詰将棋つくってみた(150) 課題31:結果発表(最終回)

つづきです。
今日は最後までいけるかな!?

第23問 本間晨一

正解
47銀、同馬、49金、同玉、47龍、48角成、
38銀、59玉、49金、69玉、79金、同玉、
88銀、同玉、77角、89玉、99金、78玉、
88金、69玉、58銀、同馬、同龍、同龍、
78角、同龍、59金、79玉、78金、同玉、
68金、87玉、86と、97玉、98歩、同玉、
99飛まで37手詰

竹中健一 79金から88銀と逆方面から攻めるのが意外性ありました。
占魚亭 なかなか龍が消えなくてヤキモキ。すっきりとしている22番の方が好きです。
松澤成俊 持ち駒趣向としてはしかたないのかもしれないがもう少し切れ良く終わりたいところ

★またも金持ち図式。強力な大駒3枚の守備駒を精算するのに大金を払うタイプの作品のようだ。
★馬を取って角の移動合は先程も見たばかりの展開。38銀~49金と俗に攻めるのも見覚えがある。ところが本作はここからが異なる。59金打だと本作では同馬と応じて以下同金、同龍でまだ持駒は豊富だが金が1枚しか無いのが響いて詰まない。例えば67龍、68合、58角、79玉、88銀、同玉で77龍は89玉。77角は98玉でギリギリ逃れている。
★そこで先に左辺に足掛かりをつけておく必要があり、79金~88銀~77角が本局のハイライトだ。
★あとは58銀とぶち込んで総ての守備駒を精算して幕。

第24問 RINTARO

正解
23桂、同歩、22銀、同香、21金、同玉、
33桂、同歩、32銀、同香、31金、同玉、
43桂、同歩、42銀、同香、同と、同玉、
54桂、51玉、42金、61玉、52金、同玉、
53歩、61玉、52金、71玉、62桂成、82玉、
84香、83桂、同香成、同玉、74銀、82玉、
83歩、92玉、84桂まで39手詰

変化:21手
42銀、61玉、62桂成、同玉、63歩、同玉、
まで26手で中断

松澤成俊 これはたのしい
松崎一郎 楽しそうで解図意欲をそそられる。
占魚亭 玉を出すまでの手順が面白かったです。
竹中健一 これは楽しく解けるサービス問題ですね。

★膨大な持駒だが、初形を見れば手順は見えてくる。
★桂→銀→金と捨てる繰り返し趣向のようだ。変化はあるが読み飛ばしても大丈夫だろう。ただ問題は段々玉が広くなってくるのに持駒はグイグイと減る一方だということ。


★41金と捨てることができたら3回目の繰り返しが完成だが、21玉と戻られて駒が足りないのは明らか。したがって趣向手順は2回で終了、42とで収束に突入することになるようだ。ちょっと食い足りない感じ。
★さて収束は54桂とかけていくのは当然として51玉に42銀、61玉、62桂成、同玉、63歩がまず見える。これに逃げれば詰むのだが、あっさり63同玉で意外にも続かない。42金から金を2枚とも使ってしまう順はちょっと意外性がある。81歩のおかげで84香で歩以外の駒が入手できるというわけだ。

★解答者からは楽しめたと好評だった本作だが、本局の構図を見て古い詰将棋ファンならば次の図を思い出すことだろう。

★全応手同Xで31手詰なので、手順は紹介するまでもないだろう。本作はこの趣向を小駒図で実現を目指したわけだが無理があったといわざるをえない。
★余談だが市橋豊氏(森長氏の筆名)が全応手同Xの記録を45手に伸ばした「新・奇岩城」(『詰物語』第41番 近将1983.9)を発表している。また現在の記録は岡本正貴氏の49手(パラ2002.7)だそうだ。

第25問 ミーナ

正解
11香成、同玉、55角、33歩、同角成、22金、
23桂、21玉、13桂、12玉、24桂、13玉、
12桂成、同玉、13歩、21玉、11桂成、同玉、
22馬、同玉、12歩成、23玉、13と、24玉、
14と、25玉、15と、26玉、16と、同玉、
36龍、26歩、27金、15玉、26金、24玉、
25金、23玉、34龍、12玉、13歩、21玉、
22歩、同玉、14桂、21玉、12歩成、同玉、
32龍、13玉、22龍まで51手詰

作者 手数は長いですが、ほぼ既成手順で意味なしといわれそう。
占魚亭 龍を出動させるまでの流れがいいですね。
竹中健一 筋を知っていれば難しくない。後半は既成手順だけどあまり気にならなかった。
松澤成俊 結局例の収束に持ち込むわけだがその前に4桂使ったこんな趣向手順がはいる形が残っていたとは驚いた。

★作者のいうとおり手順は既視感に溢れている。3筋に龍がいる形での33中合は数多くあるし、そこから持駒桂でのあしらいも色々見てきた。13桂の邪魔駒消去も!
★ところがいつの間にか金追いの趣向手順につながってしまったから驚きだ。勿論この筋自体は見たことがある。おいらが最初に思い出したのは山田修司「Wプロット」(『夢の華』第23番 詰棋界1951.8改)だがいくつもありそうだ。ところがそのまま終わるのではなく、収束は今度は岡田秋葭の裸玉
★と、書いたが序盤はかなりオリジナリティがあるようにも思える。中盤終盤も山田修司と岡田秋葭を出すのが適当かどうかも、かなり調べなくてはならない。ここら辺は近いうちに詰将棋雑談で検証するということでお許しいただきたい。どうも最近自分の脳味噌が信用できなくて。
★言い訳はこれくらいにして手順を調べていこう。
★55角に22合は31龍で三手詰なので、33に中合をする一手だ。桂馬は品切れなので一番安い歩に決まり。同角成にまた間駒選定となる。歩合は23桂、21玉、31桂成以下簡単。飛車角は強すぎて切って簡単。銀合は作意同様に攻めて21玉に32馬ができる。金合に決定だ。
★すぐに切ると14桂以下追えるが2筋をずっと登っていけば逃げられる。23桂から拠点を増やす。打った13桂を原型消去するのは定番の手筋。13歩を同玉では25桂と更に極力な拠点ができてしまうので21玉。これで13歩が残った。しかしまだ22馬と切るのは早い。同玉、12歩成、同玉、32龍、22合に23金と打てない。23桂が邪魔駒になっている。そこで11桂成と直接消去してから22馬だ。
★12歩成と1筋に玉を誘導して一間龍の形を目指す。変化はあるが持駒金桂歩ならば取れないと覚えておいていいだろう。16とは同玉と取るしかなく一間龍が実現する。
★26桂合の場合は同様に追って23玉に34龍と追わずに24歩と打つ。岡田秋葭を研究していないとなかなか難しいと思う。

途中ですが、ここで追記です。
第10番RINTARO作について某氏から次の図を指摘いただきました。

今村修 詰パラ1998.11

RINTARO作は今村作を90°回転した攻め筋だということだ。
双子の兄とのご対面という感じでしょうか。

さて、本線に戻ります。

第26問 馬屋原剛

正解
22角、同歩、21飛、同玉、32角、同香、
同香成、同玉、33香、42玉、32飛、41玉、

★大駒をバシバシ使って駒を解していく。飛車を配置して準備完了。

51歩成、同と、31飛成、52玉、51龍、63玉、
53龍、74玉、84金、同金、73龍、85玉、
84龍、76玉、77金、同と、86龍、67玉、
77龍、58玉、57龍、49玉、59龍、38玉、
39龍、27玉、37龍、16玉、17龍、25玉、
14龍、26玉、27歩、同玉、17龍、38玉、
37龍、49玉、39龍、58玉、59龍、67玉、
57龍、76玉、77龍、85玉、86龍、74玉、
84龍、63玉、73龍、54玉、43龍、64玉、

★駒交換しながらルートを整備して戻ってくる。右辺での折り返しに1歩使用することを確認。

53龍、74玉、73龍、85玉、84龍、76玉、
86龍、67玉、87龍、58玉、57龍、49玉、
59龍、38玉、39龍、27玉、37龍、16玉、
17龍、25玉、14龍、26玉、27歩、同玉、
17龍、38玉、37龍、49玉、39龍、58玉、
59龍、67玉、57龍、76玉、77龍、85玉、
86龍、74玉、84龍、63玉、73龍、54玉、
43龍、64玉、

★もう1周して87歩を入手する。でも折り返しに1歩消費するので持駒は増えない。つまり87歩を消去したということ。

53龍、74玉、73龍、85玉、84龍、76玉、
86龍、67玉、97龍、58玉、57龍、49玉、
59龍、38玉、39龍、27玉、37龍、16玉、
17龍、25玉、14龍、26玉、27歩、同玉、
17龍、38玉、37龍、49玉、39龍、58玉、
59龍、67玉、57龍、76玉、77龍、85玉、
86龍、74玉、84龍、63玉、73龍、54玉、
43龍、64玉、

★97桂を入手。この桂馬をキーに収束するのだろう。

53龍、74玉、
73龍、85玉、84龍、76玉、68桂、66玉、
67歩、同玉、87龍、58玉、57龍、49玉、
59龍、38玉、39龍、27玉、37龍、16玉、
17龍、25玉、14龍、26玉、27歩、同玉、
17龍、38玉、37龍、49玉、39龍、58玉、
59龍、67玉、57龍まで189手詰

★68桂を配置。これで76が封鎖されて終局となる。

占魚亭 桂獲得を目指す楽しい龍追い。記録作なんですね。
松澤成俊 オーソドックスな龍追いですね。やさ院にちょうどの感じ
竹中健一 このコーナー最長手数でしょうか?龍追いだけどキーが見つけやすいので解きやすかったです。解答精査が大変ですね(笑)
★解答王3名しか解答いただけなかったので、採点は簡単でした。

★序盤に大駒を使ってしまうので、龍追いの回路作成に角が使えない。小駒だけでうまく作られている。といっても無理があるので純粋な長手数を目指した作品ではなく、「持駒飛角4枚の最長手数」という記録作のようだ。馬屋原さんとしてはお遊びのようなものだろう。

総評

占魚亭 4・21・26がベスト3です。
石川和彦 解答の集まりを嘆かれていらっしゃるので若干ですが。
松澤成俊 雑な解答ですが枯れ木も山の賑わいということで(^^)/
まつきち 今回は時間が取れずこれにて失礼します。全国大会ロス状態(笑)
松崎一郎 解けた(と思われる)分だけ解答しますので宜しくお願いします。
竹中健一 結構面倒な作品もありました。解説、解答審査とか大変そうですね。
RINTARO 時間切れです。馬屋原さんの作品は解きたかったなぁ。持駒趣向の幅が広すぎて、持駒一色とそれ以外で分けたほうが良かったかも
negitarou 後半の問題は解けませんでした。【第8問】と【第9問】が特に面白かったです。
久保紀貴 こんばんは。久保です。賑わしに解答を送らせていただきます。ギリギリ滑り込みなので、パッと解けたものだけ…。
ぎょうざパン 「全問解答は無理」と思っていましたが、もう少し(15問くらい)は解きたかったです。解答発表を楽しみにしています。
空貴人 今回も、どうもありがとうございました。詰将棋の世界に、改めて神秘性を感じた次第です。解けた分までとなりますが、回答を送付させていただきます。

成績発表

Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8
占魚亭
石川和彦
negitarou
ぎょうざパン
竹中健一
松崎一郎
松澤成俊
空貴人 ×
RINTARO
久保紀貴
まつきち
Q9 Q10 Q11 Q12 Q13 Q14 Q15 Q16
占魚亭
石川和彦
negitarou
ぎょうざパン
竹中健一
松崎一郎
松澤成俊
空貴人
RINTARO
久保紀貴
まつきち
Q17 Q18 Q19 Q20 Q21 Q22 Q23 Q24
占魚亭
石川和彦
negitarou
ぎょうざパン
竹中健一
松崎一郎 ×
松澤成俊
空貴人
RINTARO
久保紀貴
まつきち
Q25 Q26 粗品
占魚亭
石川和彦
negitarou 当選
ぎょうざパン
竹中健一
松崎一郎
松澤成俊
空貴人
RINTARO
久保紀貴
まつきち

厳正な抽選の結果、当選者はnegitarouさんに決まりました。粗品を送ります。

優秀作

第19問 はせがわ ゆ

正解
33桂、42玉、44飛右、43銀、41桂成、32玉、
42成桂、同玉、34桂、32玉、22桂成、同玉、
13歩成、31玉、32歩、同玉、24桂、42玉、
34桂、33玉、32桂成、同玉、52飛成、同銀、
42飛成、21玉、22龍まで27手詰

★じっくり読ませる作品で定番ながら打ったばかりの桂の原型消去が上手い。なにより収束で飛車の成り捨てが美しく決まった。

第25問 ミーナ


★作意は上にあるので略。盤面7枚の簡素な図から奇跡的な展開。

佳作

第4問 芹田修

正解
44金、同桂、34金、同桂、43金、同馬、
24金、同歩、13飛成、23香、22龍まで11手詰

★持駒趣向作の場合、詰上りにその持駒が綺麗に消え去っていると評価が高まる。
今回では#4、#8、#22が該当している。
なかでは本作が抜群の完成度で佳作とする。

第26問 馬屋原剛


★作意は上にあるので略。
★よくぞ189手詰を投稿してくださいましたなとの気持ちで佳作!

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