八嶋さんは現在78歳。ここ数年は詰パラのヤン詰解付コーナーでよく作品を発表されていますが、詰将棋順位戦にも参戦したことがあるベテランです。
お電話がかかってきたのは昨年の11月でしたでしょうか。
「そろそろ歳なので、作品集を纏めて友人知人や、いままで住んでいたところの図書館に配りたい」
「ところがつき合いのある印刷所に相談したら90万かかると言われて困っている」
これはつみき書店の出番だということで、八嶋さんと新宿で会いました。
何冊か構成の異なる作品集と紙見本を私は持参し、八嶋さんは自作の柿木データがはいったノートパソコンと、結果発表のコピーが貼付けられたスクラップブックを持ってきてくださいました。
その場で作品集のあらましが決まりました。
話し合いの結果、サイズはB6の並製。装丁は伝統的な(?)シンプルなもので、その代わり表紙はちょっと高級紙を使用して、見返しもつけることにしました。
「図書館に寄贈したいという話をしたら、バーコードがあれば受けとるというところがある」
……変な図書館だなと思いましたが、それならばということで、つみき書店から発行することにし(私が組版するだけではなく)、JANコードを付けることになりました。
そういうわけで(?)販売用には、極めて少部数しか刷っていません。
したがってこの本は当面 Amazon にも出さない予定です。(全国大会が終わっても残っていたら考えます)
つみき書店と全詰連販売部(柳田さん)で扱います。
八嶋さんの作品は短編はとても筋良くやさしい作品が主流です。
八嶋啓孝『私と詰将棋』第55番 詰パラ2014.6
一方で中篇作品は読みの力を試される作品が多いです。
図はデビュー作。
八嶋啓孝『私と詰将棋』第1番 将棋ジャーナル1983.3
というわけで初心者の方から実力者の方まで楽しんでいただける作品集になっています。
創作順の掲載なので、出題図に手数も表示してありますので安心です(^^)。