詰鬼人 近代将棋 1953.7
伊藤看寿も岡田秋葭も持駒に飛車があった。
これは代わりに角がある。
初手はこの一手だろう。
34角、
逃げたら金が2枚あるので、銀を1枚捨てて\((頭金)^2\)で簡単だ。
合駒読みになる。
(筆者は間駒の方が正しい派なので、もうそろそろこちらを使うかもしれない。
とりあえず予告だけしておく。)
飛角金銀桂香歩の7枚全部可能だ。
ゴーストは「銀」と囁いてくるが、地道に歩から考えよう。
23歩、24桂、13玉、14金、
以下 同玉、25銀、13玉、12金 で簡単だ。
これ、歩だけでなく香桂金飛でも同じではないか。
残りは角銀。
角銀だと、この14金を獲られて23金で詰みにならない。
角の可能性も抑えつつ、銀として進めよう。
23銀、
自然に攻めると
24桂、13玉、22銀、同玉、32金、
同銀、同桂成、同玉、
ここで持駒が「角金銀」だったら、54角から馬を作って早い。
23銀、33玉、42銀、
23銀か43銀かは試してみればすぐわかる。
23銀なら24玉と逃げられても25金で壁に寄せられる。
逆に43銀だと22銀に44玉と逃げられてこれは逃亡されてしまう。
同玉、43金、41玉、32銀成、51玉、52金まで19手詰
詰鬼人は高橋守の筆名。
長いこと詰パラの検討者を務めた方だ。
投稿用紙に余詰順と「鬼」のサインが入って返送されてきた経験を多くの人が持っているはずだ。
(「守」のサインも見た記憶が……)
2手目の局面は有馬康晴作(将棋月報1943.6)になる。
通常は2手逆算した程度で「新作」とは言えない場合が多いが、本作の場合は問題なかろう。
(寧ろ有馬康晴がなぜ角を持駒にしなかったかが不思議だ。なにか余詰と勘違いしたのだろうか。)