萩野真甫 象戯綱目 第5巻第21番 1708
門脇芳雄「続詰むや詰まざるや」によると、作者の萩野真甫は初代宗看に争将棋を挑んだことで知られるというから、かなり古い時代の詰将棋だ。
しかし現代でも新作として通じるだけの内容と品格を持っている。
盤面も持駒も大駒の見当たらない小駒図式である。
銀桂香も指し始めの位置に並んでいる実戦形でもある。
さざ波のように美しい駒さばきを味わってもらいたい。
62銀、同銀、52金、71玉、62金、82玉、74桂、
74桂がのちの退路をあらかじめ塞いでおく好手。
同歩、71銀、92玉、
93玉なら82銀打、92玉、91銀成、同玉、82金まで。
82金、93玉、83金、同玉、84歩、
7手目、74桂の効果が表われた局面。
93玉、82銀打、92玉、93歩、同桂、83歩成、
93桂を手拍子に獲ってしまうと失敗する。
同玉、73銀成、同玉、63と、
と金を動かしていく。
83玉、84歩、92玉、82銀成、同玉、72金、92玉、83歩成、同玉、73と、92玉、82金 まで37手詰
3手目に打った52金がじわりじわりと寄っていき、とうとう82金で玉の命運を制するとは!
「象戯綱目」はいろいろの作者の作品を集めたアンソロジー。他の作品に興味を持たれた方は次の情報にアクセスするとよいだろう。
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「詰将棋入門(14) 小駒図式」への1件のフィードバック