三手詰祭はまたしばらくしたら開催しますが、この年末は今度こそ(?)詰将棋創作のチョー初心者の方にも参加してもらえる課題を用意しました。
今回の創作課題は金頭桂の手筋です。
○○桂、同☖、○○金までで終わる詰将棋を作ってください。
金頭桂の手筋というのはおそらく最も有名な詰将棋の手筋。
世界最古の詰将棋にもこの手筋は登場した。(詰将棋入門(15)最古の詰将棋を参照のこと)
基本形は次図。
23桂、同金、12金まで3手詰
守備駒を移動して玉の守りを薄くする手筋のひとつといえよう。
基本形を2手逆算したのが次図。
小西逸生 詰パラ1975.12
11飛、同玉、23桂不成、同金、12金まで5手詰
桂馬を35に配置して、2手目32玉と逃げた場合の変化にも活用しているのがうまいですね。
逆算は玉の移動でした。
さらに金の移動で2手逆算したのが次図。
野々村禎彦 詰パラ2017.2
22銀、同金、11飛、同玉、23桂不成、同金、12金まで7手詰
これらは玉の移動に飛車を捨てましたが、左右反転して右側に壁を用意すれば金の捨駒でも可能です。
21金、同玉、13桂、同金、22金まで5手詰
さらに金も移動させると次図になります。
12銀、同金、21金、同玉、13桂、同金、22金まで7手詰
捨駒ではなく配置した桂馬と自然に連携した逆算が次図です。
13銀、21玉、33桂不成、同金、22金まで5手詰
拠点駒を配置する逆算としておきましょうか。
この図から飛車捨てで玉移動を逆算したのが次図です。
12飛、同玉、13銀、21玉、33桂不成、同金、22金まで7手詰
31玉の逃げには32飛成、同玉に金2枚を連打して詰みます。
この図は左に平行移動しても成立します。
22飛、同玉、23銀、31玉、43桂不成、同金、32金まで7手詰
33玉の逃げがあるので12飛と離して打つのができないのがミソです。
信太弘 近将1993.4
34桂、同歩、12飛、同玉、13銀、21玉、33桂不成、同金、22金まで9手詰
31玉と逃げられたときのために33金と打てるように歩を吊り上げる逆算が加えられています。
※本図は信太弘作としましたが、『AFFECTION』1977に同一図を掲載したところ、田宮氏から某プロ棋士に同一作があると指摘されました。しかし名前が確認できなかったのでとりあえず信太弘作としておきます。)
さて例題はこれくらいにしておきます。あ、私も一つ考えてみたので最後にもうひとつだけ。
風みどり
11手詰です。考えてみてください。
新しい金頭桂作品を作れないかなと考えたのですが、捨駒皆無でショボいです。
しかもよく考えてみたら、これって「傀儡師」の収束でみた気がしてきました。
課題を再掲します。
○○桂、同☖、○○金までで終わる詰将棋を作ってください。
初心者はとにかく同一作検索にかからない作品を物にしてください。
中・上級者は「金頭桂で新作」という挑戦的な課題として考えてみてください。
- 投稿は柿木将棋のki2ファイルをメールに添付する形でお願いします。(別の形でもかまいませんが、作意を明記してください。)
- 【詰将棋情報】の【作者】に発表用の名前を記入してください。
メールには本名も必ず明記してください。 - 自作に限ります。貴方の名前がついて発表される可能性があることを忘れないでください。未発表作が望ましいです。ただしネットやtwitterで発表した作品はそのメディアと発表年月日を明記して投稿くだされば受け付けます。
- 投稿先はkazemidori+ultra@gmail.com。
タイトルに「金頭桂」と明記してください。 - 締切は1月
20日(金)24日(火) - 初心者クラスから1作、中・上級者クラスから1作に粗品を進呈します。
「金頭」の桂~同「☖=金」,
に限るということでしょうか?
(標題・文面は金頭桂、課題文は同☖)
また、最終手の金は打ち・移動不問?
金に限りません。後手の駒ならなんでもOKという意味です。
また最終手も打ち/移動は不問です。