二流作家のメンタルヘルス(5)

風みどり 風みどりの玉手箱

上の図は詰将棋ガイダンスを書くときに作図のテクニックとして正算式の説明用に作った図です。
詰将棋ガイダンスはただいまリニューアル中。古いものは倉庫にしまってあります。

易しいが金合4回で悪くないと思っていました。
24飛は4手目を金合に限定するための配置。こいつがみっともないが……。

このテキストを公表したところ、次の作品を神無七郎さんに教えてもらいました。

上田吉一 極光21 第64番 詰パラ1975.1

当時は極光第30番。

こちらは主眼手が54桂。52香合に備えて74角を打つ狙い。
オイラの辿り着いた21手詰を恐らく素材として持っていて、それを土台に作り上げた作品と想像できます。
作品に仕上げるのはこういうことなのかと、それが詰将棋を作るということなんだと……もう恐れ入りましたとしかいいようがないですね。

で、そのまま追記しました。

ところが、その数日後だったか数ヶ月後だったか……。
記憶だと小林敏樹さんが近将をもって現れるんです。「コレ見たか」って。
でも、当時は既に近くに住んでいたわけでもないし、そんなことは起こるわけないんです。
でも、まぁ記憶の中の話を続けますと。
「どうする?」というんです。
それでオイラは
「ネットで発表したのはオイラの方が先だから、このままにしとく。」
と、そんな感じで答えます。

で、見せられた近将に載っていた図は……。

原島利郎 近代将棋2000.9

「飛合は……どうなっているんだ?」
…………しばし考えて……
「そうか、12歩か!駒余りで割り切れているじゃん」
「24飛が不要だったんだ」
「それじゃ43歩は?」
「おそらく9手目の33角を限定させたかったんだろう」

もう作家として完敗、言い訳のしようもないと心が折れかけたときは、次の呪文を唱えよう。

一流作家に負けるのは当然!

というわけで、いまだにソノママになっているし、今度のリニューアルでも使っちゃう予定なのですが、もう20年も前の話なので記憶がいい加減なことといったら……、橋本さんも覚えていないですよねぇ。

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