詰将棋創作チョー入門(9) 第1回三手詰祭:正解発表(その4)

第1回三手詰祭の正解発表4回目です。
まだ解いていない方はこちらから⇒三手詰祭1, pdf

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第31問 風みどり

正解
32飛、同金、51角成まで3手詰

◇第15問と同じ短打の飛車捨てを狙ったものです。
◇捨駒の目的は玉の呼び込みと守備駒を移動して攻方線駒の利きを通すの両天秤です。

keima82 実戦でも出てきそうです。
占魚亭 33へは行かせない。玉で取ると飛成、金で取ると角成。

第32問 松田圭市

正解
31飛成、同龍、23桂まで3手詰

◇守備駒を移動して利きを外す目的の捨駒です。
◇先に23桂だと、同龍、31飛成、21歩合、同桂成、同角で詰みません。初手21飛成に21合駒なら22桂成があるという仕掛です。★

占魚亭 王手龍がかかった詰み形は珍しいかも。
keima82 不成では詰まなくなっており、玉方の応手も限定されていて自分の好みです。

第33問 松田圭市

正解
31飛、同銀、21角成まで3手詰

◇第26問と同じような手順構成ですが、手の意味は違います。
◇こちらは成場所を確保するための離し打ちで、結果的に守備駒が移動し攻方線駒の利きが通るという仕組みです。21飛では12玉で際どく逃れるというのが発想の原点ですね。

占魚亭 香の利きを通すための犠打(その2)。
keima82 ☖41歩と☖25銀はできるなら置きたくなかっただろうなと推察されます。

第34問 風みどり

正解
43飛、同馬、35馬まで3手詰

◇玉の呼び込みと守備駒を移動して攻方線駒の利きを通す目的を両天秤にかけています。

keima82 ☖42桂は余詰と変同を両方消していて、個人的には好みの配置です。ですが、風みどり様は変同好きなので、本当は置きたくなかったのでは、と予想してみます。

◇keima82さんの予想通り、42桂は置きたくない駒でした。ただ、世間に誤解されているように私が変同が好きなためではなく、初手42飛や41飛という紛れを消してしまっているためです。ちなみに本作の元の作品にはちゃんと変同があります(^^;;;(いっこの積木81)

占魚亭 尻に一発。

第35問 keima82

正解
56飛打、同桂、63飛成まで3手詰

◇退路封鎖目的の飛車捨てです。
◇退路を塞いだら今度は44という退路が空いてしまうように見えるのが巧いところです。
◇62歩は初手から65飛打、54玉、63飛成の余詰を消した配置。53歩なども考えられますが、初手53飛と打つ紛れや、最終手わざわざ歩頭になる味などを考えて62歩を選んだのでしょう。★★★

まつきち 詰めにくい味がありました。
けんすー 一番不利っぽい場所に打つのが正解なのが詰将棋って面白いなと思います。
占魚亭 玉頭を塞いでから開く。63飛成はひと目だけれど、気持ちのいい一手。

第36問 風みどり

正解
23飛、同角、25龍まで3手詰

◇27玉は許せませんから飛車を打つ一手。しかし25飛では16玉で46龍にも36歩合で全然詰みません。16玉に25飛成とできるように可成地帯に飛車を打たなければいけません。そこで23飛ですが、これが結果的に捨駒になり、守備駒を移動して攻方線駒の利きを通すことになりました。
◇2手目16玉も15玉も35玉も36玉もすべて変同…。これでは変同好きと誤解されても仕方ないかもしれません。★★★★★★

貴棋 これは、取るしかない。
占魚亭 龍の横利きを通すための犠打。
松θ拓矢 課題的な意味で紛れが一番多いかも。
springs この初手を盤面7枚で作れるのですね。
エレーン 3手と知らなければ初手がちょっと見えにくそう。
keima82 絶妙な位置の限定打。協力詰みたいな手順ですが、ちゃんと成立しているんですね…。上手い。

第37問 松田圭市

正解
15飛、同飛、21桂成まで3手詰

◇21桂成で詰んでいますが、33桂を動かすことは35飛の利きに王を晒すことになり禁手です。これを33桂がピンされているといいます。飛車捨ての目的は玉方線駒を移動させ攻方の駒をアンピンすることでした。★★

占魚亭 ピンを解除。
貴棋 飛車筋消去飛車
高橋美鈴 2一桂成としたいのに飛車の効きで自玉が詰んでしまうとは。なるほど、飛車筋をそらす初手ですか。

第38問 松田圭市

正解
23飛成、同桂、11角成まで3手詰

◇第37問と似ていますがアンピンの方法が異なります。
◇初手飛車捨ての目的は守備駒を移動することによって玉方線駒の利きを塞ぐことでした。23桂が21香の利きを止めるので22角がアンピンされる訳です。★★★

占魚亭 角を成るために香の利きを塞ぐ盾を設置。
AKIYA TAKAHIRO 余詰消しの13桂の使い方に納得。勉強になります。
keima82 3手とも紛れ・変化の一切ない「一直線詰将棋」になっていますね。
松θ拓矢 一見タダで取れそうな桂を敢えて逃がす感覚が面白い。よく見たら紛れ・変化が一切ない詰む将棋になっている。

◇お二方の短評の意味は22角を動かすのが禁手だと知っていれば、初手は23飛成しかない。応手も同桂以外にない。3手目も王手は11角成しかなく、将棋のルールを知っている方には誰にでも解ける親切設計になっていると言うことです。
◇これは一本道詰将棋と呼ばれており、現在はなんと55手もの長編作品が創作されています。誰にでも解けますので是非挑戦してみてください。(詰棋猫「ダイアモンド」via.詰パラ)

第39問 みつかづ

正解
12飛成、同銀、22飛成まで3手詰

◇守備駒を移動して利きを外すための捨駒です。★

タツ みつかづさんの作品が実戦的で一番気に入りました。実戦でも☗12飛成の飛車捨てを指してみたいものです。☖24玉に☗35飛成の変化を読み切れないと☗12飛成が指せないため、とても面白かったです。
まつきち 変化を駒余りにするためだけの駒配置は好きになれません。
keima82 ☖35歩は置かない人もいると思いますが、自分は断然置く派です。みつかづさんはできる限り手順を限定させたい方だと思うので、こういったところは意見が一致すると思います。

◇私が気になるのは35歩もそうですが、11銀です。

占魚亭 一石二鳥の初手。

◇なぜ一石二鳥かと感じるかというと22飛車には32の飛車が成る場所を占有しているといういわば邪魔駒性(?)があるからです。具体的にはこの作品は11銀でなく11香で成立しています。11香ならば捨駒の目的は邪魔駒消去になります。守備駒の利きを外す目的より三手詰では珍しく面白い狙いだと思います。では作者のみつかづさんはなぜ11銀にしたのか。それはおそらく12香では初手12飛不成が成立してしまうので、作者は12銀を選んだのでしょう。
◇しかしこれは老人の感覚では「角を矯めて牛を殺す」ように感じます。風みどりは11香-35歩なしの図が好きですね。

第40問 風みどり

正解
48飛、同龍、36金(角)まで3手詰

◇初手は玉方線駒の利きを塞ぐ目的と守備駒を移動して利きを外す目的を両天秤にした捨駒です。
38龍が36の地点と78の地点を両方守っているので、どちらかにしろと選択を迫る訳です。
◇第44問の松田さんと盛大にぶつかってしまいました。短編の名手と衝突するなんて誇らしいです。★★★

十姉妹 守備駒がよく利いていて大変でした。
松θ拓矢 36角と78角を見合いにする限定打。
占魚亭 受方龍の利き逸らしと変化に対応するための初手。49飛だと46歩合(桂・香も可)で逃れ。
keima82 44番や2月課題の第2問収束と衝突。自分はあまり見たことなかったのですが、有名な筋なのでしょうか?

◇看寿にもあります。(図巧#008)

いよいよ明日が最終回!

「詰将棋創作チョー入門(9) 第1回三手詰祭:正解発表(その4)」への2件のフィードバック

  1. 第39問、玉方1一銀を香にするか、玉方3五歩を置くかどうかはかなり迷いました。
    私の好みでは玉方1一香で意味付けを邪魔駒消去にするなのですが、今回の3手詰祭りは創作初心者の方が見に来られる事が事前に予想出来てましたので、極力手順完全にするべく銀に決めました。

    風みどりさんやkeima82さんには、私の心の内は全てお見通しですね(笑)。参りました。

  2. なるほど解答者層まで考慮しての判断でしたか。すばらしいです。
    私は初心者に配慮するべきはソコではないとの考えを持っています。
    子どもはけっこうタフな生き物なので信じてほうっておけば勝手にどんどん成長します。多少の矛盾は丸呑みします。
    ルールの判断で悩むのは歳とってから入門する方かもしれませんね。

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