実は「将棋九十九谷集」は持っていない。随分昔に妻木先輩に貸して頂いたことがあるだけだ。
今、手元にあるのは「詰将棋–初歩より初段まで」と「詰将棋の指し方」である。
この3冊は内容は同じであると聞いているので、一番古い書名をタイトルに掲げておいた次第だ。
もちろん北村研一の作品が主体だが、間に5頁ほど「詰将棋の作り方」というテキストが入っているので、内容を紹介しよう。
この図からスタート。
22銀打を消して桂を持駒に加える。
13桂、11玉……
角を持たせて33角と打ち捨てる順が面白そうだ。
13桂、11玉、33角、同X、21桂成、同玉、……
これで角桂の複式の捨駒というアイデアになった。
Xの具体化が次の段階。
13桂、11玉、33角、同歩、21桂成、同玉、31と、同玉、32銀、42玉、43銀打まで11手詰
Xを32歩にした例である。
これを33に誘導することにより、32地点の占有権を失わせ、32銀打を可能にしたわけである。
13桂、11玉、33角、同角、21桂成、同玉、33桂生、11玉、21桂成、同玉、32角、11玉、22銀、同銀、12金、同玉、24桂、11玉、12香まで19手詰
E図はXを42角として構成したものである。
さらに心得として次の点を上げている。
- 一度にやり通すのではなく適度に切り上げてノートに記録してコレデオシマイにする。
- 短時間猛烈主義で、折にふれ、時にしたがって考慮を巡らすのが良い。
- チック・ヤングはアイデアは数分間でできたのが良いと言っている。
- 「捨駒の目的の分類」が作図に役立つ。
Tweet新天地への飛躍、天才的なひらめき–というようなことになると、正直なところ、私ども凡人には、どうしてよいのか見当がつきかねる。光のさすことを信じて、ひたすらつとめるよりほかに仕方がないのであろう。