ScanSnapを買ったので、なにか役に立つものをスキャンしようと
「森田正司文庫」をひとつスキャンしてみた。
木脇克弘さんの「MEMORY」。
でも、ご覧のように、もうほとんど判読不能。
ということは他にもたくさんある青焼き作品集はそろそろどれも賞味期限切れなのかな。
Tweet印象に残った作品。
大橋さんからコメントがありましたように変化の処理が一部変わっていたことをうっかりしました。
60手目74飛合の変化局面です。
最初の図では(もうありませんが)76成香でした。
これが改良図では成桂に変わっていたのは、この変化を膨らませる意味があったのです。
74飛合の場合、73角成だと94玉に76馬、同飛、86桂、同飛で不詰。
そこで、74の飛を質に見立てて75桂と捨てます。
同成桂には飛車を取って早いので、72玉。
73角成と捨駒風味で追い、61玉に43馬、52銀、62歩、51玉で次図。
後は63桂生以下32と迄簡単だ。
もし玉の持駒に飛車があると銀合でなく52飛合とされて、32とを同飛ととられ不詰。
これが99飛が余詰・不詰防止に効いていると書いた不詰防止の中身だ。
(ついでに余詰防止は桂馬1枚でも75桂と攻める筋でしょう)
枯れ木も山のにぎわいってことで・・・
斜め追いは大好きですが大橋さんらしさはあまりみられないような気が・・・(笑)
松沢成俊
解答が届かないとあきらめて、解答発表を書き始めたその日に届いていました。
見逃していて御免なさい。
いつもありがとうございます。松沢さん。
斜め追いは私も作ったことがありますが、この作品の造りは大橋さんらしいなと感じました。
おそらく松沢さんのいう「大橋さんらしさ」は本作のような一本道の流れの中に現れる謎解きではなく、狭い場所の中で自然な深い紛れの中から本筋を探していくというタイプの作品でしょうか。
まさにそのタイプの作品を、先日のたま研の課題作に大橋さんが出題していました。
おそらくパラに発表されると思いますので、乞う御期待です。
さて、73馬では打歩詰。
それでは別の手段に思い至っただろうか。
65馬。
馬を筋違いにしてしまうので、なんともやりにくい手だ。
94玉には76馬と桂馬の質を見ている。
74合駒には73角成で同じ事なので72玉と逃げ出すしかない。
73角成、61玉とおって次図。
61玉ならば51桂成から72歩と橋に追い詰めて簡単。
この銀は初手に打った銀。
最後の最後でこんなに洒落た消え方をするなんて。
さて、局面は残り3手に見える。
そう馬を切って頭金。
91馬、72玉。
すらっと逃げられる。
でも心配無用。
83馬という気持ち良い飛び込みが見えている。
そうか、最後に2枚馬に見得を切らせて収束か。
さすがだね。
ところが83馬も同玉とはしてくれず63馬。
なんとまだ1幕あったのだ。
ここからが本当のクライマックスだったのだ。
そして最終5手前。
これは解説不要だったはずだ。
最後までリズムに乗って一気に駆け下った。
詰上がり図をみると99飛以外の駒が実によく働いていたものと感心せざるを得ない。
(99飛ももちろん余詰・不詰を防ぐ配置なのだが)
この作品、最後の駆け下り趣向から作り始めたのは間違いなかろう。
とすると、この趣向に必要な配置を極限まで働かせ切った中盤そして序盤であることが分かる。
特に詰上がり図の39銀と19金の生まれ育ちに思いをはせて頂きたい。
最後に一気に作意手順を鑑賞されたい。
Tweet続きです。
これで2枚馬が連結して玉を追う準備が完成。
もちろん、64馬といく。
25歩が浮いている。
そしていかにもな飛車と銀の配置。
34銀、同玉、24飛、35玉
は自然な指し手。
これで45馬といける。
次の指し手も自然な手だ。
37歩からと金と交換して次図。
57銀があるので46馬とできない。
この銀を動かすのに桂馬が必要。
そこで47金、同玉、37馬、65銀と
桂馬を入手。
同玉だと。
55馬、74玉、44飛ともう1枚桂馬を入手。
64馬から75桂として、75の地点を埋める。
同成桂に95桂ともう1枚使えば94玉、84銀成で次図。
あとは簡単だ。
したがって、65銀には45玉とかわすのが正解。
44桂と57銀がよく守っていて容易でない。
55馬とすると、
36玉、に48桂と57銀の移動を図るも
同銀生で以下続かない。
打開する妙手が56銀だ。
同桂は飛車の横効きが通るので46歩~47桂~64銀成以下。
同玉にさらに48桂と打つ。
やはり同銀生だが、46馬から追い込めるのが先程と違う所。
次の手は簡単だ。
28金から成桂と交換してさらに39桂。
応手は当然ながら生だ。
成ならば46馬から28馬までひっぱって簡単。
これで馬の動きを邪魔する駒はなくなった。
再び上段に押す戻すのだろう。
37馬~46馬~55馬と押していき、
44飛と桂馬の補充。
収束は間近か。
64馬83玉で次図。
先の変化と違い桂馬は1枚しか持っていないので、
75桂と贅沢はできない。
93歩成から82銀生と攻める。
対して83玉とふんばるのが、73馬なら94玉で打歩で逃れようとする所謂「顔面受け」。
さて73馬が駄目ならば次の手段は?
もう味の濃い所は終わり後は……。
さて、ここからはもう一息!
Tweetお待たせしました。
大晦日に紹介した大橋健司さんの大作「迷宮の鱗舞スケルツォ」ですが、いくら待っても解答が届きません(T_T)
やはり賞品ださないとだめだったか~。
それともパラが2日には届いて、しかも新年号だというのに大学院などいきなり若島正だものなぁ。
そちらでお腹いっぱいになってしまったでしょうか。
はたまた、本作が難しかったか…。
右辺には銀とがいるものの飛車も守っており、心許ない初形。
香を打ったりしては全然駒がたりない。
初手は頭から銀で押さえる一手に見えるのだが…。
81玉と逃げられるともう困ってしまう。
91金が守っているではないか。
83香と攻めてみても
71玉、82香成、同金、同銀成で次図
全然、足りない。
しかし、実は2手目81玉には妙手が用意されている。
82銀成。
同金、同角成
と19角を捌いてしまう。
さらに93歩成。
もう方針はおわかりだろう。
そう、86馬を主軸に詰ましてしまうのだ。
同玉に84銀、同玉、
と銀も捌いて85香とすれば、あとは53に作れると金で押していける。
したがって初手83銀に2手目の正しい応手は
71玉なのだ。
72歩、61玉に香だけで上部におびき出すことができるのか。
64香が限定打。
51玉とあくまで下辺にへばりつけば、
62銀生として頭に歩を叩いて53歩成だ。
したがって
64香には52玉と上がらざるを得ない。
これで
63香成、同玉、74銀
と2枚馬の勢力圏に引きずり出すことに成功した。
この銀は取れない。
さてこれで序盤は抜け出した。
ここから楽しいメインディッシュが始まる。
未見の方は是非、後編のアップの前に挑戦を。
Tweet1月11日のたま研新年会に参加した。
忘れないうちにいつも幹事の面倒な仕事を引き受けてくださっている角さん利波さんにお礼を申し上げておこう。
特に20名もの人数が入る2次会会場を探して夜の街を走り回った利波さんにはSpecial Thanksを。
今回はお年玉ですかという程、いろいろ頂いた。
自慢もかねて、紹介する。
世界のハシモトさんから頂いた。
この磁石盤、一番薄くて持ち運びしやすいのに、一番駒が大きいので使いやすい。
長いこと愛用していたが、飛車がなくなり、いつしか本体も無くしていた。
ありがたいです。
北海道将棋連盟の詰将棋小冊子は購ったり戴いたりして殆ど所持していたのだけれど、この1冊だけ持っていなかった。
そのことを、いつか書いたら、磯田さんが下さった。
田利さんは「田利爺」として、この玉手箱にもよく参加してくださっていた。
中まだパラパラとめくっただけだが、「玉手箱発表」となっている作品もある。
「爺」と名乗っていたけれど本当はまだまだ若かったのになぁ。
そういえば会場でまた若い方の訃報の話を聞いた。
歳歳年年人不同
これも磯田さんから頂戴した。
B7サイズの可愛らしい作品集。
30局収録されている。
一般に販売はされていないようだ。
T-baseで検索すると発表は250局を超している作家。
これは楽しめそうです(^^)
海外向普及小冊子なのでしょうか!
選ばれている作品も形も手順もよう練り込まれた美しい作品ばかり。
労作です。
門脇賞の推薦は三宅英治さんにしようかな。
こちらは新年会会場で貰ったわけではないが、帰宅したら届いていたもの。
やはり、ここで「欲しい」と書いたら、奇特な方がわざわざ送って下さった。
有り難うございます。
作者の山本正弘さんはT-Baseでは1作もヒットしない方。
でも序文を読むと50年の創作活動の集大成とある。
まだまだ名前は知られていなくても、詰将棋を愛する仲間は大勢いるということが再確認できる。
これも難しくなさそうなので、解いて楽しめそうだ。
これは(あ、写真だけでも撮っておけば良かった)磯田さんに見せて貰った作品集。
焼肉食べながら大急ぎで通読しました(^^;;;
以前、書いたようにT-Baseではサロンに1作だけ発表された記録が残っている方。
その作品が50手超えの長編だったので、さらにタイトルがなんとなく変幻自在さんを思い起こさせたので、もしや長編のみ100局の作品集では!?と思った。
が、そうではなかった。
サロンの作品は第100番に収録されていた作品で、99番までは短編から中篇。
しかし立派な箱入りの上製本で、解説も懇切丁寧。
著者の詰将棋への意欲がびんびん伝わってくる。
ああ、やっぱり作品集を纏めるっていいなぁ。
その他に、お仕事も貰ってきました。
パラの担当を降りて暇になった割には、今も某三輪さんの結果稿を抱えていたり、某三輪さん作品集の解説原稿もそろそろ手をつけないと間に合わないな。詰工房第4作品集にも参加することにしたのでそちらの原稿もあるし、解答選手権のスタッフにも雇われたので……けっこうやることはある。
でも、その原稿は3月末辺りなので春休みがあるからなんとかなるだろうという読みで引き受けた。
ん?今考えたら3月末と言えば、解答選手権のチャンピオン戦じゃないか。
酔っぱらっていたからなぁ(^^;;;
新年会では課題作の発表と人気投票が行われた。
作者名が凄かった。
波崎さん、利波さん、大橋健司さん、金子清志さん、若島さん、宮浦さん、馬屋原さん。
(オイラも超悪形のダラダラ中篇を提出した)
オイラに解けたのは利波さんの作品と、若島さんの作品だけ。
金子さんのも真面目に考えたのだけれど、2度目の合駒を間違えていて????となっていた。
○○合を見落としていたのだからテーマに入らず終い。
いずれにせよ作品展は学校に負けないラインアップになるはず。
乞御期待だ。
3次会では若島さんに自ら1月号大学院の作品を解説して貰った。
安武さんに聴かせたかった(^^)
そこまで話を聞けたのも、小林さんに倣って宿を取っておいたお陰。
取ったホテルが同じ所だったのは偶然です。
小林さんは翌朝早く山歩きに向かった模様。
元気で羨ましい!
大掃除をやめて(終えてとは言えないのが辛い所)、さてそろそろパラが届いているはずだとポストを開けてみたら……
空だった。
twitterのtimelineを読む限り、届いたという人も多いが、きっとオイラのように届かなかった方も多くいるに違いない。
ここの所月末には届いていた。
それだけにショックも大きかろう。
そういう総ての方の為に、秘蔵の作品を紹介する。
先日、「迷宮の振子」を懸賞出題させて頂いた大橋健司さんから頂いた作品。
実は「迷宮」は3部作だった!
3部作の最後を飾る長編だ。
パラ(1992年9月号)に発表された際は不詰だったのを修正、さらに序を改良した。
なので今回は懸賞出題と言うことにはしないが……もし解答が来てしまったらどうしようかな(^^;
初めて見たという方は、是非挑戦してください。
解答および感想は まで。
追記:昨夜、大橋さんから、再度なにやら図面が送られてきました。ついつい改良してしまった模様です。
そこで、こっそり図面を差し替えました(^^;;;
途中4手増えたのと、変化が少し変わったみたいです。
1,2,3はまだhtmlで書いていた時代だったのでデータがちゃんと残っていました。
ところが4はブログツールを利用し始めてから書いたものだったので、画像も自分で管理せずMTだかWPだったか、とにかくおまかせでした。
なのでハードディスクの中には残っていなくて困りました。
やっとDropBoxの中に発見してなんとか復旧できました。
適当にでもバックアップはしておくものだなぁ。
台風にもめげず、名局精解2竹下雅敏氏の構想中篇を解く!を修復しました。
新しい読者の方はどうぞ。
そうだ、今朝、台風の中、どうやって出勤しようかとばたばたしていて、大橋健司「迷宮の振子」の賞品をポストしてくるのを忘れました。
当選者のお二方。明日こそ投函しますのでお許しください。