詰将棋つくってみた(167)
 課題36:リピート趣向

課題36:同一手順を2回以上繰り返す詰将棋を作ってください。

 同一手順の定義はいたしません。解いたときに大塚愛「さくらんぼ」の「モーイッカイ」が頭の中に響いたらOKです。例によって課題に適合しているかの判定は風みどりの独断でいたします。

 ときおり、50手を超える長編作が投稿されることがあります。「詰将棋つくってみた」はアンデパンダンの精神で運営していますので、「解答者へるかもなぁ」と思っても迷わず掲載してきました。今回は開き直って長編作が集まりそうな課題です。繰り返し趣向に挑戦してみたけれど、ちょっと専門誌には投稿できないレベルのかなぁ…でも自作には間違いないし発表して感想を聞いてみたいという作品を抱えている貴方、遠慮なく投稿してください(^^)。

 もちろん解答者の健康のためにも、短篇作を期待していますのでお間違えなく。

  • 手数制限はありません。
  • 未発表作に限ります。
  • 投稿先はkazemidori+kadai@gmail.com
  • 締切は11月29日(水)
  • Judgeは井上徹也さんです

例題を見ていきましょう。

例題1 風みどり 

22金、同玉、32歩成、12玉、22と、同玉、
32香成、12玉、22成香、13玉、24角、22玉、
32香成、11玉、33角成、同桂、21飛、12玉、
22飛成まで19手詰

[22☗、同玉、32☗成、12玉]を2回繰り返します。
33歩・34香が邪魔駒というのがタネです。
問題はこれを解いて解答者が面白いと感じるか冗長と感じるか…。

例題2 風みどり 詰パラ1978.02改

31銀不成、11玉、21飛、同玉、32銀成、同玉、
43歩成、21玉、32と、同玉、43香成、21玉、
32成香、同玉、43香成、21玉、32成香、同玉、
43香成、21玉、32成香、同玉、43香成、21玉、
32成香、同玉、42飛成、21玉、12龍、同玉、
24桂、21玉、32金、11玉、22銀成、同金、
12歩、同金、同桂成、同玉、22金打まで41手詰

[43☗成、21玉、32☗、同玉]を4回繰り返します。
香が4枚とも邪魔駒なので順次成り捨てます。
あまり面白い順ではないので2回で十分だったかも知れません。
でも、4枚とも縦に並べてみたかったのも事実。

例題 風みどり 詰パラ1993.09改

37銀、同玉、36馬、48玉、58銀、38玉、
48飛、同玉、47馬、59玉、69銀、49玉、
59飛、同玉、58馬まで15手詰

銀引~飛車捨~馬引を2回繰り返します。
これが同一手順かというと定義は面倒になりそうです。なので敢えて定義を放棄しています。
しかし解答者には伝わっているでしょう。

例題4 斎藤仁士 詰パラ2020.11

33金、13玉、24金、同玉、23金、同玉、
15桂、13玉、24金、22玉、33金、13玉、
24金、同玉、23金まで15手詰

[33金~24金~23金]を2回繰り返します。
ソレダケでピタッと着地しているのもいい感じ。
最近復活してくれて嬉しい作家ですが、やはり流石です。

例題5 井上徹也・久保紀貴 詰パラ2021.01

37龍、16玉、27角、25玉、16角、15玉、
35龍、14玉、25角、23玉、14角、13玉、
33龍、同龍、32角成まで15手詰

龍捨~角~角を2回繰り返します。
この作意も定義が難しいですが、「繰り返している」と解答者にはきちんと伝わります。

例題6 北千里 詰パラ1980.04 

14桂打、21玉、12歩成、同玉、22桂成、同玉、
34桂左、12玉、22桂成、同玉、14桂打、12玉、
45角、34桂、同角、同馬、22桂成、同玉、
34桂、12玉、22桂成、同玉、14桂、21玉、
32角、11玉、22桂成、同玉、23と、11玉、
21角成、同玉、32と寄、11玉、22と上まで35手詰

最後の2作は「名作」級です。

ただし本作をこの課題に適合しているというと異見もあるかも知れません。
しかし14桂打ち~22桂成と34桂跳ね~22桂成が交互に現れ、手順を並べるとその統一感にうっとりとさせられます。

例題7 井上徹也 詰パラ2005.08

24桂、23玉、33飛、24玉、36飛成、13玉、
31角成、23玉、32龍、24玉、42馬、13玉、
33龍、23飛、同龍、同玉、33飛、24玉、
37飛成、13玉、33龍、23飛、同龍、同玉、
33飛、24玉、36飛成、13玉、31馬、23玉、
24歩、同玉、25歩、23玉、32龍まで35手詰

最後はJudgeをお願いした井上徹也さんの模範演技です。

33飛からの開き王手が繰り返されますが完全な同一手順ではありません。
しかしその方が面白いではありませんか。
誰かさんの作品みたいに香が4枚並んでいたら繰り返しが現れるのは火を見るより明らか。
本作のようにさりげない形から飛打~開き王手が何度も出てくるので驚きがあるのです。

 みなさま。たくさんの投稿をお待ちしています。よろしくお願いいたします。


「未発表作」とあるけれどtwitterで流した作品はダメですかと質問がありました。
昨今はtwitterも既発表とする風潮ですが、つみき書店はそんなに厳しくしても仕方ないのでインプレッション3桁まではOKとします。(1000を超えていたら既発表扱い)

「詰将棋つくってみた(167)
 課題36:リピート趣向」への2件のフィードバック

  1. 2019年8月の「すらすら解ける20手台」PartⅣ 
    http://sokikaitusin.blog.fc2.com/blog-entry-287.html
    で発表した自作(⑱『Go Down』)ですが、
    記載の「例題 風みどり 詰パラ1993.09改」と構図・手順が、ほぼ同じでした。

    今回気づきまして・・・。申し訳ありませんでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください