1997~1998年には香剥作品の発表はなかったようだ。
今回は1999年に発表された作品を並べる。
今村修 詰パラ1999.3
\(龍追い+香剥がし\)。龍追いのルートが大きく、序奏で2周していることも相まって200手を超えた。
最後、桂合だと45玉に、34龍以下早い。
右辺の伸びやかな配置に優れたセンスを感じる。
田島秀男 詰棋めいと1999.7
今村作と\(龍追い+香剥がし\)という基本構造は同じだが、入手した香を桂に変換するためにさらに2回転必要という脅威の構造。最初の香を剥がすのに3回転となる。
2サイクル目からはさらに香合もはいって4回転しなければならない。
大傑作だが、最後の1周は67香が消えるという効果しか無いので不要。431手目から44龍で収束に入り443手詰というのが本詰になる。
また今回柿木将棋で検討したら、403手目から79香で早詰という順もでた。
修正図が期待される。
小栗福博 「拗人」 詰パラ1999.7
銀ベルトで玉を移動し、角で香を剥がし香を角に変換する。
筆者も全くの同想の図を創ったが、坂東仁市氏の作品集に発見して発表はできなかった。
本作は大学院担当の首猛夫氏が「やさしい大学院」向けに依頼して作成されたものだそうだ。