藤井聡太が間違えた3手詰?

鍵アカなので引用できないが,twitterに
「藤井聡太先生が唯一間違えたといわれる難問詰め将棋!三手詰めで藤井先生が間違えるほどの難問!」
というtweetが流れてきた。

作者不明


この作品,記憶にある。
(とても覚えられる配置ではないので違うかもしれないが)
何年か前の詰将棋全国大会で全員参加の早解き競争のようなアトラクションで出題された図の1つだと思う。

藤井聡太先生が絡んでいるとしたら,まだ参加できたくらい昔で,「SNSで会場の様子を発信するのは禁止」とされたときだろうか。(いつだ?)

プロジェクタで図面を映し出すだけで,時間も足りなく駒を数える時間もなかったような記憶もあるが,それは横浜大会の時だっけ?

これは凶悪なひっかけ問題だった。

ひっかけといっても初手93飛成で銀を入手して41銀までというものではない。
全国大会に参加するほどの詰将棋ファンならばまず83飛不成という手が見えるのだ。

なぜかというと,この構図は以前「3手詰で攻方飛不成は可能か」という話を書いたときに登場した金子清志作「姫様ズームイン」にソックリだからだ。

金子清志 「姫様ズームイン」 詰パラ1989.3

53飛、42玉、73飛生、64桂、53飛成まで5手詰。
(ただし3手目57角で余詰あり)

解説を入れておこう。

玉方の持駒が歩しかないというのがアイデアなのだ。
3手目例えば83飛成と開き王手をしたとする。
75金と角を抜くことはできない。同角で両王手の詰みだからだ。
しかし、64歩と間駒されて困る。
85飛がいるので64同角とはとれないからだ。(これを85飛で75角がピンされているという)

そこで73飛不成が妙手となる。
玉方は64歩としたいができない。
なぜならば64歩と打った局面を考えてみると、攻方の王が詰んでしまっている。
歩を打った瞬間に詰んでいるということはこれは打歩詰。
禁手なのだ。
そこで64桂と移動合するしかないという仕掛なのだ。
(83飛成なら74玉の余地があるので64歩は禁手ではない)

で、冒頭の作品は玉方の持駒が「香歩14」。
83飛不成なら64香と間駒されて不詰。

正解は49角に58香(57~54もよさそうだ)と香を品切れにさせて、16角までの3手詰。

しかし、本物の藤井聡太だったら、いくら時間がなくて香合が残っているか確認することができなくても、これくらいの罠には引っかからないような気がする。

藤井聡太が間違えたというソースはなんだろう。大会で隣に座っていた人かな?

それにしてもこの図の作者は誰なのだろうか?
横浜川崎大会だったらウマノコさんだろうけど……ズバリ、オイラの予想はよしおか氏!
(誰か正解教えてください。)


作者はほっとさん(堀内真)でした。

今後引用される方のために書誌情報も含めて再掲します。

堀内真 第33回詰将棋全国大会(名古屋) 2017.7.16

「藤井聡太が間違えた3手詰?」への3件のフィードバック

    1. 作者自身による解説ですね。
      ところで作意が書いていないんですけど2手目はやはり58香でいいのかな。

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