詰将棋つくってみた(146) 課題31:結果発表(その1)

課題31への解答ありがとうございました。

今回の課題は「持駒趣向」でした。

課題31:持駒趣向の詰将棋を作ってください。

今回はJudgeの召喚に失敗したので、申し訳ありませんが作家向けのコメントはなしです。
(この企画は創作を志す方向けなのでホント申し訳ありませんが、実際にはベテラン作家も多いのでOKということにしてください)
詰将棋入門風に解けなかった解答者向けにダラダラと書いていきます。

まだ挑戦していない方はこちらからどうぞ課題31.pdf

~11手詰

第1問 不透明人間 隅2

正解
24銀、同龍、32銀、同金、14銀、12玉、
23銀成、同玉、12銀まで9手詰

RINTARO 幕開けにふさわしい。
占魚亭 3手目がポイントでしょうか。
石川和彦 やさしいながら手順前後に注意
松崎一郎 う-ん、銀打ち24、32どっちが先。
まつきち トップに相応しい軽快な打ち捨てモノ。
久保紀貴 ぴったり4枚。うまく使い切っている。
negitarou 初手から「2四銀」と「3二銀」で迷う。
松澤成俊 初手が見えればあとは定跡手順の邪魔駒消去
竹中健一 飛が突然邪魔駒に変わるのが不思議ですよね。

★32を埋めて12飛を消去して12銀までという筋が見える。しかし14銀では24玉と上がられて15から逃げ出されてしまう。先に24を埋めておく必要があることに気づけば解決だ。
★24銀に同玉は33銀で詰む。この変化で先に32銀の手順前後はできないようになっているのが上手い。

第2問 井頭桜花

正解
15銀、同桂、25銀、同桂、35銀、同桂、
64飛、同馬、33銀まで9手詰

松崎一郎 淀みない手順。
石川和彦 押し相撲の電車道の感じ
RINTARO 手順の一貫性がいいです。
松澤成俊 31とは仕方ないのだろうか?
negitarou 桂馬の壁をつくって退路を封鎖!
竹中健一 この手順なら銀4枚とも捨てたかった。
ぎょうざパン 3枚の桂を順に跳ねさせる手順、面白いですね。
久保紀貴 5段目を右から封鎖する3連続銀捨てが面白い。
まつきち 趣向的な打ち捨てで退路封鎖。31とは苦心の配置?
占魚亭 銀3連捨てで桂を呼んで玉頭を塞ぐ流れが気持ちいい。

★玉のフロント3箇所を埋めて飛車を五段目から動かせるようにしたい。では捨てる順番は?飛車から遠い場所からというのが常識的な線だ。しかしその後飛車を綺麗に消したので解答者は満足感を得た。
★31との配置におふたかたが引っかかった。31とがないと初手から23馬や33銀、13馬(!)の余詰。なにしろ持駒が強力なのだ。右上でまとめようとしたら31とのような守備駒が必要になる。オイラだったら平行移動して参考図のようにするだろう。

★4銀捨てにすることも可能と思うが、それは作者にお任せしよう。

第3問 negitarou

正解
12金、同玉、23金、同歩、22金、同玉、
32歩成、同玉、33金、21玉、22金まで11手詰

竹中健一 金持ちの浪費?
ぎょうざパン 両王手を目指して。
松崎一郎 さらさらと手が進む、
占魚亭 開き王手が出来る形を作る。
RINTARO 4×4はいいんですが、3手収束がなぁ。
石川和彦 紛れが少ないので22銀+43銀 も一策か。
negitarou 自作。短手数でシンプルな配置を目指しました。
久保紀貴 シンプルだが捨駒主体でちゃんとまとまっている。
空貴人 玉の後ろの駒が、全体的に前に出てくる感じが不思議
松澤成俊 この手順でさいご3手かけて詰めるのはとてつもなく緩くおもえるが(笑)
まつきち 気持の良い3連金捨てだが、収束は1番や2番の9手のようなまとめ方が出来れば良かった。

★これは12金~23金と攻めていくしかないので皆さん正解したと思う。
★41とはいかにもな余詰防ぎ。41銀では初手から32金と抛り込んで詰んでしまう。しかしどうせ初手32金を考える人はいないのだから初形21玉ではなく11玉としておけば41銀でも41歩でも事足りる。おそらく作者は11玉にすれば持駒「金3歩」でもよいということを気にされたのだろう。オイラだったら気にしないで初形を可愛らしくしてごまかすかなぁ。

第4問 芹田修

正解
44金、同桂、34金、同桂、43金、同馬、
24金、同歩、13飛成、23香、22龍まで11手詰

石川和彦 屋根を作って狙いの43金
松崎一郎 戻り馬、かえって邪魔駒に。
松澤成俊 芹田さんとしては珍しい3手収束
RINTARO 4金打ち捨て。収束は致し方なしですか。
竹中健一 持駒の4枚全部捨て駒なのがうまいですね。
まつきち 打ち捨ては単調になりがちだが、43金が破調の妙手。
ぎょうざパン 桂跳ねに上部脱出と飛を通す2つの意味があるのですね。
占魚亭 手順前後に要注意。24金が先だと13飛成に金合で逃れる仕掛け。
久保紀貴 2番と似た面白さだが、こちらは4枚を使い切って飛2枚での面白い収束。流石にめちゃくちゃうまい

★2番と同様に玉の頭を塞いで14飛を三段目に活用しようという狙いのようだ。14飛から遠い方から埋めていくのも、まずは常識的な手順。しかし現状で二段目が埋まっているので初手43金や53飛成といった紛れがある。44金からだろうと思いつつ同桂で32が空いてしまうという不安感がある。続いて34金にも32玉の変化がある。そして24金の前に43金という逃路封鎖が巧い手。詰上りもまったく駒に無駄がなく(かぶり?)小品ながら芹田ブランドに恥じない作品に仕上がっている。

第5問 マンダリンピエロ

正解
37銀、39玉、48銀打、29玉、38銀、19玉、
28銀打、同龍、同銀、同玉、18飛まで11手詰

占魚亭 4銀連打。俗っぽい手順。
RINTARO 最終手余詰が気になります。
松崎一郎 二枚角が、じっと睨みを利かしてる。
まつきち 初手は37銀しかないのですが、時間切れ
竹中健一 これは攻め駒渋滞してしまっていて捌けずに残念。
松澤成俊 狙いは何?あっ持ち駒趣向でしたね(笑)ところで49桂の意味は何?
negitarou 二手目の選択肢が多くて悩みました。三手目・2八銀打だと不詰なんですね。
久保紀貴 ちょっと平凡な手順に感じるが、4銀を連打する序は4銀詰のような味がある。

★自玉に王手がかかっているので初手は37銀が必然。同龍は同角で良いとして、逃げ方が19、29、39と3通りもある。解答者はそれだけで難しく感じてしまう。実は順番に地道に潰していけばさほど難しくは無いのだが……。19玉は28銀打から飛車を入手して早い。29玉は38銀、19玉以下銀が余る。
★この変化で有力解答者を見事に沈めたが、作意自体は銀をベタ打ちして飛車を剥がすだけに終わってしまった。創作初期は「持駒趣向」などを考えずに、とにかく面白い手順を紡ぎ出すことに力を注いでほしい。じゃぁなんで「持駒趣向」なんて課題を出すんだと言われると返す言葉はないのだが……。つまりオイラが悪いんです。
★49桂の配置に疑問が出されたが、おそらく創作途中では必要駒だったのがいつのまにか不要駒になったものだろう。投稿前にそれぞれの駒配置の意味を再確認することは良いことだ。(それで「あれ?この駒不要じゃね」とはずして投稿したら余詰だったという経験は古い方なら誰しもお持ちだろう)
★ついでに68金の意味を推理すると3手目28銀打の余詰を防いだものと思われる。49玉に85角成で詰んでしまう。ということは角が成れないようにすれば68金は不要になる。ということで次のような参考図はいかがだろうか。

※今夜はもう遅くなってしまったので、続きはまた!

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