詰棋書紹介(28) 星河

星河 海老原辰夫 詰将棋作品集
著者:海老原辰夫 角ブックス 2016.7.17

短編作家である。
形も落ち着いた好形作が多い。
しかし難しくて苦手意識がある。
小林敏樹も同じ意見だった。
きっと指将棋が強い人に違いない。

と、書いてみてデジャブを感じた。
探してみると古今短篇名作選第146番の解説で田宮克哉さんも同じ事を書いている。

よく似た名の人に桑原辰雄という豪腕者がいるので、この人もそういう人だろうと思うことにしている。初手、こういう広い所から着手をさがさせるのは強い人がよくやること。

本書第4番が引用されているのだ。11手詰だが難解、かつ新鮮。傑作だ。

近代将棋の担当をしていたとき、いくつもの作品を投稿してくださった。
このときは比較的易しい作品ばかりだったので助かったが、それでも苦労して解いた記憶がある。
パラの大学院の担当しているときに、投稿をいただいたときは驚いた。
長編も創られるとは知らなかったのだ。
こちらは筆者の力では当然解けず、投稿用紙を頼りに解説を書いた。

この本は短篇中心できっちり変化を読ませてもらえる好形作が溢れている。
そして紹介する作品を見てもらえれば分かるように狙いの一手が明確な作品ばかりだ。

詰将棋村の住民だけでなく、指将棋派にも自信を持ってお薦めできる1冊だ。

つみき書店で購入できます。(売切れました)

海老原辰夫 星河 第81番 近代将棋2005.1

ところで番外図の作意は掲載されていないのだろうか?
(追記2021.1.22 番外図の作意は97番の次に載っていた。)

「詰棋書紹介(28) 星河」への1件のフィードバック

  1. 実は星河81番の感想ではなく、4番の11手詰めだ。
    その前にコロナで罹患して治ってはいるものの空咳が止まらず外出を控えている間に、当HPの詰棋書紹介を暇に任せて解いていた。凡そだが40題ほど完了した。
    これら出図に感謝申し上げてしんどくなった解図を終える。

    さて、この第4番であるが27銀、18角、17馬の攻め手は直ぐに浮かぶがこの17馬を捨てた17に桂を跳ぶのが見えづらい。
    風みどりさんに重複するが新鮮かつ傑作。しかも(小生に)着手を誘った良型で詰将棋サロン最優秀作級品だと。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください