高木秀次『千早城』に登る(2)


※この連載は風みどりが1題ずつ高木秀次作品集『千早城』を読んでいくものです。

第2番  詰パラ1966.5


第1番が7手詰コンクールで優勝したので翌年も出品したようだ。
7手詰とわかっていれば、かなり易しくなるので、本作は余裕で解けた(^^)。

左辺への逃亡を見せておいて大駒に手を伸ばしたくなる心理の逆を衝いて、小駒で攻めるのが巧いところ。
2手目は54玉は65銀打、同桂で64に42角の利きが通り押さえられるというのが具体的な仕掛だ。

質駒を呼んでおいて捨駒するという手の流れは第1番と同じ。
3手目が変化を伴う気持ちよい手で本局の中心手だ。
小駒の打捨てでこれだけの効果を出すのは流石だろう。
取れる銀を動かしてそこに龍を捨てるというのは「ウムノフ」という演出。
やはり気持ちよいもの。
今回の意味付けは退路封鎖。

61桂、72歩といった余詰防止駒が目立つが大駒3枚で駒を取りながら追う筋があるので致し方ないところだろうか。

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