Judge:岡本眞一郎
課題9:玉方の飛車または角の不成を含む詰将棋を創ってください。
優秀作
【第7問】はせがわ ゆ
正解 77銀、87角不成、76銀、同玉、72龍、85玉、87香、94玉、83角、93玉、71馬、同飛、92龍まで13手詰
2手目87に角を不成で捨てるのが狙いの一手で、同香は,玉が96から87に逃げられ、86銀は96玉、95龍、同飛で打歩詰になる。この狙いを使用駒盤面10枚と比較的少ない駒数で表現したこと、最後まで持駒に歩が無いことは評価が高い。
佳作
【第8問】村人A
正解 49桂、同飛不成、28金上、同角不成、48金上、同香不成、47金、同桂不成、46馬、同桂、38歩、同桂成、26銀まで13手詰
詰みの一手以外は全て捨駒で、飛・角に香・桂と不成が続いて、元?「ならずもの作家」としてはうれしい作品!
【第13問】芹田修
正解 32角上成、12玉、15飛、13桂、同飛成、同玉、14馬、22玉、32角成、12玉、24桂、同飛不成、23馬引、同飛、24桂、同飛、13歩、22玉、32歩成まで19手詰
初型が飛、角、歩2枚の対子図式が美しい、飛車の不成に桂合、馬捨と詰将棋らしい手が入って綺麗に纏まっている。
特別賞
【第16問】馬屋原剛
正解 69銀打、57玉、45と、56角不成、58銀、68玉、63龍、67角不成、69銀右、57玉、53龍、56角不成、58銀、68玉、62龍、67角不成、69銀右、57玉、51龍、56角不成、58銀、68玉、62龍、67角不成、69銀右、57玉、53龍、56角不成、58銀、68玉、63龍、67角不成、69銀右、57玉、54龍、56角不成、58歩、47玉、37と、同玉、34龍、同歩、26銀、47玉、59桂、36玉、38飛、同角不成、25角、同桂、37歩、同桂成、25銀まで53手詰
龍鋸に対し角の移動合で不成の回数を増やしている。収束あっけなく終わってしまうが、無駄な手順を省き変化も分かりやすく仕上げたところは好感がもてる。
「おもちゃ箱」に角不成応手回数記録作品(9回)として【参考図】が掲載されている。本作は角の不成が10回あるので新記録になる。
コメント
【第1問】シナトラ
本作はツインです。a)は上の出題図。b)は出題図から31の桂馬を32に動かした図です。
2つの詰手順を両方お答えください。
(註)ツインは兄弟作とは異なり2つで1つの作品です。
兄弟作は形は似ているのに全然異なる詰手順を楽しむ物。
ツインは2つの詰手順で1つの主張を表現する物です。
正解 24銀成、同飛不成、45角、同金、35歩、同金、33銀成まで7手詰
b) 25金、同角不成、45金、同金、35歩、同金、43銀不成まで7手詰
今回は桂の位置の違いでだけで、飛と角の不成を演出している。
前回(課題6)は違う場所で打ち歩詰の不成が現れるが、今回は同じ場所で打ち歩詰の不成という違いがある。
【第2問】沙雪海都
正解 25金、同飛不成、24馬、同飛、16歩、25玉、35馬まで7手詰
35金が邪魔齣で飛車の基本的な不成だが、配置に重複感がある。
紛れは無くなるが、詰め方37香を追加すると44馬と32香は省略でき、23馬を13馬にすると21桂も省略できる。
【第3問】風みどり
正解 25桂、同飛不成、22銀不成、同飛、23桂成、同飛、14歩、22玉、31龍まで9手詰
25桂、同飛は、前作と似た飛車の不成たが、飛車を近づけて質駒にするのが目的、以後22銀、23桂成と捨駒が続いて駒数も少なく初心者には絶好の作品。
【第4問】風みどり
正解 26金、同角不成、27桂、同飛不成、24龍、同歩、16歩、25玉、33歩成まで9手詰
飛と角の不成は取りあえず駒を進めてみると双玉は手順前後の防ぐためと分かる、24龍は25銀が浮き駒になるので指しにくい。最終手33歩成として初手の意味が分かって納得する。
【第5問】松田圭市
正解 36飛、同銀不成、55角、44桂、同角、同角不成、45桂、同銀、34歩、同銀、32銀成まで11手詰
角の不成の他に桂合や銀が不成として34まで戻るところなど易しいながら解いて楽しい作品。
【第6問】武田裕貴
正解 54桂、同角不成、52銀、62玉、73歩成、同角、64龍、同角、63歩、73玉、83馬まで11手詰
54桂は角を質駒にするためで飛車と角の違いはあるが第3番と捨駒の目的は同じ。また、52銀、62玉となったところは第5番と似た駒の配置になっているが、打歩詰を打開する方法が第5番は打歩を取らせるために守備駒を移動させているが、本作は打歩に玉の逃げ道を作るために守備駒を移動させているところに違いがある。比較すると興味深い。
【第9問】negitarou
正解 35金、55玉、75飛、同角不成、67銀、57歩、同香、同角不成、54金、同玉、55歩、同玉、56銀、66玉、58桂まで15手詰
飛車捨てを入れて角の不成を2回にしたのは評価できるし,54金で桂を入手するのも実戦的で発見しづらかったが、桂の入手は参考図2のような方法もある。
参考図の作意
35金、55玉、64銀不成、同玉、63桂成、55玉、75飛、同角不成、67銀、57歩、同香、同角不成、44銀不成、同桂、56歩、同桂、同銀、66玉、58桂まで19手詰
【第10問】keima82
正解 27飛、同角不成、37桂、同香成、26歩、35玉、46銀、同銀、45飛、同角成、27桂、同成香、36歩、同馬、44角成まで15手詰
角の不成より収束の連続捨駒が気持ちいい手順、
【第11問】松田圭市(2)
正解 59飛、49銀、同飛、同歩成、18銀、同玉、19金、17玉、29桂、同飛不成、16金、同玉、17歩、同玉、18歩、16玉、15金まで17手詰
飛車の不成から創作したと推測できるが、逆算で序に銀合、銀捨を入れたのは手慣れている。
【第12問】negitarou(2)
正解 41銀打、42玉、43桂成、同玉、52銀打、54玉、56香、同角不成、55銀、45玉、46歩、36玉、37金、35玉、36金、34玉、25金、23玉、22とまで19手詰
19手で角の不成1回だけではちょっと物足りない、第9番のように捨駒や合駒などを入れたい。
【第14問】negitarou(3)
正解 44金、64玉、56桂、同香、55金、同角不成、同銀、同玉、25飛、66玉、55角、76玉、77歩、85玉、76角、96玉、87角、85玉、97桂、94玉、76角まで21手詰
角の不成の意味づけが第9番、第12番と異なっているところに工夫の跡がうかがえるが、やはり不成の他に捨駒等を入れたい。
【第15問】ミーナ
正解 22銀、42玉、33銀成、同金、53角成、51玉、63桂、同飛不成、61と、同飛、63桂、同飛引不成、52馬、同玉、63香成、同飛、64桂、同飛、53歩、42玉、52飛、31玉、21馬、同玉、12歩成、31玉、22とまで27手詰
6筋の2枚の飛車の配置で飛車の不成が想定できる、玉を中央に追っていくと想定どおり飛車の不成が現れ収束に馬捨も入り上手くまとまっている。
【第17問】あとれい
正解 54桂、46飛、28金、同と、同銀、38玉、92馬、47飛不成、39銀、37玉、82馬、46飛不成、28銀、38玉、83馬、47飛不成、39銀、37玉、73馬、46飛不成、28銀、38玉、74馬、47飛不成、39銀、37玉、64馬、46飛不成、28銀、38玉、65馬、47飛不成、39銀、37玉、55馬、46金、28角、26玉、44馬、25玉、24銀成、同玉、46角、同飛成、25歩、同玉、26歩、24玉、34金、13玉、22馬、同玉、33銀、13玉、24金まで55手詰
馬鋸に対して飛車移動合の不成で不成の回数を増やしていて、前作と対になるような作品。
「おもちゃ箱」には飛不成応手回数記録作品(20回)として馬鋸が往復する参考図が掲載されている。
解説ありがとうございました。
ここに書くことじゃないんですが、
「詰将棋サロン名作選」を見ていて、
作者索引に「岡本真一郎」と「岡本眞一郎」がいるんですね。
で、出題のページをみると、どちらも「岡本眞一郎」になってる。なんだか不思議なので、書いてみました。
5ページの 凡例に
作者名の表記(新旧字など)についても、掲載時のままとした。
とありますので、索引では、岡本氏の場合は、これに従ったということでしょう。(「詰将棋の欠片」記載による)
しかし、索引が凡例に従っていないと思われるのを、2件みつけました。「小峯秀夫」氏「山中龍雄」氏。(「詰将棋の欠片」記載によれば掲載時は「峰」「竜」)
みなさん細かく読み込んでいるのですね。
私の読みだと『詰将棋サロン名作選』は重版かかると思いますから、會場さんにメールするかしてあげると良いかと思います。凄く忙しそうなので、この頁を読んでいない可能性が高いと思われますので。
解説いただきありがとうございました。
【第9問】の参考図も拝見しました。
桂馬の二段跳ねもありますし、桂馬の配置にちゃんと意味がありますね。
勉強になります。今後に活かしたいと思います。