナトラ

正解 46銀、35龍、55桂まで3手詰

94への逃げ道がありますから49角の王手で仕留めるのは間違いないでしょう。75桂では86玉とされますから55桂としたい。そこで55銀をどこかに動かして55桂とすれば良いとわかります。銀の動かし方は四択。★

negitarou 4五香合を防ぐ!
松崎一郎 気の向くままの銀。
占魚亭 45香合に備えた銀の盾。
森田正 45香への対応を考えた46銀が好手。
ぎょうざパン 45香合が有るので46銀が正解ですよね?
新井大輔 44銀は、45香打で逃れるところが凄い!
空貴人 銀をどこに動かすか。45香合を見つけて氷解。
有吉弘敏 初手46以外の移動先では、45香合で逃れる。
齋藤光寿 香合があるとは…。シフマンしちゃわないように限定移動。
springs 後にアンピンされることを見越した45香合を見越した初手
まつきち シフマンを許さない初手が上手い。ソッポ桂跳ねの詰上りもいい。
小林敏樹 シフマンの受けを無効にするための、前もってのラインふさぎ。プロブレム的に評するとこんな感じかな。

短評でみなさん触れているように初手46銀以外は35龍としてくれず45香合という受けがあります。以下55桂、49香成で失敗。合駒した香はピンされていますが55桂でアンピンされるので動くことができます。このように合駒がアンピンされて2手目に動くことをシフマンといいます。
この作品星をたくさん集めると予想していたのですが、意外や意外。驚きました。集計間違えたかと確認してしまいました。

第24問 戸島淳之介

正解 54飛、同と、53龍まで3手詰

バッテリーが2台。両王手を誘っているようですが実はそれが作者の仕掛けた罠。作意にも変化にも両王手はでてきませんでした。★

松崎一郎 一間竜で開き王手。
空貴人 一間龍で間利かずを実現
negitarou 二手目・同との手順が好きです。
springs 12角のラインを開くのが急務。
森田正 合駒されぬよう移動する53龍が良い味です。
新井大輔 と金を動かしてから、その影に移動する龍の味が良いです。
占魚亭 応手によって龍でのトドメの刺し方が変化。53龍が作意かな。
スサヒドーパーアライ 45に行かれたくないと考えると右の角から開くのは見えやすかったです
まつきち 53龍の詰上りが決まっている。二枚角の利きが絶妙。18番より前なら評価が変わったか?
シナトラ 75龍と両王手する筋も残して作るのがベター。
有吉弘敏 46は空けて構成すると角の足の長さを使えそう。(攻め方37歩、玉方57歩とか・・)
小林敏樹 最終手が64龍・53龍と2通りあってまずまず。46を空けて46玉に43龍の変化を付けたいところ。このままでは無理だが、46と→36と、34飛→64飛のようにすればできそう。

第25問 石川和彦

正解 43龍、同馬、35飛まで3手詰

55銀は取られそうだし、36玉と逃げられても困りそう。解答者にこう感じさせたら、作者の演出は成功しています。そこで豪快な龍捨てが炸裂。馬の斜めラインに龍の縦ラインをぶつけて消すというありふれた手筋ですが、演出がしっかりしていると解答者は気持ち良い解後感を得られます。★

springs 龍の体当たり。
占魚亭 馬の利き逸らし。
松崎一郎 馬の利き消す竜捨て。
negitarou 玉方の馬の利きをずらす。
稲月健一 中空でぴったり捕まえる。
まつきち 全国大会お疲れさまでした!

作者は7月20日の詰将棋全国大会@博多の開催実行委員長でした。

池田隆 解図欲の湧く初形、解後感がいい
小林敏樹 いかにも正統派といった仕上がり。
空貴人 駒がちりばめられた初形。右下に逃がしてしまいそうな初手が意外
シナトラ 初手は限定打にして、34玉の変化にその意味づけを求めるのが自然な作り方と思える。作者は初手35飛の紛れに期待した?

こんな感じでしょうか。これはこれで客寄せにピッタリですね。
作者の狙った紛れは32龍の利きを通す44金や35金だと思います。

第26問 negitarou

正解 55龍、35角、46飛まで3手詰

48飛-59角のバッテリーが15玉に照準を合わせています。ところが玉方にも53角-52香のバッテリーが控えており、48飛をどこに動かしても26角と移動合されると逆王手を喰らってしまい失敗します。そこで52香の利きを予め塞いでおく初手55龍に至ります。しかしここで終わらずその応手を考えさせそれぞれに飛車の動かし方を変えたのが人気を集めたところでしょう。★★★★★

作者 4五桂合でも詰上がる配置にするのに悩みました。
松崎一郎 \(王手^3\)。
占魚亭 龍の盾、飛の盾。
中村丈志 変化の4四飛も好き。
新井大輔 双玉らしい面白い応酬。
森田正 大駒3枚の逆王手の応酬が良いです。
ぎょうざパン 逆王手(両王手)を防ぐ55龍が中々見えなかったです。
スサヒドーパーアライ 違う角度からの逆王手にヒヤッとしましたが大丈夫でした
空貴人 双玉形の特徴を生かした、巧みな龍の動き。3手目の感触もいい
まつきち 横に動けば26角。龍で香筋を遮断すれば35角と良く出来ている。
小林敏樹 25合/35角合/45合に対して44飛/46飛/45飛と応じるのですね。こういうのは好きです。
シナトラ 連続限定移動の筋以外は駒余りになるように調整すべきと思う。
有吉弘敏 2手目は希望限定?
springs 2手目25打合/35角の変化だけを見ればいいのでしょうか?

25合は44飛、45合は同飛で納得ですが、35歩合とかですと98
飛までという解答も正解になります。(詰将棋メーカーだったら正解手順の登録が超大変)ここら辺の雑音を奇麗に取り除くと、より作者の狙いが解答者に鮮明に伝わるでしょうということでした。

第27問 springs

正解 22角成、65玉、32馬まで3手詰

初手は角を動かすと決め打ちしましょう。動かし方は成生含めて18通り。2手目の玉の逃げ方は45玉と65玉の二択。45玉を仕留めるには12角を喰うために11角成か22角成の2通りしかありません。一気に絞れました。あとは65玉を詰ますことを考えれば解決です。★★★★

松崎一郎 角の独り舞台。
有吉弘敏 角の動きが面白い。
中村丈志 1二角の配置が良い。
negitarou 角をどの地点で成るか?
占魚亭 45玉に備えた限定移動。
ぎょうざパン 透かし詰が気持ち良いですね。
池田隆 少し考えた。詰め上がりが面白い
空貴人 45玉に備えて、初手22角成を限定
まつきち 22角成で質駒を狙うとは露骨(笑)
森田正 12角が22へ限定移動させる良い配置。
小林敏樹 角移動場所14通りの余地がある。これ以上は可能?

55角で作れという課題が出ました>皆様

新井大輔 守備駒狙いの最遠移動ではなく、寸止めで詰ます初手が良いです。
シナトラ 12角1枚で初手を限定できているが、ありふれた狙いだけに工夫の余地が残る。

「喰うために最遠移動」はよくありますが、一つ手前にしたところが工夫では?

第28問 戸島淳之介

正解 34香、64龍、68銀まで3手詰

攻方のバッテリーが2台。玉方にもバッテリーが1台。緊張感のある初形です。初手68銀とする人はいないでしょうから(作者は余詰にならないように苦労しますが)初手は37香をどこに動かすか考えろということです。八択。例えば31香成を試してみると64龍の逆両王手! これを予防するには初手は34香か35香ですが、35香ではやはり64龍の逆王手で困ってしまいます。正解は34香と龍での逆王手を事前に回避しておいて79角での逆王手には68銀という逆逆王手で対応する、でした。新しい作者の歓迎の意味もあったのでしょうか、今回一番多くの星を集めました。お見事です。★★★★★★★★

占魚亭 最終手が良い感触。
中村丈志 銀引きの味が好き。
松崎一郎 飛び駒で王手の応酬。
池田隆 逆王手を巡る攻防が良かった
negitarou 逆両王手だけは、絶対に防ぎたい。
稲月健一 予め逆王手を防ぐ、用意周到な初手。
森田正 一手も緩みのない手順で感動しました。
空貴人 盤面を広く使い、線駒の応酬が楽しい作品
スサヒドーパーアライ 作意を読み取れてる自信がありません……
新井大輔 緊迫感のある逆王手ライン遮断の応酬に目を見張る。
有吉弘敏 初手34か35か悩みました。最終手もいいですね。
小林敏樹 逆王手遮断の連続。これだけの配置で出来ているとはお見事。
springs 逆両王手を食らうわけにはいかないので、片方のラインをあらかじめ切っておく。35香から考えました。
シナトラ 両王手回避のための連続限定移動というテーマとして考えると、2手目の意味付けの重複(逆王手+駒余り回避)はどうにかしたい。

第29問 シナトラ

正解 35金、55角、44香まで3手詰

攻方46金-82角と47香-77飛の2台のバッテリーが目立つが、玉方にも42香-92飛の隠れたバッテリーがあることに注意。とはいえ詰ますのは易しい。47香は動かせないから初手は46金を開く一手。第一感は玉の可動範囲を狭める35金だ。これで一見詰んでいるように見える。82飛なら42香成。27玉なら28角成。46合なら同香。しかし、これ全部駒余り。正解手順ではないということだ。本作は2手目の受けを考えなさいという問題だった。★★★★★★

松崎一郎 駒を握って頭をひねる。
negitarou 5五角合が作意だと予想。
小林敏樹 駒余りにならない唯一の受け。
森田正 アクロバティックな応酬がすごいです。
占魚亭 第一感ではあるけれど、上手い切り返し。
新井大輔 香移動非限定かと思いきや、まさかの55角合に目が覚めた。
有吉弘敏 2手目73香合は、42香成で割り切れているのですね。考えさせられました。
まつきち 55角に1票。逆王手の46香移動を有効にする強烈な犠打。ソッポ金から香上がりまで隙が無い。
springs なんとなく2手目はまず73香を考えたが、ピンされているのだから42香成で何の意味もない。逆王手だけが特別。
空貴人 シナトラ氏の作品はどれも素晴らしいが、その中でも本作が印象に残った。不思議な金の動き、角合いの逆王手、香の移動合いでフィニッシュの流れ。一手一手に見どころあり

正解は55角の逆王手。同角成なら46香という再度逆王手の受けが炸裂する。そこで慌てず騒がず44香で緊張感漂う詰上り。

作者 攻方masked batteryの利用で中合を出すのは相馬慎一作(看寿賞)などからの引用。2手目82飛には42香成、3手目同角成には46香、作意最終手は44香。作意・変化・紛れの3層から、双方の香が4筋で交差するような表現を感じ取ってもらえたら嬉しいです。

第30問 シナトラ Six Strings

正解 39銀、\(\cases{
19玉、16飛\\
同桂成、26飛\\
37玉、36飛\\
同馬、47飛\\
同香成、48飛\\
同玉、49飛\\}\) まで3手詰

今回の目玉作品です。初手の鋭い捨駒に対して応手が6通りもあります。その一つ一つに対して、飛車が異なる場所に移動して詰みという奇跡的な作品でした。応手が5通りという作品は今までにもありましたが、6通りというのは見たことがありません。★★★★★★★

作者 全体に統一感のある6変化を表現できて会心の出来。今のところ、変化利用系ではこれ以上できる自信がありません。

ぎょうざパン 開王手は駄目!
占魚亭 6分岐。流石です。
松崎一郎 39銀取れば4解逃げれば2解。
negitarou 最終手の飛車の移動場所は6通り。
springs 6通りの開王手。こんなことが可能なのか。
まつきち 39銀が好打。6つの応手がすべて異なるんですね。
森田正 かなり悩みました。39への焦点打が強烈な一手ですね。
スサヒドーパーアライ タイトルから期待した通りになり嬉しい。配置がスマート
稲月健一 流石に本作が優勝候補か。6通りの応手に6通りの飛移動!
小林敏樹 飛の6通り。森本弘作(パラ1978.4)は5通りだったので新記録?
有吉弘敏 7~8年前?確か谷口均さんの作品で、ここまで手広くなかったですが、近い狙いの作品があった気がします。

小林さんの評にある森本弘氏作は下図。(クリックで拡大されます)

応援会員特典の小林敏樹『1980年までの5手詰』より
谷口均作は『孤愁はるけきかなた』には見当たらないようですね。
わかった方はご教授を。
(追記)2025.7.31
有吉さんからコメントで教えていただきました。

千葉豊幸 詰パラ2016.02
23馬、44玉、43桂成、同桂、55銀への応手が5通りです。

新井大輔 斜めのラインを軸として、飛車が4ヶ所に対称移動する幾何学的な構造が見事。この駒数と3手で実現した手腕にも脱帽。
空貴人 39銀の応手に6通りの応手、それぞれに異なる飛車の動きを用意。一つずつ調べていく度に、驚きが高まっていきました。この統一感は見事

飛車の移動先に色をつけてみました。まさに「統一感」ですね。

※明日は最終回!

「第9回 三手詰祭 結果発表(3)」への2件のフィードバック

  1. 第24問は、小林さんの指摘を見て、自分の勘違いに気づきました。57は塞ぐ必要はなかったです。失礼しました。
         
    第30問は、確認しましたが、2016年2月の詰将棋パラダイス小10の千葉豊幸氏作の7手詰でした。5通りでした。

  2. 28問は恥ずかしながら誤解(汗)。初手34香でしたか。3手を間違えるようではいけませんね。

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