内藤国雄「詰めと必至」東京書店 1973.3.25
2000年9月に同出版社から新装版が出ている。
同じ記事が他の書籍で再利用されている可能性もあるが、もしあったら教えてくださるとありがたいです。
この本は前半は必至、後半は詰将棋で構成されているが、詰将棋の部の冒頭に詰将棋の創作法の記事がある。
まず適当に駒を配置するところから始める。
これをちょっと変えて、
さらに金を飛に変えると、持駒に角金桂が必要になる。
この図は21金、同飛、33角、22飛、23桂でも詰んでしまう。
この余詰を消しても、まだまだ新題とはいえない。
この角をどっちで取っても金打ちで詰むのはちょっと面白い。
これで行こうと決める。
次は主題のカモフラージュと紛れを作る工夫。
やや詰将棋らしくなってきたが、手順も短すぎるし、どちらの飛で取っても同手数というのが気に入らない。
もうひとひねり。
【F図】
32銀、同銀、53桂、同飛、63角成、同飛寄、51金、31玉、22歩成まで9手詰。
初手より53桂、同飛、32銀は同飛、63角成、52飛寄で逃れという紛れもあり、軽い短篇作として標準のものが完成した。
【D図】から【E図】が詳しく説明されていないが、おそらく次のような所だろうか。
- 13歩、31との配置が硬くて発展が期待できない。
- 21と12に利きを作りたいのだから03に角を置けば良い。
- 左に1路動かして11香、13馬としよう。
- 43歩は33角を限定するためにしか働いていない駒。置きたくない。
- それなら角の打ち捨てではなく捌き捨てに変更すればまた別の発展もあるだろう。
- 34角の配置にする。
内藤国雄篇、まだ続きます。
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