たま研でフェアリー超入門

昨日、たま研で上谷直希さんの「フェアリー超入門」の講義を受けてきました。

メニューは

  • ばか詰
  • 受先
  • ばか自殺詰
  • ばか自殺ステイルメイト
  • キルケばか詰
  • アンチキルケばか詰
  • ツイン、2解
  • 透明駒

だったのですが、時間の関係で透明駒にまでは進みませんでした。
この講義を聴いて、本日の透明駒解答選手権に備えようと画策していたので残念です。

(っげげ。よくみたらルールが対面、背面、鏡、点鏡、マドラシなどとある。講義になかったものばっかりだ。)

わかりやすくて面白い講義でした。
フェアリーに手を出すのを躊躇している人は、一度聴いてみると良いと思います。
是非、動画として編集してYouTubeなどで公開すれば、フェアリスト増加に効果あり!

なるほどと感心したのは次の標語。

百聞は一創作に如かず

たしかに、詰将棋だって、創ってみて色々解ってくるものですよね。

素晴らしい作品を沢山(というほどでもないか)紹介していただきましたが、中でも感動した作品を1作紹介します。

キルケとは駒が取られると最も近い将棋の指し始め位置に戻されるというルールで、ばか詰は先手も後手も協力して最短で後手玉を詰めるというルールです。

正解は
a) 15飛、18香合、同飛/11香、同香生/28飛、29飛まで5手詰。
b) 59飛、89飛合、同飛/82飛、同飛生/28飛、98飛まで5手詰。

/mnX は同時に(m,n)に駒Xが復活したことを表しています。
最終手同玉と飛車を取ると、同時に28飛が復活するので王手を解除したことにならないので、これで詰みです。

キルケだと駒の復活位置が左右非対称なので初形が対称でも手順は対照的になるのが面白いですね。

(キルケとは『オデュッセイア』に登場する魔女の名前だそうです。子どもの頃『イーリアス』は読んだのですが、『オデュッセイア』は読んでいませんでした。やはり幅広い教養というのは必要なんだなぁ。)

さて、対面、背面、鏡、点鏡、マドラシの勉強をしなくっては。

詰将棋雑談(18) ブルータス手筋

栗原寿郎 詰パラ 1952.2

図は詰将棋入門(49)で取り上げたいわゆる「ブルータス手筋」の作品だ。

この作品については昔から疑問に思っていることがある。
それは、この作品がそんなに難解だったのだろうか?ということだ。
「ブルータス、お前もか!」と叫ぶほど、無解が集まったというのだが……。

実際に詰パラ1952年4月号を繙いてみると……
解答総数46通。不正解数57通。正解者7名とある。
どうも計算が合わないし、不詰解と誤解の区別が分からないが、とにかく正解者が少なかったのは間違いないようだ。

しかし、それでもこの作品がそんなに難解であるとは思えないのだ。
5筋から右側にまったく駒を置いていないので、心理的に11の地点は盤外という認識に陥ったのだろうか?
いやいや98角99今日という仕掛けがあるから、まさに11に打ちたくなる構図ではないか。
山田修司氏もこの配置があっては11飛を無仕掛遠打と称するのはためらうのではなかろうか。

昔の人は棋力が物凄く高かったという印象を持っている。
昔の「初段」といえば、今だったら「四段」は確実にあるというイメージだ。
実際、大井美好の延々と盤上を追いかけ回す難解作を解いているのだ。

この最遠打の利きを自ら塞ぐという発想が見えなかった?

この筋の第1号局というのならともかく、そうではない。
この作品をタイトルでは「打歩回避」と書いたが、本文では98角を54角成とする狙いと書いた。
それはもちろん私がそのようにナラティブを読み取ったからだが、底流にこの筋の完璧な表現が既に看寿にあるという想いがある。

伊藤看寿 『将棋図巧』第49番 1755

33角の66への利きが将来打歩詰を招く。
そのために、

  • 33角を99角成と捨て
  • 11角と打ち換える
  • 11角の利きを22香成で塞ぐ

という三段階の戦略で解決するという傑作だ。

この有名な作品がある以上、やはり栗原壽郎作がそれほどの難解作とは思えないのだ。

どなたか、この辺の事情を教えていただきたいと思っている。
考えているのは

  • 棋力の高い人はみな戦争に行ってしまった。
  • 長い戦争で古図式への知識が途絶えてしまっていた時期である。
  • ……

附記
『将棋図巧』第49番であるが、27手目76銀以下の余詰がある。
詰将棋博物館では24手目を歩合として43手詰の完全作としているが、これは作者の設定した作意を無視した行為で感心できない。本作は角合で得た角を4手かけて歩に変換する作意の47手詰だが、余詰がある作品であるとするべきと考える。歩合を作意にすれば作者の「作意誤設定」の完全作と見なすこともできるというのが限界であろう。谷川浩司『将棋図巧』は当然ながら、この立場で解説している。

新刊紹介:暁将棋部屋vol.5

暁塾の山本理氏が発行する不定期刊行の雑誌を購入した。


このtweetを見て、あわてて申し込んだが、あっという間に届いた。迅速対応だ。

表紙を見ただけでは内容がわからないだろうが、これが詰将棋濃度がすごく高いのだ。

詰将棋の新作が24題。フェアリーの新作が5題。解答募集されている。
当然、前号に掲載された作品の正解発表と解説もある。
坂東仁市氏の長編が21題も……あ、他に高田豊通氏との共作(懐かしいね)も解説されている。

読み物は表紙の五方のインタビュー。

その中で龍華香氏とは占魚亭氏の別名のようで、自作ベスト3が掲載されている。
しかし、ルールが

  1. 打歩ばか詰2解
  2. Andernach Isardam ばか自殺詰
  3. 成禁 AntiAndernach ばか自殺ステイルメイト(Imitator)

と超マニアック。

中村宜幹氏も自薦3作を掲載している。こちらも

  1. 「アンバーグリス」605手詰
  2. 45手詰
  3. 「ヘミオラ」207手詰

というラインナップ。

いずれも手順は掲載されているけど解説はなし。

読者がついてこれるのか、心配でなりません(^^;;。

編集の技術は正直言って素人感があふれている。(オイラも素人なのでおこがましいがご勘弁)
しかし、本を作りたい・将棋と詰将棋を愛しているという情熱がさらに山盛りにあふれている。

購入はオンラインショップakatsukiでどうぞ。

詰将棋創作講座を読む(10) 原田清実rainbow world

今回は原田清実さん。

精神論編で次の7つを挙げています。

  1. でもしか状況に追い込む
  2. 人様の作品を解く・鑑賞する
  3. 思い立ったが吉日
  4. 1週間に1作を目指す
  5. 詰将棋の会合に参加する
  6. 脊尾詰を購入する
  7. 音楽に親しむ

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詰将棋創作講座を読む(9) Chun詰将棋の杜

今回は全さんの書いた創作法を紹介します。
かつて「Chun 詰将棋の杜」というweb頁がありました。そこに書かれていた詰将棋の作り方は次のようなものでした。

  1. 狙いを決める
  2. 構図を作る
  3. 収束を作る
  4. 検討する
  5. 推敲する
  6. 検討する

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詰棋書紹介(41) 半期賞作品集


詰将棋パラダイス半期賞作品集 石沢孝治編集 1979.3.31

奥付もない。
リコピー版だ。
ただし活版が存在したわけではなく、はじめからリコピー版なのではないかと思われる。
昭和30年1月号から昭和53年12月号の42期分を収録されている。
総目録によると発行は1979.3.31らしい。
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詰将棋入門(60) 跳び込む桂馬

田辺国夫 新・王将 1954.9


11手詰。塚田賞受賞作である。
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詰将棋のルール論争(10) フェアリー

1 詰将棋の範囲

1-6 フェアリー

フェアリーとは新しい駒や盤を導入したり、ルールを変えた詰将棋のこと。

攻方最善手:玉方最善手の詰将棋に対し、玉方は最悪手(つまり自玉が最短で詰むように応手を選ぶ)に変更した「ばか詰」が有名だ。(「ばか」という単語を嫌ったのか「協力詰」という名称もある。「ばか」は悪い言葉では無いと思う。このブログの住所もkazemidori.fool.jpである。)

そのフェアリーの中には詰将棋と極めて近いものもある。
詰将棋と分けて出題や鑑賞する必要がないのではと思われるものまで。

でも、その線引きは共通理解されていない。
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「Limit7」制作備忘録(7) いただいたお便りから

公開の許可はいただいていませんので、匿名で紹介します。
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詰棋書紹介(40) 山中龍雄作品集短編百局


山中龍雄作品集短編百局 山中龍雄 全詰連1976.3.25
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詰将棋で遊びましょう