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メルカリで怖かったこと

公立中学校で働いていた頃の話。

誰が始めたのかしらないがあちこちに迷惑な企画で「職場体験」というものがある。
生徒にアンケートをとったら「マンガ家」というのが何人かでた。
マンガ家の知り合いがいる教員は職員室の中に一人もいなかった。

仕方が無いので、ネットで調べて、住所が近い方に端からメールしてお願いした。
なんせ予算0だから謝礼も出せない。来てもらうにしても交通費も出せない。(学校あるある)
俺にそんなメールが来たらふざけるな顔洗って出直せと思うが、世の中には奇特な方がいるものでOKをもらえた。

ただ名前も作品も知らないお方だ。(自慢じゃ無いが「キングダム」の作者名も覚えていない)
もし、描いている作品が内容的に中学生にふさわしくないものだった場合、あとから各種方面からクレームがくる。
そこでその先生の著書を何冊かamazonで購入した。(予算0だから自腹です)

読んでみて、「ちょっと中学生向きではないかな」とは思ったのだが、背に腹はかえられぬ、お願いした。
そして当日、交通費も出ないのに学校まで来てくださって、新刊をお土産にくれたり、本当に良い方だった。
今後、なんかの間違いでオイラにその手のメールが届いても、ゴミ箱直行させないでおこうと心に誓った。

それから数年後、オイラはある事情で本棚をごっそり空ける必要に迫られていた。
そしてその先生の著書も「先生、お許しください」と涙を流しながらメルカリに出品した。

だって、対象年齢的には20代女性向きの作品で、オイラが持っていたら絶対におかしいというタイプのマンガなんです。
内容はちゃんと読んで、若いのに自分を対象化して作品にまで持って行くのは並大抵の力量じゃないなと感心したのですが……生きている世界が違いすぎる!

そして、注文が来た。その先生、ご本人から。
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