詰将棋つくってみた(147) 課題31:結果発表(その2)

つづきです。
今日は何番までいけるかな!?

第6問 negitarou

正解
14香、同玉、15香、同玉、27桂、14玉、
15香、同銀、25角引成、13玉、14香まで11手詰

negitarou 自作。連続短打が狙いです。
松崎一郎 手なりで進む。
松澤成俊 これでは詰む将棋の域を越えていない
竹中健一 ほぼ一本道なのが残念ですね。
ぎょうざパン 持ち駒香4は作るのが難しそうですね。
まつきち 持駒香4枚は創作難度が高いと思いますが、やや単調になったか。
RINTARO 回文的詰将棋でいいと思います。
占魚亭 ほぼ一本道だが還元玉で詰上り、解後感は悪くない。
久保紀貴 ちょっと重い詰上がりや出番待ちの桂など気になるが、4香を14,15で使い切るのは結構大変だと思う。成立ロジックを組み立てた作者に拍手。

★短評にもあるが「持駒歩18」は別格として「持駒香4」は創作が難しく作品数も少ない。(課題31:持駒趣向を参照のこと)
★その「持駒香4」に果敢に挑戦した作者の姿勢(実際には金銀桂香を揃えた)をまずは褒め称えるべきだろう。
★作者のいう「連続短打」とは冒頭の3手–14香~15香–のことだろう。15香は他に打てないから短打というのは憚れる。しかし15香~14香では何故詰まないかという点は解答者に鑑賞して貰いたい苦心したところに違いない。
★先に15香では同銀、14香、24玉でギリギリ逃げられる。以下34角成、同金、同金、14玉、25金、13玉、14香、22玉だ。

~17手詰

第7問 川蝉

正解
29金、同玉、38銀、同玉、47銀、48玉、
58金、39玉、29金、同玉、38銀打、28玉、
19銀、同玉、29金まで15手詰

松崎一郎 還元玉。
ぎょうざパン 6手目の逃げ方、迷いました。
占魚亭 軸となる駒を設置したら、後は簡単。
竹中健一 初手18金からだと詰まないのが不思議。
松澤成俊 むりやり引っ張り出して拠点をすえる強引な手順
RINTARO 持駒金4銀4の収穫。収束の変同が惜しいです。
まつきち この好形は鑑賞向けだが、見ただけで最長手順探しと思ってしまうので解図意欲が湧きません。

★金銀全部持っている所謂「金持ち図式」。創る方からは挑戦したくなる課題かもしれないが、解く側からすればあまり嬉しくない。本図は初形がスッキリしているので解図欲が(比較的)湧く。
★18金から27銀と拠点を作りたいが、以下19玉、18金、29玉、38銀打、39玉で49金が打てないので失敗する。
★とすれば29金~38銀~47銀と拠点を構築する以外にない。4手目39玉の変化は上の紛れと持駒が2枚も違うので詰む。
★47銀と据えてしまえば後は並べ詰み。といっても逃げ方が5通りもあって手間がかかる。現在は変別×なので、解答者には緊張を強いられる。下の動く将棋盤にすべての変化を入れておいたので、熱心家は確認されたし。
★作意は29金や19銀と小技が登場する順だが、6手目49玉以下の順を答えても正解である。(この順は余詰があるので作意にはなれない)

第8問 不透明人間 隅ワ

正解
22角成、同銀引、11金、同銀、同桂成、同玉、
21金、12玉、11金打、同角、23金、21玉、
12金、同玉、21銀まで15手詰

松崎一郎 詰め上り「ワ」。
占魚亭 軽快で心地よい手順の田舎曲詰。
RINTARO 持駒金4までうまく逆算したと思います。
竹中健一 11金打と捨てておいて21金を消去するのがうまいですね。
negitarou 3筋の壁を残しておくのが肝要!、13手目の感触が好きです。
まつきち 11を塞いで21銀の詰みを目指す。田舎のあぶり出しは前の課題の産物か。
松澤成俊 一度打った金(21)を穴ぼこ(11)埋めた後あっさり消去する手順がうまい
久保紀貴 剥がし趣向かと思ったが、1枚剥がした後は方針転換。急に綺麗な手筋で収束した。

★第1番と邪魔駒を消去して銀までという収束は同じ。こちらの方があとで邪魔駒となる21金を手順の中で打つところが高級だ。第1番の発展形かと思ったら作者によると最近twitterで流れていた図を逆算したものだという。

★ちょっと悩んだが黄楊さんの図にも次のような先行作品がある。不透明人間作は初手の空成が入ったのでかろうじて新作と判断した。易しい作品がほしかったという大人の事情も大きかったかも。

第9問 シナトラ b)持駒金銀 c)持駒飛角

正解
a) 58桂、45玉、46香、54玉、66桂まで5手詰
b) 35銀、45玉、46金、54玉、55金、同玉、
 56飛、45玉、46銀、44玉、55銀、45玉、
 46飛、55玉、56金、54玉、65金まで17手詰
c) 13角、35歩、66飛、45玉、35角成、54玉、
 53馬、同玉、63飛成、42玉、33金、51玉、
 52歩、同飛、同龍、同玉、32飛、53玉、
 42飛成、54玉、43龍、55玉、56香まで23手詰

松崎一郎 持駒は、強い駒ほど手数が掛かる?
占魚亭 三つ子図式。3つの中では(b)が好み。
RINTARO 三つ子図式。トリプレットというんですか。
★トリプレットというかどうかは知りません。詳しい方コメントください。

松澤成俊 持ち駒かえて3種類が駒余りにならずに詰むのは面白い
negitarou (c) が解けませんでした。持駒・大駒だけの方が詰ましにくいのは不思議な感じです。
久保紀貴 手順はこれで合っているのか不安になるくらいだが、形式は面白い。内容も兼ねられるような図は果たしてありうるのだろうか。
竹中健一 こちらは3作でということだと思うけど持駒趣向とは言えない気がする。作品は2番目は良いけど1と3はイマイチな手順と思います。
ぎょうざパン a並べ詰みですが、最終手桂跳ねが気持ち良いですね。b67の金が働くところは上手いですね。c解けませんでした)この問題で手間取りました。

★同じ配置で持駒が変わっても完全作になっている。しかも持駒にかぶりがなく綺麗な持駒趣向になっている。これだけで超絶技巧と感心してしまい額に入れて飾っておきたくなるのだが、解答者の反応はあまり熱量を感じられないものだった。
★オイラ自身も古い人間なので、詰将棋は「面白い手順を表現するもの」と考えている。しかし条件や記録のクリアや形式美を追求して作図を楽しむのも、詰将棋の遊び方の一つであることは間違いない。いろんな遊び方があって良い。

第10問 RINTARO

正解
14飛、13歩、11飛、同玉、33角、12玉、
21角、23玉、24角成、22玉、13飛成、21玉、
22歩、31玉、11龍、32玉、21龍まで17手詰

石川和彦 じっとこらえて33角
松崎一郎 5手目、淡々と33角。
ぎょうざパン 5手目、角打ちが盲点でした。
松澤成俊 この形で手順が限定され余詰めがなければ良い発見
占魚亭 やさしい無仕掛け。33角と打てれば、後はラクラク。
竹中健一 合駒読みもシンプルだし、何より盤面がシンプルで良いですね。
久保紀貴 この配置この持駒からこれだけ綺麗な順が紡ぎだせたなら大成功と思う。

★使用駒7枚。(『Limit7』に収録できる!)非売品の『スッキリ無仕掛図式』にも収録したい好作だ。
★無仕掛作品で一番多いのは桂馬で手掛かりを作るタイプ。本作には持駒に桂はない。これは次に多い飛車または角で手掛かりを作るタイプだ。ただし角は桂馬とセットで使うことが多い。繰り返すが持駒に桂はない。
★ということは2枚飛車があるので、玉をサンドウィッチし一間龍に持っていく形に見える。14飛、13歩合、11飛、同玉、13飛成という筋だ。間駒は33角から22角成を防いで金か飛車ということが多い。12金合ならば33角、21玉、12龍、同玉、21角、同玉、22金までで綺麗に詰む。いや歩が余るから飛合か?飛車だと22飛と打って角も歩も余る。
★なんと13飛成には間駒せずに21玉と躱して詰まないのだ。

★13飛成を焦らずに、先に33角と打つのが好手。22間駒は13飛成で簡単だから12玉と躱すが21角が止めの好手であとは追い詰めだ。
★途中24角成を13の間駒で獲られたらどうするのかと心配される方もいらっしゃるかもしれない。その間駒は具体的には金か銀なので、その場合は5手目13飛成で21玉に獲った駒を22から打てばよろしい。
★12手目31玉には32角成、同玉、23馬以下歩が余る。14手目32玉は23馬なら駒が余らないが33龍以下で桂が余る。したがって12手目は31玉が正しい応手。

※今日は日曜日なので(?)、ここまで。まだまだ続きます。

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