詰将棋創作チョー入門(7) 第1回三手詰祭:正解発表(その2)

第1回三手詰祭の正解発表です。2回目!
まだ解いていない方はこちらから⇒三手詰祭1, pdf

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第11問 松田圭市

正解
13飛、同香、23銀不成まで3手詰

◇飛車捨ての目的は退路封鎖です。
◇これはつい最近みたなと怪しい記憶を辿ってみたら、詰将棋入門(188)の収束で宿題になっていた収束の飛合の変化で登場する形でした。
◇26香が27香だと初手から15銀で詰みます。また初手から23銀不成、13玉、12銀成は同香でギリギリ詰まないあたりも鑑賞してくださると作者は喜びます。

占魚亭 退路封鎖。

第12問 風みどり

正解
13飛、同玉、22歩成まで3手詰

◇飛車捨ての目的は13への玉の呼び込みなのですが、初手22飛でも13玉となる点がちょっと違います。22飛だと最終手22歩成ができなくて不詰。いわゆる重い攻めになってしまいます。つまり邪魔駒を残さないように捨てるという意味がある訳です。

占魚亭 21金を刺激しない攻め方。

第13問 風みどり

正解
42飛、同金、22角成まで3手詰

◇目的は退路封鎖です。
◇紐付きの捨駒なのですが、33角にアタリがかかっているのが心理的な味付けです。
◇7つも星を頂きました。ありがとうございます。★★★★★★★

貴棋 シンプルな配置で綺麗
エレーン 初手、不安な感じがする。
まつきち 初手の味が何とも言えない。
Yukina-Gi 意外な詰み上がりが面白かったです。
占魚亭 金で取ると角成、逃げると飛成まで。
AKIYA TAKAHIRO どういうわけだろう、有名な勝浦修氏『三手と五手の詰将棋』第56番を思い出した。
◇図面が欲しいです。
springs 角が取られる一瞬のスリル。下記の対比が感じられました。
・飛車を取られたら角成で詰ます
・角行を取られたら飛成で詰ます

第14問 みつかづ

正解
21飛成、同玉、22金まで3手詰

◇危険地帯への玉の呼び込み。
◇14歩は不要な駒ですが、13玉の変化を22龍まで金余りにするための配置でしょう。また51飛、55角にすれば32歩も不要になりますが、これは意見が分かれるところですね。

占魚亭 第4番の横型。

第15問 松田圭市

正解
12飛、同玉、13飛成まで3手詰

◇玉の呼び込みの捨駒です。
◇解くだけならば易しかったと思います。作者の狙いは初手の考え落ちにあります。つまり初手13飛と打てば12合駒がもらえてお得のように見えるのですが、実は初手13飛だと22玉と辛くも逃げ出せてしまうという訳です。
◇12飛で詰ませた後、「あれなぜ13飛では駄目なんだろう」と考えてもらえなかったら「簡単、次」とされてまったく評価されないというリスクを背負った作品と言うことです。★

エレーン 簡素形からの飛車短打がよい。
占魚亭 13飛成の前の下準備。合駒防止の初手。

第16問 極暖布団

正解
92飛、同龍、73金まで3手詰

◇期待のニューフェイス。夏になったらハンドルネームは変化するのかどうか興味のあるところです。
◇飛車捨ての目的は退路封鎖と守備駒移動の両天秤。82に合駒をしたら71金までなのに、それを読んでおきながら82歩の移動合だったら?と一瞬悩んだ方は私だけではないはずです。壁を利用して飛車の打場所を限定しているのも巧妙です。★★★

占魚亭 受方龍の利き逸らし。
松θ拓矢 ☖82龍の移動合の変化で悩んでしまった。
keima82 実戦だと☗73金~☗71飛としてしまいそうです。
springs 応手によって3手目が頭金/尻金と変わるのが良いと思いました。
negitarou 82の地点を封鎖したい!2手目は「同龍」が作意だと思いますが。

第17問 keima82

正解
29飛、同玉、19飛まで3手詰

◇こちらは玉の呼び込みと守備駒移動を両天秤にかけた飛車捨て。
◇19飛と数で攻めるのではなくストンと29飛が詰将棋の味です。同とならば48馬まで駒余り。

占魚亭 連続飛引き。

第18問 極暖布団

正解
53飛成、同玉、63角成まで3手詰

◇玉の呼び込み。
◇ベテラン勢の短評が「65飛成」から考えたとありますが、大勢の方が65飛成、同☖、63角成までという筋を一度は追ったことでしょう。龍に取られて「あれ?こんなはずでは…」と楽しんだはずです。
◇53はまるでエアポケットのようにそこにあるのに見えなかった方が多かったようで好評でした。★★★

占魚亭 飛・角・馬、初手にどれを動かすか。
松田圭市 初手65飛成としたくなる。難しかった。
まつきち 65飛成から考えて苦戦。今回最も好みの一局。
Yukina-Gi まさか飛をその場所に捨てるとは思いませんでした。

第19問 風みどり

正解
13飛成、同玉、12角成まで3手詰

◇玉の呼び込み目的の捨駒です。
◇33への逃げ道を見せておいて31飛成ではなく13飛成というのが作者の狙いでしょうか。(作者は自分ですが…)
◇紛れ(31飛成)と変化(33玉)が少ない駒でわりと巧くできた作品だと思っています。★★★★

占魚亭 31飛成は同銀なので注意。
十姉妹 広がっていく感じが良かったです。
エレーン 上に逃げられそうな不安感がある。
keima82 2手目逃げる方が作者様の狙いでしょうか?
松θ拓矢 ☖33玉に対する☗45角成が限定なのが良い。

第20問 みつかづ

正解
14飛、同香、25飛成まで3手詰

◇25飛では生飛なので16玉以下59角の守備範囲に逃げ込まれてしまいます。そこで飛車ではなく成飛車(=>龍)を使うために、24飛は捨てられてしまう訳です。つまりこの捨駒の目的は邪魔駒消去。今回初登場の意味付けです。★★

占魚亭 23飛を世に出す。
松田圭市 成るために邪魔という狙いが明解。
松θ拓矢 出た、実社会手筋!(←コレが言いたかった。言わせてくれてありがとうございます)
◇実社会手筋……どういう手筋でしょう?

続きはまた明日!

「詰将棋創作チョー入門(7) 第1回三手詰祭:正解発表(その2)」への2件のフィードバック

  1. たくさんの解説お疲れ様です。
    第16問ですが、2手目「同龍」かと思います。
    (細かい指摘ですいません…)

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