詰将棋入門(233) 角の捌き

上田吉一 将棋ジャーナル1983.1

手数は中編に分類されるが、解きやすさは保証します。

64とを取られたら絶望という形。
絶対の初手を入れる意味はないという方もいるが、場合によるだろう。
本局のテーマは角の捌きなのでこの手から始まる必要がある。

46角、

44玉の変化を片付けておこう。
色々な詰ませ方があるが次の順が綺麗。

   44玉、53角、34玉、25龍、

この龍をとれば35角成以下3手詰。

   33玉、24角、22玉、13角成、同玉
31角成

【変化図】

作意を進めよう。

   56玉、45角、同玉、36龍、56玉、
47龍、45玉、

角を盾にして龍から玉が逃れるスリリングな形だ。
次に46角を馬に変える。

13角成、55玉、46馬、44玉、

33玉と逃がすわけにはいかないからまた馬を開くしかない。

24馬、55玉、44龍、

24馬に合駒はできない。(45合は同龍、同玉、46金、44玉、56桂まで)
55玉に46馬では千日手。
ここで44龍の決め手が登場する。同玉なら56桂から46金まで。

   56玉、68桂、

67玉には47龍で詰んでいる。
そして最後に馬がもう一度見得を切る。

   同と、57馬、

   同玉、47龍まで21手詰

なんとも簡素な初形で「遊び尽くした」感があるのが上田吉一。
次回はさらに角だけでなく龍も捨て去るヴァージョンを紹介するので乞うご期待。

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