その日、男はSTORESで複数の商品を購入してくださった顧客から送料を取り過ぎてしまう問題について考えていた。
この問題、全詰連販売部のサイトを見れば解るように、サイズ・厚さ・重さの問題が絡むので簡単ではない。
本の厚さは2cmなのに、水濡れ防止の包装をして封筒に詰めたら2cmを超してしまったり、サイズも厚さもクリックポストで大丈夫であることを確認して、もう支払いも済ませてしまった後、重さが1kgをわずかに超えてしまっていることに気づき悔しい思いをしたことも一度ではない。
要するに細かいことはこの男は苦手なのである。
商売を始めた頃は少額切手で返金することもやってみたが、むちゃくちゃ手間なのですぐにやめた。
STORESのダッシュボードを見ていて、男はクーポンという機能があることに気づいた。
設定を見ると、値引き/送料無料などが選択できる。
はっ、これは使えるのではなかろうか。
男は考えた。
例えば2冊の注文を受けたが1冊文の送料で送ることが可能だった場合、このクーポンを同時に送って次回は送料無料とすれば良いのではないだろうか。
しかし、1冊分無料とか細かい設定が出来るのか。
よく分からなかったが、取りあえず試してみようと作成をしてみたのである。
で、「保存」のボタンを押したとき、なんかポップアップが出た。
消してからちょっと気になったが後の祭りである。
「なんかメールを送りますみたいなこと出てた様な気がする」
しかし、男は気にせず昼食を取りに外出した。
帰宅してみると、珍しく注文が2件も来ていた。
「あれ?送料が無料になっている」
「どういうことだ?」
みるともう1件も送料無料である。
「なに? 900円も無料になるのか??」
ここに来て、男はなんとなく察した。
どうも、クーポンというものは店主が選んだ人に配ったりするものではなく、自動で配られてしまうもののようだ。
誰に?
おそらくは今までに購入してくれた顧客にだろう。
それにしても5冊購入で、送料全額無料は困る。本は重いのだ。
とりあえず、男は設定を確認した。
- 1人1回まで
うん、これは良いだろう。
さらに使用期限を設定した。
- 11月8日まで
1冊ぶんだけ無料という設定はなかった。
男は諦めた。
これはもう仕方ない。
1000円の商品が1冊売れて、利益は250円。
180円の送料を負担しても、まだ利益は残る……70円。
クーポンは利益を出すためのものではない。
そう男は考えた。
これは宣伝費なんだ。
つみき書店を認知してもらい、今後の売上を上げるための投資なんだ。
そう、納得することにした。
でも、それだったら今までの顧客にだけ配布しても意味ないのではないか?
というわけで、下が送料無料になるクーポンコードです。
(うまく使えるのかどうかもわからないのですが、試しに使ってみてください。)
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