詰将棋つくってみた(152) 課題33:オール捨駒

課題33:オール捨駒の7手以上の詰将棋を作ってください。

※今回は捨駒を次のように定義します。駒取りでない攻方手で同☖と応手される手。
※すなわち今回の課題を言い換えると「応手がすべて同☖となる7手以上の詰将棋」となります。
※ただし同☖とならない変同があるのは問題にしません。あくまで作意の応手が同☖であればOKです。

  • 7手以上とします。
  • 未発表作に限ります。
  • 投稿先はkazemidori+kadai@gmail.com
  • 締切は8月30日(水)
  • Judgeは沖昌幸さんです

例題NG 会沢宏一 詰パラ1981.3

16金、同銀成、26銀、同成銀、27桂、25玉、
34馬、同馬、15金まで9手詰

普通はこのような作品も「オール捨駒」とよびます。
が、今回は「すべて同☖」という条件があるのでNGです。
ご注意ください。

例題1 会沢宏一 詰パラ1976.7改

42銀、同金、23飛、同玉、35桂、同歩、
12角、同玉、21飛成、同玉、22金まで11手詰

5手詰ですと捨駒2回ですので少し易しすぎるだろうと「7手以上」という縛りをつけました。
本作のように11手ぐらいになりますと、捨駒5連発ということになりますから、なかなか華やかな手順になります。
その分、余詰との戦いということになるでしょう。
(本図も調べてみたら余詰があったので、急遽風みどりが修正しました。ごめんなさい>会沢さん)

例題2 栗原吉尹 詰パラ1965.2

12歩、同玉、13歩、同玉、14歩、同玉、
15歩、同玉、16歩、同玉、17歩、同玉、
18歩、同玉、19飛打まで15手詰

本作のように可愛らしい作品も条件を充たしています。
誰でも解ける–そういう作品が投稿されるのを待っています。

例題3 原利和 将棋ジャーナル1987.3

52歩、同銀左、41歩成、同銀、52歩、同銀引、
61歩成、同銀、52歩、同銀左、42銀成まで11手詰

こちらも可愛らしいですが、納得させるものがありますね。

例題4 佐藤千明 将棋月報1944.2

22銀打、同金、11金、同玉、23桂、同金、
22銀成、同金、23桂、同金、21金、同玉、
31香成、同玉、32金まで15手詰

本作も一本道とはいえ、十分詰将棋らしい内容になっています。
23の逃げ道を塞いだら31銀が邪魔駒になっているのが鍵です。

例題NG 宇佐見正 将棋評論1951.6 

23桂成、同龍、21角、同龍、24桂、同龍、
13歩、同龍、21角、同玉、32飛成まで11手詰

ここでもう一つの条件を確認しましょう。
本作は同龍4回。
最後も角の捨駒でキビキビと詰み上がる好作ですが、今回の課題には適合しません。
それは初手が駒取りになっているからです。
この「駒取りなし」という条件は手数を伸ばそうと考える人にはけっこう厳しい条件かもしれません。

ところで本作のように同☖と取る玉方の駒が1枚の駒だとまた別の味わいが出てきますね。

例題5 坂野孔一 詰パラ1990.12

52歩成、同馬、53桂、同馬、42銀成、同馬、
53桂、同馬、31歩成、同馬、53桂、同馬、
32銀成まで13手詰

同馬が6回。
このように1枚の駒が総て同☖と取るようにすると翻弄ものと呼ばれます。

本作3枚の邪魔駒を駆使して易しい翻弄物を仕上げています。見事です。

例題 山田修司 近代将棋1970.5

37金、同馬、28桂、同馬、39香、同馬、
38香、同馬、37銀、同馬、28桂、同馬、
26馬まで13手詰

馬の翻弄で有名な作品がこちら。
何度見ても作図の上手さにため息が出る作品です。

なお芹田さんの「蟻銀」も中村さんの「奔龍」も途中に駒取りがあるので今回の課題には適合しません。

例題 広瀬行夫 詰パラ1996.5

76金、同桂、64銀、同と、74金、同と、
66銀、同角成、86銀、同歩、85金、同香、
84銀、同と、67桂、同馬、65金まで17手詰

最後にもう1局名作を。
金持ち図式でオール捨駒作品です。


「未発表作」とあるけれどtwitterで流した作品はダメですかと質問がありました。
昨今はtwitterも既発表とする風潮ですが、つみき書店はそんなに厳しくしても仕方ないのでインプレッション3桁まではOKとします。(1000を超えていたら既発表扱い)

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