詰将棋入門(44) 銀のパズル

篠原昇といえば,まず思い出されるのは短篇名作選に載っていた次の図だ。

私見だが,このような好形で筋の良い好手順の作品を作る方は,棋力が無茶苦茶高い。
根拠は,ない。

今回取り上げるのは上図ではなくて,下の図。
パラで30名の誤解者を生んだというので慎重に。

篠原のぼる 詰パラ 1973.1



初手は右辺に逃がさないために,これしかないだろう。
59銀、78玉、

3手目は69銀は88玉でダメ。79銀か89銀だがまず79銀だろう。
79銀、69玉、

悩むのは次の手だ。

88銀か68銀左か。

これは正面から考えると中合された場合でわかる。
88銀に89銀と中合されると,

同飛,78玉,79飛,88玉
で飛車が浮いてしまうので失敗。

68銀左に89銀ならば

同飛,78玉,79飛,
で飛車に紐がついているので大丈夫ということだ。

実はもっと簡単に68銀左が正解とわかる裏技もある。
もし88銀が正解ならば3手目89銀でも同じなので,余詰がないという前提で却下できるのだ。
この技は解答選手権のような時間を争う場面以外では封印しておくこと。

再掲図

最後の銀も盤上に配置することになる。79銀打か89銀だが,89銀が正解。

68銀左,78玉,89銀,69玉,98銀,


先ほど68銀左とした銀をもう一度やり直して88銀とするのが面白い。

78玉、79銀、69玉、88銀、

今度は98銀が配置済なので,89銀と中合しても飛車に紐が付くという仕組みだ。

78玉、87銀直、88玉、89飛まで17手詰

誤解者は銀の中合を見逃して5手目に88銀としたらしい。
これは誤解狙いの作品ではなく,88銀を成立させるために迂回のような手順を踏むのが狙いの作品だ。
九段目の飛車には中合がでてくることは考えておく必要がある。

さて本局,捨駒が1枚もない
しかし立派に詰将棋になっている。

本作と姉妹作であろう次の作品も紹介だけしておく。

篠原のぼる 詰パラ 1969.7


※「Limit 7」の第49番に収録されています。

冒頭の作品の作意手順

31と、11玉、12銀、同玉、21角、11玉、13飛成、同銀、23桂、22玉、32角成、12玉、11桂成、同玉、21馬まで15手詰

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