課題31:持駒趣向の詰将棋を作ってください。
持駒に何らかの趣向を凝らした作品です。
一番数が多いのは「持駒金4」でしょうか。
試みにT-Baseで検索してみたら次のようになりました。
持駒 | 作品数 |
金4 | 748 |
銀4 | 443 |
桂4 | 277 |
香4 | 138 |
飛2角2 | 151 |
金4銀4 | 56 |
歩18 | 54 |
7色 | 56 |
筆者の詰将棋の師匠である田宮克哉師父の教えでは「世の中にまったく同じ物は存在しない」ので持駒金金は必然的に手順前後を含むことになる。したがって可能ならば持駒金銀にするべしということでした。
それならば持駒金4は24通りの手順前後を含んでしまうことになりますが、今月はそれは気にしないことにしましょう(^^)。
- 手数制限はありません。
- 未発表作に限ります。
- 投稿先はkazemidori+kadai@gmail.com。
- 締切は6月29日(木)
- Judgeは未定さんです
例題1 新田道雄 将棋ジャーナル1982.2
持駒の金4はすべて使い切り、盤面に跡を残さないのがいい感じですね。
例題2 山村浩太郎 将棋ジャ-ナル1981.11
狭い所で銀4枚を使い切っています。1枚は残りますが、打った後動いているのが好印象。
持駒趣向はついつい打捨て主体になりがちですよね。
例題3 北原義治 近代将棋1974.4
飛角図式とのダブル趣向。本作も桂馬が最終図には跡形もありません。
例題4 秋元龍司 近代将棋1976.9
限定打4連発!その後1手で詰上がるのも完璧です。
例題5 山田剛 将棋ジャ-ナル1988.6
2021年11月の掲示板特典小冊子【持駒飛角4枚】には88局収録しました。
例題6 谷川浩司『月下推敲』第60番 近代将棋1998.10
看寿賞も受賞した本作が一番有名ですが、谷川名人はこの金持図式がお気に入りのようで、第70番、第85番も同じ趣向です。
例題7 原田清実「やおい」詰パラ1998.5
作品名「やおい」は今ではBLとよばれるものだが、おそらく「ヤマなし・オチなし・イミなし」という自虐であろう。一直線に持駒歩18の実現を目指した作品。
例題8 谷川浩司『月下推敲』第59番 詰パラ1994.11
作者の言葉を引用する。
原図はこの図面(略)。中学生の頃創ったと思われるが、詰将棋といえる代物ではなく、これが持駒一式に仕上がるとは夢にも思わなかった。どんなにつまらない素材でも、図面に残しておけば良いことがある。
自分自身の予想以上に創作技術は向上していく。
だから半端な作品をtwitterに放流したり、スマホ詰パラで発表してしまうのは勿体ないなと思うことがある。創作ノートに残しておけば、将来名作に発展するかも知れないのに!
「未発表作」とあるけれどtwitterで流した作品はダメですかと質問がありました。
昨今はtwitterも既発表とする風潮ですが、つみき書店はそんなに厳しくしても仕方ないのでインプレッション3桁まではOKとします。(1000を超えていたら既発表扱い)
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