「構想の最前線(フロンティア)」久保紀貴

当該エントリーにも追記してあるが、ikiron先生から次のようなレスをいただいた。


ここにつけられている番号が何の番号かわからなかったが、これは久保紀貴「構想の最前線(フロンティア)」という論考で紹介されている基本手筋の番号だった。

つまりこの論考はタイトル通り最前線の打歩構想作を紹介しているのだが、その構想を分解しいくつかの基本手筋の組合せとして分析している。
その基本手筋–いわば詰将棋の原子もしくは素数–を33に分類している。
その原子番号だったという訳だ。

  1. 不成
  2. 成らせ/不成らせ
  3. 態度保留
  4. 打診
  5. 取歩駒の位置を変える(攻方)
  6. 取歩駒の位置を変える(玉方)
  7. 取歩駒の種類を変える(攻方)
  8. 取歩駒の種類を変える(玉方)
  9. 取歩駒の発生
  10. 取歩駒の非発生
  11. 取歩駒の消去
  12. 取歩駒の非消去
  13. 取歩駒の利きを止める
  14. 取歩駒の利きを通す
  15. 取歩駒のピン
  16. 取歩駒のアンピン
  17. 縛り駒の位置を変える(攻方)
  18. 縛り駒の位置を変える(玉方)
  19. 縛り駒の種類を変える(攻方)
  20. 縛り駒の種類を変える(玉方)
  21. 縛り駒の発生
  22. 縛り駒の非発生
  23. 縛り駒の消去
  24. 縛り駒の非消去
  25. 縛り駒の利きを止める
  26. 縛り駒の利きを通す
  27. 壁駒の位置を変える(攻方)
  28. 壁駒の位置を変える(玉方)
  29. 壁駒の発生
  30. 壁駒の非発生
  31. 壁駒の消去
  32. 壁駒の非消去
  33. 先打突歩

この第1章だけでも例題や作例が豊富で読み応え十分だ。
難しそうと敬遠していた方は是非入手して読んでもらいたい。

この論考はJCPSの『この詰将棋がすごい!2019』(詰棋書紹介(25))に収録されている。

この論考の先行研究としては湯村光造の歩詰手筋分類表(『詰棋めいと』第32号)が有名だ。
湯村分類との比較はまたの機会に。

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